更新日: 2019.12.25 家計の見直し

年末年始は出費がかさむ…家計管理を「One Team」で楽しく乗り切るための4つのコツ

執筆者 : 酒井 乙

年末年始は出費がかさむ…家計管理を「One Team」で楽しく乗り切るための4つのコツ
12月、令和元年もいよいよ終わりに近づいてきました。
 
5月1日の天皇陛下即位による改元から8ヶ月。6月のいわゆる「老後資金2000万円」問題や、10月の消費税率10%への引き上げなど、家計にとっての「ビッグニュース」が多い年でもありました。これらを機に、家計のことをより真剣に考えるようになった方も多いのではないでしょうか。
 
そんな方々にとって、年末年始も1つの大きなイベント。抑えたい、と毎年思っていても、やはり出費がかさんでしまうのがこの時期ですね。
 
そこで本記事では、何とか年末年始の出費を抑えたい、と考えている方に向けて、「楽しく」「効果的に」節約できるコツをご紹介します。
 
キーワードは、「One Team」です。
 
酒井 乙

執筆者:酒井 乙(さかい きのと)

AFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員。  
 
長期に渡り離婚問題に苦しんだ経験から、財産に関する問題は、感情に惑わされず冷静な判断が必要なことを実感。  
 
人生の転機にある方へのサービス開発、提供を行うため、Z FinancialandAssociatesを設立。 
 

コツその1:節約「仲間」を見つけよう

「2019 ユーキャン新語・流行語大賞」で年間大賞を受賞した「One Team」。9月に開幕したラグビーW杯で日本中を熱狂させた日本代表チームは、ニュージーランド出身のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチの元、メンバーの出身国はさまざまながら一致団結して、目標だったベスト8を見事達成。W杯終了後の総括会見にて、代表チームのリーチマイケル主将はこう語りました。
 
「いろんな人がいろんなことを犠牲にしてきた。(中略)『One Team』を作ったことがベスト8の目標達成につながったと思う」
 
ぜひ、この精神を、家計の節約にも応用しましょう。
 
節約には、多かれ少なかれ、痛み(=犠牲)が伴います。特に、こまめな節約は、面倒くさいもの。1人ではなかなか継続できませんね。しかし、仲間と強い目的意識を共有できれば、乗り越えられる可能性が断然上がります。
 
家族、友人、職場の同僚、バイトやパート先の仲間など、「節約」にほんの少しでも興味がある人に声をかけてみませんか? 1人でも見つかれば儲けもの。SNSなどのグループ機能を使ったりして、さっそく、「節約のOne Team」を組みましょう。
 

コツその2:節約は「積み重ね」ではなく、「効果の大きいもの」に絞ろう

さて、仲間が見つかり、「節約のOne Team」ができました。さっそく実行しましょう。家計簿をつける、電気やガスをこまめに消す、トイレットペーパーの紙質を落とす、などなど。
 
ちょっと待ってください。
 
「節約のOne Team」では、(これも大事なことですが)小さな節約の積み重ねではなく、ラグビー日本代表の「ベスト8入り」のような、1つか2つに絞り込んだ大きな目標を立ててみましょう。
 
では、どうやって絞り込むか。それは人によってさまざまですが、ヒントがあります。
 
図1は、総務省が実施する家計調査のデータを元に、2人以上の家庭における2018年度の消費支出(12月と年平均)を、支出項目別に比較したものです。
 
ここで、12月と年平均の消費支出の差が大きい支出項目、例えば大きい順に、食料(お酒や外食費も含む、2.0万円増)、その他の消費支出(使途不明のこづかいや、交際費など、0.7万円増)、教育娯楽(0.5万円増)などに、削減のタネが隠れている可能性があります。この辺りに目星をつけて、節約できる項目を各自で探してみましょう。
 

 

コツ3:「チーム」で、節約目標を共有する

やっと見つけた節約の目標。これを、チームで共有しましょう。
 
メンバー間で節約するネタに違いはあれ、大きな節約を達成しよう、という目標を持っていれば励みにもなります。
 
そして「達成できそう」とか「新たな出費が出てちょっと危ない」など、中途経過を定期的に報告し合うと、より効果的です。また、新たな会話のネタが生まれて、普段の会話がもっと楽しくなるかもしれません。
 

コツ4:大切な誰かに、節約した額の一部を「還元」する

最後に、最も大切なことを決めましょう。
 
もし、無事に節約が成功したら、全ての節約額を自分の貯金にするのではなく、その一部を大切な誰かへのプレゼントにすることを考えてみましょう。
 
これは、筆者の妻の母校である小学校で何十年も続いている「節約デー」をヒントにしたものです。毎週金曜日はおかずのないお弁当を持ってくることで、世界の恵まれない子どもたちがお腹を空かせていることを自ら実感し、また浮いたお金を寄付する、というものです。
 
「大切な誰かのため」という目標は、「自分のため」だけの目標よりも、強力で、長続きの原動力になります。ぜひ、頑張って節約したお金を大切な誰かに還元してみてください。
 
ちなみに筆者は、妻とOne Teamを組んでいます。妻は参加するつもりだった3つのパーティーを1つに絞り、筆者は今まで何も気にせず買っていた大好きなビールの購入本数を減らす、という目標を立て、節約できたら息子へのクリスマスプレゼントをそれぞれ1つずつ増やすつもりです。
 
「節約のOne Team」、いかがでしたか?
 
年末年始の出費がどうしても抑えられない方は、ぜひお試しください。
 
総務省家計調査(家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯)を元に、筆者作成
 
執筆者:酒井 乙
AFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員。


 

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