更新日: 2024.10.07 貯金
幼稚園から高校まで約1200万円!?子供の為の貯金ルール
執筆者:西川誠司(にしかわ せいじ)
2級ファイナンシャルプランンニング技能士・AFP認定者、終活ライフケアプランナー、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)
ウェディングドレスショップ「Atsu Nishikawa」を17年間経営。
接客の中でこれから結婚するおふたりのお金の不安や子供を授かったときの給付金や育児休業のこと、また親からの贈与や年金のことの悩みを伺い、本格的にファイナンシャルプランナーとして活動を始めました。
みなさまの「小さな疑問や不安」を分かりやすく解決していくことを目指しています。
教育費っていくらかかるの?
「人生の3大資金」のひとつ、教育資金。住宅資金・老後資金と並び、人生においてとても大きな支出となります。多くの方が教育費のトータル金額を聞いて、不安をさらに募らせてしまうようです。まずは、教育費がどれくらいかかるかをお伝えいたします。
文部科学省の調査によると、幼稚園から高等学校まで公立に通うと、授業料は平均で約195万円かかります(幼稚園を3年として計算)。国立大学は約243万円(授業料4年分と入学金※)。合計で約438万円です。
これが、幼稚園から高等学校まで私立だと約1144万円で、私立大学は約451万円(授業料と施設設備費4年分と入学金)。合計約1600万円です。
大学は学部によってかなりの差があります。(公立・私立ともに幼稚園から高等学校の授業料には学校教育費のみの計算であり、給食費・学校外活動費は含みません)
小学校から大学まで、すべて私立に通うと1600万円、すべて公立だと438万円で、1100万円以上の差が出ます。これらの金額には、高等学校までの制服、教科書、修学旅行など、学校教育の費用が含まれています(給食費別)。※国立大学は多くの学部でかからない施設設備費を除外
まずは子ども貯金のルールを決めましょう
「毎月のやりくりでギリギリなのに、子どもの教育費を貯めるなんてできない!」そんな家庭は多いのではないでしょうか。
しかし、そんなことを言いつつ、子どものかわいい服を見つけてしまうとついつい買ってしまう、美味しそうなケーキがあると我慢ができない…あとから考えると、結構どうでもいい思いつきの買い物もあるのでは?
月々残った分を貯める、というのは難しいものです。貯まるのではなく、「貯める」目標が必要です。そのためにも、簡単なルールを決めてみましょう。
(1)簡単に引き出すことのできない子ども用の口座(定期預貯金や会社の財形貯金など)を作る
(2)金額を設定して、先に子ども貯金に入れる
(3)児童手当には手をつけない
教育費って、どうやって貯めるの?
最初に考えたいのは、児童手当です。児童手当というのは国の制度で、0~3歳(36ヶ月)まで1万5000円(月額)、3歳から小学校修了(108ヶ月)まで1万円(第3子以降は1万5000円)、中学校(36ヶ月)まで1万円支給されます。
合計すると198万円になります。これはかなり大きな貯蓄になります。そのため、児童手当を子ども用貯金にまわすことをおすすめいたします。
次に少額でもいいので金額を設定して、先取り貯金をします。実は一番お金を貯めることができるのは、高校に入るまでの15年間です。例えば、月2万円を定期預貯金で15年間(180ヶ月)貯めると合計360万円の貯蓄になります。
児童手当と、月々2万円の積立の合計で558万円。公立の小学校から高等学校、国公立大学に通うことになれば、幼稚園が私立でも授業料と入学金は558万円ですべてまかなうことができます。
また、子どもが小学生になって手がかからなくなり、家族の収入を増やすことができるようになったら、預貯金の増額をおすすめします。6年間(72ヶ月)2万円多く貯めることができれば、144万円増やすことができます。合計金額は702万円になります。
少し余裕があるようでしたら、「学資保険」も検討してみてください。学資保険は契約者に万が一のことがあれば、保険料の支払いが不要になり、契約どおりの金額が支払われます。
子どものけがや病気まで対応している保険もあります。金利の低い現在、もしものときも安心で、満期時に元金以上の金額が支払われる学資保険を利用して、貯蓄するのもひとつの手です。この場合、一番まとまったお金が必要となる、大学入学時までかけるのが良いかもしれません。
まとめ
教育費を貯めるためには、簡単に引き出せない子ども用の口座を作り、定額を先取り貯金する。さらに児童手当には手をつけず、子ども用口座に定期とは別に積み立てる。これだけで(定額積立額2万円として)最低558万円の蓄えになります。
他にも、2016年から開始された「ジュニアNISA」という方法もあります。年間最高80万円を5年間(計400万円)まで非課税で投資運用できます。これは子どもが18歳になるまでお金を払い出しできません。
教育費は、私立か国公立かで金額に大きな違いが出ます。また、ここでは考慮していない学校外活動費(塾やその他習い事)も必要になります。
教育費でまとまったお金が必要なのは高校、大学の入学時です。中学卒業時、高校卒業時に、次へのステージに必要な入学金と一括払いの年間授業料を支払うことができる蓄えは、最低でも必要です。子どもが生まれたら、早いうちから貯めるくせをつけることが一番大切です。
出典
文部科学省「平成28年度子どもの学習費調査の結果について」
文部科学省「平成29年度国立大学の授業料」
文部科学省「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
内閣府「児童手当制度」
執筆者:西川誠司(にしかわ せいじ)
2級ファイナンシャルプランンニング技能士・AFP認定者、終活ライフケアプランナー、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)