更新日: 2019.09.06 その他家計
家計の管理が苦手! 今すぐできる、金融リテラシーを高める方法って?
今回は、金融リテラシーを上手に身につけていく方法をご紹介します。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
金融リテラシー調査とは?
まずは、一般的に、日本人はどのくらいお金の知識を身につけているのか、現状を確認していきましょう。金融広報中央委員会が18歳から79歳の2万5000人を対象に行った金融リテラシー調査(2019)の結果(※)をチェックしていきます。
家計の収支について、1ヶ月の収入の金額を把握している方は、以下のとおり、9割近くいることが分かります。ただし、会社員の方に比べて、専業主婦や主夫の方の方が、把握している割合が少ないという特徴があります。
一方、1ヶ月の支出については、全体では、約7割の方が把握しています。収入に比べて、支出を把握している方が少ないことが分かりますね。そして、支出については、会社員の方よりも、専業主婦や主夫の方の方が、しっかり把握できている傾向が見られます。
<1ヶ月の収入の金額>
把握している
会社員 :91.0%
専業主婦・主夫:85.9%
把握していない
会社員 :9.0%
専業主婦・主夫:14.1%
<1ヶ月の支出の金額>
把握している
会社員 :71.5%
専業主婦・主夫:77.6%
把握していない
会社員 :28.5%
専業主婦・主夫:22.4%
次に、長期的な資金計画について見ていきましょう。人生の3大費用と言われている「老後の生活費」「教育費」「住宅費」について、その必要額を認識している人の割合は、以下のとおりとなっています。
残念ながら、どの費用についても、約半数以上の方が、資金計画を用意していなかったり、実際に貯金ができていないという状況が分かります。
<老後の生活費>
必要額を認識している:47.8%
資金を確保している :25.8%
<教育費>
必要額を認識している:55.3%
資金を確保している :32.0%
<住宅費>
必要額を認識している:54.8%
資金を確保している :15.3%
今すぐ実践できる方法
それでは、具体的に、どのようにしたら、金融リテラシーを高めることができるのでしょうか? すぐに実践できる方法をご紹介します。
まずは、家計簿アプリなどを利用して、家計の収支を正確に把握する習慣を身につけましょう。赤字家計となっていないか、毎月どのくらい貯金ができているのかなど、家計を把握するだけで、お金への意識が高まり、無駄使いを減らすことにつながります。
そして、将来に向けて、貯金の目標金額を立てましょう。特に、老後の生活費などは、自分にとってはまだまだ先の話と考え、なかなか貯金をスタートできていない方もいるかもしれません。
しかし、最近では「老後2000万円問題」もありましたが、老後の生活には、ある程度まとまったお金が必要となります。自分が65歳を迎えるまでに、いくら貯金をしておくべきなのか、目標金額を設定してみましょう。
先取り貯金に挑戦!
家計の収支を把握し、貯金の目標を立てることができたら、実際に貯金をスタートさせましょう。毎月、確実にお金を貯めていくためには「先取り貯金」がオススメです。
毎月の給与が振り込まれた段階で、貯金分は別口座に移してしまい、そのお金はなかったものとして生活をします。毎月、いつの間にか、給与を使い果たしてしまう方には、ピッタリな方法ですね。
お金との付き合いは、人が生きている限り一生続きます。将来、お金で苦労することがないように、しっかりお金を管理していくことが大切です。今回ご紹介した内容を参考にしながら、みなさんも金融リテラシーを上手に身につけていきましょう。
出典
(※)金融広報中央委員会 金融リテラシー調査(2019)
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者