更新日: 2024.10.07 家計の見直し
お金を貯めるのに家計簿は必須なの?
執筆者:正田きよ子(まさだ きよこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
この仕事をしている人なら当然なことだけれど、フツウの人にはわかりづらいこと、
これを知っていたらよりよく暮らせるのになぁ、など、
もっと幸せに生きる選択肢があることを、個人相談、メールマガジンやブログなどを通じてお伝えしています。
家計簿が続かない理由
家計簿が続かないのは、ずばり、手間がかかる割にお金が貯まらないと感じたからではないでしょうか。
レシートを集め、家計簿を入力、最後にお財布の中の現金を確認したら、計算結果と金額が合わない、ということはよく起こります。なんでお金が合わないの? どこで計算が違っているのかな? と金額(数字)を合わせることに注力してしまっていないでしょうか?
家計簿の目的は、お財布の中の現金と家計簿の計算結果を合わせることではありません。お金の流れ、どういうものにお金を使っているのか、毎月どのくらい使うのか、最低限いくらあると生活できるのか、といった支出の現状と傾向を把握することが目的です。
支出の現状を知ると、隠れていた無駄な支出が見つかったり、将来のお金を心配しすぎてかえって余計な支出を増やしていたり、といったことが明らかになります。結果として支出全体の圧縮、お金の残る家計へ、となっていくものなのです。
お財布の中の現金と家計簿の計算結果が数円違っていても、大勢に影響はありません。そこは使途不明金として流し、もう少し大きなお金の流れを把握することに注力しましょう。ただし、使途不明金が月に数千円、数万円となるようでしたら、そこは何に使っているのか調べる必要はあります。
家計簿の卒業を目指そう
毎月お金が残る、お金が貯まっていっているとしたら、日々の細かな支出を記録する家計簿は不要になります。その後は、月1回程度、資産の全体額を確認すればよくなります。
確認の仕方は、預貯金の残高や運用商品の時価額の確認をすれば良しとしましょう。お財布の現金は、使うお金として引き出したものなので、あえて数えることはないと思います。金融機関にお金を預けず、現金をタンス預金している人は別です。
このように、支出の現状把握ができてお金が貯まっていたら家計簿を卒業できます。家族の生活が変わったとき、例えば、子どもの進学、独立、家族の単身赴任、離死別などのときは、家計も変わります。そのときは、また家計簿を再開すれば良いのです。
家計簿、「面倒くさい」の解決に向けて
お金を貯めるためには、支出の流れ、現状把握を知る必要はあります。そのためには、家計簿は必要といえます。支出の現状把握ができれば、家計簿から卒業できます。
家計簿をつけるのが面倒くさいなあと思っても、ずっと続くのではなく一時の作業なのだと思えば、気持ちが楽になるのではないでしょうか。
家計簿の実作業の「面倒くさい」を解決するために、クラウド型の家計簿サービスを利用してみましょう。初期登録をすると、クレジットカードやプリペイドカードなどからの支出や、金融機関の残高が自動取り込みされます。手入力するのは、現金の収入や支払い、一部対応していない金融機関など限られた取引だけになり、かなり作業が軽減できます。
手入力は、パソコン、スマホなど、複数のデバイスから入力可能。レシートを写真で撮って読み取るだけという方法もあります。使ったその場でサクッと入力ができます。
たまったレシート入力の作業時間を確保するのは、簡単なようで難しいです。ちょっとしたスキマ時間を活用しましょう。例えば、電車待ちのホームで、食後の一時にスマホを触っていませんか?
SNSをチェックする時間を使って、1件の支出入力ぐらい簡単にできるかもしれませんよ。今年はレシートを貯めるのではなく、お金を貯めていきましょう。
執筆者:正田きよ子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者