更新日: 2019.07.21 働き方

副業を【考えている人増加】ただ、実際に収入を得ているのは全体の13%しかいない理由

副業を【考えている人増加】ただ、実際に収入を得ているのは全体の13%しかいない理由
働き方改革が叫ばれる昨今、従業員の副業や兼業を認める企業が増えてきました。ビジネスの変化が激しい時代、大企業で働いていても安泰ではなくなり、今後年金の受給年齢が引き上げられる可能性も高くなっています。本業以外に少しでも収入を得られるようにして、もしもの時や定年退職後にも働けるようにしておきたい、と考える人が多くなるのもうなずけます。
 
政府は2017年3月の「働き方改革実行計画」を踏まえ2018年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、副業・兼業の普及促進を図っています。今後ますます副業を認める企業が増え、副業が当たり前の時代が来るかもしれません。
 
株式会社インテージリサーチ(本社:東京都東久留米市)は、自主企画調査「副業に関する意識調査」を実施しました。※
 
副業をしている人や、副業を考えている人はどのくらいいるのか、調査結果をみてみましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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副業で副収入を得ているのは全体の13%。現役サラリーマン世代はそれ以下

本調査で副業や副収入を得ることを意識した活動の実施状況を聴いたところ、「ある程度決まった額の副収入が得られる副業をしている」(4.9%)「収入は安定していないが、副収入が得られる副業をしている」(8.1%)というように13.0%の人が副業をしていると回答しました。また副収入は得ていないが、副業を意識した活動をしている」という人が5.7%いました。
 
そのような人は副業をするために、資格を取得するべく勉強したり、人脈を作ったりしているのではないでしょうか。「副業は行っていないが、今後何かしてみたいと思っている」(39.4%)という人も合わせると、45.1%が副業をすることに関心を持っているようです。
 
性別、年齢別にみると、副業をしているのは男女ともに70代が35%以上と最も多く、次が10代の約20%でした。現役世代の20代から50代は10%前後と少なめでした。
 
「特に何もしていないし、今後も副業をするつもりがない」という人は、特に女性では20代が最も少ないのですが、年齢が上がるにつれ増えていく傾向になりました。若いころは少ない収入を補うために副業をする人もいると思われますが、結婚したり、年齢が上がって給与が増えるにつれて副業をする気持ちがなくなるのだと考えられます。
 
ところが、現役を終え、70代になると再び何かしようと思って副業が増えるのでしょうか。70代の人は年金が主な収入で、それ以外を副業ととらえるので副業が多くなるのかもしれません。いずれにしても現役世代はあまり副業をやっていないようです。
 

副業をしている、関心がある人は6割。昨年より急増

「副収入は得ていないが、副業を意識した活動をしている」と「副業は行っていないが、今後何かしてみたいと思っている」を合わせた「副業に関心を持っている人」は45.1%となり、昨年の同調査での33.8%から、11.3%ポイント増加しています。また、「副業をしている人・関心がある人」で比較すると、今回の調査結果は58.1%と、2018年の44.5%から13.6%ポイント増加。「副業をしている人・関心がある人」共に急増していることから、副業への関心が高まっていることが分かります。
 
特に、「副業は行っていないが、今後何かしてみたいと思っている」人が増えていることから、今後勤務先が正式に副業を認めていけば、副業する人はさらに増えるかもしれません。
 

公務員の副業を認める自治体も。「社会奉仕的である」ことがポイント

民間企業はともかく、そもそも公務員は副業を認められているのでしょうか?
 
国家公務員法第103条、第104条では、国家公務員の副業、兼業を禁止しています。地方公務員も、地方公務員法第38条で副業、兼業が禁止されています。基本的には法律上、公務員の副業は認められていないんですね。
 
しかし、政府主導の働き方改革を受け、2017年4月、神戸市が先陣を切り、職務外に報酬を得て地域活動に従事する際の基準を明確化しました。奈良県生駒市・宮崎県新富町といった自治体がそれに続き、公務員にも副業を認める機運が高まってきました。
 
本調査で、「公務員に副業を認める条件」について聞いたところ、「本業に支障が出ないこと」が男性51.7%・女性56.9%と最も高い結果となりました。
 
男性では、次いで「法律(国家公務員法、地方公務員法)で認められること」が19.5%、「副業の内容が社会奉仕的であること」が14.3%となっていますが、女性では「副業の内容が社会奉仕的であること」が14.7%、「法律(国家公務員法、地方公務員法)で認められること」が13.7%となっています。
 
神戸市などのように、「地域貢献応援制度」と銘打ち、身近な地域活動への貢献が認められれば、地域活性化につながることが期待されます。今後このような社会奉仕的な副業を認める自治体が増えてくるかもしれません。
 

まとめ

本業以外に副業を持つのは、もしもの時のリスク対策になります。また、定年後に何かできないか考えるよりも、現役時代から何らかの人脈やコネクションを作っておいた方が、定年後の仕事につながりやすいのではないでしょうか。また、本業以外に仕事を持つことは、気分のリフレッシュにもなります。労働過多にならないよう、少しずつ副業を始めてみてはいかがでしょう。
 
出典※副業をしている人・したい人が約6割に急増!~公務員の副業には「社会奉仕」を求める声も~全国1万人の意識調査(インテージリサーチ)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部