いくらまでなら大丈夫? 調査対象になりやすい「タンス預金」の目安とは
配信日: 2025.06.05

本記事ではタンス預金についての知識や、一般的に税務調査の対象になりやすい金額の目安について解説していきます。

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一般的に「100万円以上」のタンス預金は税務調査の対象になりやすい可能性がある
タンス預金とは、銀行に預けずに自宅に保管している現金全般を指す言葉です。タンスのみならず、クローゼットや金庫などに保管している場合も当てはまります。
株式会社スガワラくんが2024年、35歳以上65歳未満の男女全国300人を対象に行った調査によると、タンス預金を行っている人の割合は41.7%でした(脱・税理士スガワラくん 調べ)。
タンス預金そのものは違法ではありませんが、タンス預金分の金額を申告しないことによる税金逃れにはペナルティーが科せられます。特に100万円以上の多額のタンス預金は、税務署から脱税の疑いをかけられる可能性が高いとされています。
また、多額のタンス預金は防犯上のリスクも考えられます。自宅に現金を保管している場合、盗難や火災などで紛失・焼失してしまう可能性もゼロではありません。
税務調査だけではなく、防犯上のリスクという観点からも、高額のタンス預金はおすすめできません。
「タンス預金」は「数十万円程度」がひとつの目安
被相続人の死亡による口座の凍結や自然災害といった要因で、銀行から現金を引き出せなくなることは十分に考えられます。そのため、ある程度の現金を手元に置いておくこともひとつの手です。不慮の事態に備えるためにも、数十万円程度の現金はタンス預金として準備しておくとよいかもしれません。
「タンス預金」のメリット・デメリット
タンス預金には以下のメリットとデメリットが存在します。
メリット
・銀行の破綻や口座の凍結による影響を受けない
銀行が破綻した際、口座の所有者1人当たり元本1000万円までと破綻日までの利息などが保護される「預金保険制度」があります。しかし、それ以上の金額に関しては保証されていません。
タンス預金は銀行が破綻しても全額が手元に残るため、預金を失うリスクが軽減されます。しかし後述の原因で失う可能性はあるため、一概にリスクがないとは言い切れません。また、口座が凍結しても、手元に現金があるため影響を受けません。
・いつでも使用可能
ATMなどの利用時間に関係なくお金を使うことができます。また、ATM利用時に発生する手数料も支払う必要がありません。
デメリット
・紛失する可能性がある
災害、盗難などで紛失することがあります。盗難に関しては、金庫などに保管することによって、ある程度は防ぐことが可能かもしれません。
・相続時の管理が難しい
仮に所有者の死後に無断で持ち去られた場合、その分のお金が存在していた証明ができなければ、元々なかったものとして処理されてしまうことも考えられます。総資産の計算にも影響が出ることがあるため、相続トラブルにつながりやすいでしょう。
まとめ
タンス預金そのものは便利な貯蓄方法ですが、申告・納税などを怠った場合、ペナルティーを科せられる可能性があります。特に100万円以上の高額なタンス預金は税務署からの照会や調査が入る可能性が高いとされているため、手元に置いておく金額をある程度絞り、リスク分散のためにも銀行預金などと組み合わせた資産管理を行うとよいでしょう。
出典
株式会社スガワラくん 「タンス預金と新紙幣」についてのアンケート調査(脱・税理士スガワラくん 調べ)(PR TIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー