更新日: 2020.07.27 働き方

バイト・パートにも有給休暇取得が義務づけられている? 条件や日数を解説!

バイト・パートにも有給休暇取得が義務づけられている? 条件や日数を解説!
自分はアルバイト(以後、バイト)で働いているから、パートだからと、有給休暇(以後、有休)の取得ができる正社員をうらやましいと感じている人もいるのではないでしょうか?
 
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、2019年に労働基準法が改正されたことにより、バイトやパートで働いている場合でも、有休の取得が義務づけられました。
 
今回は、その内容がどのようなものなのか、また休暇が発生するための条件や日数などについて解説していきたいと思います。
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

バイト・アルバイトでも有給休暇はもらえる?

バイトやアルバイトは正社員ではないから、有休なんて夢のまた夢。正社員になったら、思いっきり有休を取って、プライベートを充実させてみたいな……などと、思い描いている人はいるようです。
 
実は、有休というのは、正社員でなくても長期間にわたって働くことが約束されているすべての人が利用できる権利の1つなのです。
 
ただし、ただバイトやパートで働いているというだけではなく、有休をもらうためには、一定の条件を満たしていることが必要です。
 
その条件とは…
 
(1)雇用されてから、6ヶ月継続して働いていること。
(2)付与日の直前1年間(最初の付与は直前6ヶ月間)に8割以上出勤していること。

 
これら、2つの条件を満たしていなければ有休はもらえません。

働き方によってもらえる有休日数は違う

有休がもらえるといっても一律というわけではなく、働き方によってもらえる有休の日数は変わってきます。
 
例えば、労働時間30時間未満、週4日以下のパートがもらえる有休は何日になるのかを確認してみましょう。以下は勤務年数が6ヶ月以上の場合です。
 

労働時間30時間未満、週4日以下のパート
  • 週4日勤務または年間労働日数「169日~216日」の場合…7日
  • 週3日勤務または年間労働日数「121日~168日」の場合…5日
  • 週2日勤務または年間労働日数「73日~120日」 の場合…3日
  • 週1日勤務または年間労働日数「48日~72日」 の場合…1日

 
有休がもらえる・取得できるのは、雇用されてから6ヶ月後になります。それより前に、出勤日にお休みする場合には欠勤扱いになります。
 
働きはじめてから6ヶ月の間にお休みが多くなってしまうと、契約している全労働日の8割以上を出勤するという条件がクリアすることができなくなる可能性があります。
 
また、さらに1年以上働いていて契約している全労働日の8割以上出勤している場合には、有休は1日ずつ増えることになります。以下は勤務年数が1年6ヶ月以上の場合です。
 

1年以上働いていて契約している全労働日の8割以上出勤している場合
  • 週4日勤務または年間労働日数「169日~216日」の場合…8日
  • 週3日勤務または年間労働日数「121日~168日」の場合…6日
  • 週2日勤務または年間労働日数「73日~120日」 の場合…4日
  • 週1日勤務または年間労働日数「48日~72日」 の場合…2日

 
なお、2年6ヶ月以上継続して働いている場合には、それを境に有休は1日ずつ増えるのではなく、労働日数によって違いがでてきます。6年6ヶ月以上勤務した場合、週4日勤務では15日、週3日勤務では11日、週2日勤務では7日、週1日勤務では3日となっています。
 
また、週5日・30時間以上フルタイムで働いている場合には、採用から6ヶ月を経過した日に10日の有休休暇を与えなければなりません。

働き方の見直しは必須?!

有休日数は、上記のように、勤務日数・時間によって比例して増えていきます。
 
子どもが小さいうちは勤務日数や時間を控えめにしておき、子どもの手が離れてからは、労働基準法で定められている有休を付与するための勤務日数や時間まで増やすことで有休を取得できます。最終的には正社員にステップアップしても良いですし、正社員へ転職しても良いかもしれません。
 
有休をもらうためのみならず、ライフスタイルに合わせた働き方の見直しは必須といえそうです。
 
2019年から有休取得は義務化されています。子どもや家族のためでなく、自分自身のリフレッシュのために有休を使うなど、家族と話し合いながら有意義なお休みにすることも忘れないでほしいと思います。
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト


 

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