更新日: 2020.04.15 働き方

副業をしている人は、一体どれくらいいる? 収入の平均額などをリサーチ

執筆者 : 馬場愛梨

副業をしている人は、一体どれくらいいる? 収入の平均額などをリサーチ
近年「副業」が注目されており、今まさに副業中の人も、今後やってみたいと希望する人も増加傾向にあります。会社では話しにくい、副業の実態と注意点について解説します。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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副業を実践している人の割合

総務省が2017年に行った調査によると、有業者(働いて収入を得ている人)のうち仕事を掛け持ちしている人は4.0%、これから別の仕事を追加したいと考えている人は6.4%で、どちらも前回調査(2012年)を上回りました。
 
また、パーソル総合研究所による2018年の調査では、正社員で現在副業している人は10.9%、過去に副業をしていたことがある人は9.9%、これから副業をしたいと考えている人は41.0%とさらに高い結果になりました。
 
この調査の中で「現在副業をしている」と答えた人のうち、41.3%は副業を始めてから1年未満です。副業をする人はどんどん増えていると推察されます。
 
特に副業に積極的なのは、正社員よりも非正規労働者、男性よりも女性、年齢を重ねた人よりも若い人、収入が多い人よりも少ない人という傾向があるようです。

副業収入の平均額はいくら?

ひとくちに副業といってもその内容は幅広く、本業の仕事が終わったあとに飲食店やコンビニでアルバイトをする人、土日だけイベントスタッフとして働く人、趣味を生かして何かを作ったり教えたりしている人、自分で事業を起こして活動している人、複数の会社の役員を兼務する人など多種多様です。
 
前述のパーソル総合研究所の調査によると、副業にあてている時間の平均は1週間あたり10.32時間、副業で得ている月収の平均は6.82万円でした。
 
副業をしている理由としては、十分な生活費を確保するため、本業の不満や不安を解消するためという人も多い一方で、スキルアップや自己実現のためといった前向きな理由で取り組んでいる人もいます。

副業に挑戦するときの注意点

副業に取り組むなら、あとからトラブルにならないように以下のような点に気を付けましょう。

・まずは会社の就業規則を確認する

副業を推進している会社もあれば、副業は一切禁止としている会社もあります。就業規則にはその会社のルールが詳しく記載されていますので、まずはそれをしっかり読んで把握しておきましょう。申請や許可がいるなら、上司に必要な情報を伝えられるよう整理しておきたいところです。

・体調管理を万全に

フルタイムの本業に加えてさらに副業もするとなると、どうしても労働時間が長くなりがちです。働きすぎて体調を崩したり、睡眠不足で本業に支障をきたしたりしないように自己管理を徹底しましょう。

・本業で知りえた情報を持ち出すのはNG!

本業の中で知りえた社内の機密情報や顧客の個人情報などを自分の副業に利用する、会社の事業内容と同種の仕事を個人で行う、などは会社の不利益になる競業行為として禁止されています。最悪の場合、解雇されたり損害賠償を請求されたりする可能性もあります(※1)。

・税金関係は確実に

副業の収入があると、確定申告が必要になる場合があります。例えば、収入から経費を引いた金額が年間20万円を超えそうな人は注意しましょう(※2)。確定申告を忘れていた場合、無申告加算税や延滞税が課されてしまうこともあります(※3)。

副業はどんどん身近に!

政府も副業や兼業を促進する方向で動いています。副業人口は今後も引き続き増えていくでしょう。
 
副業は収入を増やしたりスキルアップにつなげたりできる反面、その仕事内容、時間、体調など多くのことをうまくコントロールしないとストレスになってしまいます。会社や自分が決めたルールを守りつつ、適切な範囲で取り組みたいですね。
 
(※1)経済産業省 「競業避止義務契約の有効性について」(P3)
(※2)国税庁 「確定申告が必要な方」
(※3)国税庁 「No.2024 確定申告を忘れたとき」
 
(出典)
総務省 「平成29年就業構造基本調査」結果の概要(P.17/62)
パーソル総合研究所 「副業の実態・意識調査結果【個人編】」
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表