実質賃金が4ヶ月連続でマイナス…「基本給」は上がっているようだけど、なぜこんなに生活が苦しいの?

配信日: 2025.06.19

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実質賃金が4ヶ月連続でマイナス…「基本給」は上がっているようだけど、なぜこんなに生活が苦しいの?
「給料は上がっているはずなのに、なぜか生活は苦しくなるばかり」そんな実感を抱いている方も多いのではないでしょうか? 実は今、日本では実質賃金のマイナスが続いており、手取りが増えても物価の上昇がそれを上回る状態が続いています。
 
この記事では、その背景や今後の見通しを分かりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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実質賃金が4ヶ月連続でマイナス、その背景に何があるのか?

2025年4月分の厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、事業所規模5人以上において、物価変動を考慮した実質賃金は前年同月比で1.8%減少し、4ヶ月連続でマイナスとなりました。
 
これは、現金給与総額(名目賃金)が前年同月比で2.3%増加しているにもかかわらず、物価の上昇率がそれを上回っているためです。
 
名目賃金が上がっているにもかかわらず、実質賃金が減少している主な要因は、食料品やエネルギー価格など生活必需品の値上がりです。新年度に合わせた賃金改定で現金給与の増加が見られますが、物価の高騰も顕著で実質賃金の減少が続いています。
 

基本給は上がっているのに生活が苦しい理由とは?

企業の賃金改定や春闘の影響で、現金給与の増額は40ヶ月連続でプラスとなっています。しかし、現実には「生活が楽になった」と感じる人は少ないのが実情です。その理由は、名目賃金が増えても、消費者物価指数(CPI)の上昇がそれ以上に進んでいるためです。
 
特に2025年に入ってからは、食料品や日用品の値上げが相次ぎ、家計の負担が増しています。中でもCPIの中核をなす食料品は大幅に値上がりしており、賃上げによる恩恵が物価上昇に吸収されてしまっているのが実情です。
 
また、ボーナスや残業代など一時的な収入増加がない月は、基本給の伸びだけでは物価高に追いつけない傾向が強まっています。
 

物価高が家計に与える具体的な影響と今後の見通し

物価高の主な要因は、円安や原材料価格の上昇、エネルギーコストの増加などです。
 
特に食料品やエネルギーは家計支出の大きな割合を占めており、これらの価格上昇は家計に直接的な打撃を与えています。実質賃金の減少は、消費の抑制や貯蓄率の低下を招き、個人の生活だけでなく経済全体にも影響を及ぼしかねません。
 
今後については、2025年秋以降に物価上昇率が鈍化し、実質賃金がプラスに転じる可能性も指摘されていますが、依然として食料品やエネルギーの値上げリスクは残っています。
 
政府や日本銀行は、賃上げの持続と物価安定を目指して政策運営を進めていますが、企業の価格転嫁や海外情勢次第では、引き続き家計への圧力が続く可能性もあります。
 

まとめ

実質賃金の減少が続く中で、家計を守るためには支出の見直しや、少額でも確実に貯蓄を積み上げる工夫が重要です。
 
具体的には、固定費の削減やポイント還元を活用した節約、ふるさと納税やNISAなどの税制優遇制度の活用などが挙げられます。
 
また、今後の物価や賃金動向を注視しつつ、必要に応じて副業やスキルアップによる収入源の多様化も選択肢となるでしょう。政府や企業による賃上げの動きが続いていることもあり、今後は物価上昇のペースが落ち着けば、実質賃金も徐々に回復する見通しです。
 
厳しい状況が続きますが、家計管理の工夫や制度の活用によって、少しでも安心して暮らせる環境を整えていくことが大切です。今後も最新の経済情報に注目し、前向きな選択を重ねていきましょう。
 

出典

厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和7年4月分結果速報(1ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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