更新日: 2024.10.07 その他家計
このままでも大丈夫? 知っておきたい独身女性のマネープラン
また、将来のマネープランを考える上で、どのようなポイントに注意したら良いのでしょうか。今回は、「おひとりさま」と呼ばれる独身女性のお金事情について、チェックしていきましょう。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
独身女性の貯蓄はいくら?
まずは、女性の貯蓄額について、年齢別に見ていきましょう。単身世帯の女性の貯蓄現在高は、以下の通りとなっています(※)。
女性の貯蓄現在高
全世代平均:1639万5000円
30歳未満 : 259万2000円
30~39歳 : 549万3000円
40~49歳 :1214万2000円
50~59歳 :1997万3000円
60歳以上 :1942万6000円
この調査結果を見ると、単身で暮らしている女性は、60歳になるまでは、年齢を重ねて勤続年数が増えるにつれて、貯蓄残高が着実に増えていることが分かります。40代を超えると、貯蓄額は1000万円を超えて、退職する60歳くらいまでに、貯蓄約2000万円を達成しています。
2019年には、「老後2000万円問題」が話題となり、単身で暮らしている女性の中にも、自分の老後資金について心配している方もいるかもしれません。
しかし、実際のところ、単身世帯の女性は、コツコツと貯蓄できている方が多いようです。大きな病気などをせず、健康で60歳くらいまでしっかり仕事を続けることができれば、老後に向けて、お金を貯蓄することが可能だということが分かりますね。
マネープランを立ててみよう
独身の女性は、自由に自分の時間やお金を使うことができるので、「仕事で出世したい」「マイホームを買いたい」「いろんな国に旅行に出かけたい」「自分の趣味を楽しみたい」など、さまざまな夢を持っている方が多くいらっしゃいます。
結婚して家族がいる女性はもちろんですが、これから結婚する予定がないという女性であっても、将来に向けて、自分のマネープランを立てることは重要です。
まずは、10年後、20年後など、達成したい目標を書き出してみましょう。より自分の将来を具体的にイメージすることで、必要なお金が見えてきます。マネープランを立て、老後に必要なお金をしっかりと貯蓄しつつ、自分の目標をかなえるためには、どのくらいのペースで貯蓄したら良いのか、確認してみましょう。
独身女性のお金のポイント
単身で暮らしている女性にとって特に気になるのは、「病気など自分が働けなくなったときに、お金は足りるのか」という点ではないでしょうか。
結婚している場合は、配偶者の収入がありますが、独身の場合は、住宅ローンや家賃、病気の治療費などを自分で賄わなければなりません。そこで、独身女性は、万が一のときに備えて、住居費や食費などの生活費6ヶ月分くらいは、すぐに使えるように、しっかりと貯金しておくようにしましょう。
また、独身の方は、「保険」への加入を検討するのも選択肢の一つです。ただし、心配だからといって、やみくもに保険に加入してしまうと、毎月支払わなければならない保険料が増え、家計を圧迫することがあります。
収入保障保険、がん保険、女性特有の病気に備える保険など、さまざまな保険がありますが、あくまで保険は、「現在の自分の貯蓄では足りない分を補う」目的で、加入することが大切です。
例えば、すでに貯蓄が2000万円以上ある方や、マイホームのローンを完済済みの方などは、無理をして保険に入らなくても良い場合があります。すでに保険に加入している方も、貯蓄が増えてきた場合は、適宜保険の見直しを行いましょう。
いかがだったでしょうか。社会進出などにより、女性のライフスタイルはますます多様化しています。結婚していても、独身でも、自分の理想的な人生を送るために、お金と上手に付き合うことは大切ですね。
今回の記事を参考にしながら、自分の貯蓄額を確認し、具体的な将来のマネープランを立ててみてはいかがでしょうか。
[出典](※)政府統計の総合窓口「全国単身世帯収支実態調査」(平成26年)[単身世帯]ストック編第15表男女,年齢階級別1世帯当たり貯蓄・負債の現在高と保有率
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者