お隣さんが「初期費用0円」で“太陽光発電システム”をレンタルしていると聞きビックリ! 電気代はいくら安くなるのでしょうか?「0円ソーラー」の注意点もあわせて解説

配信日: 2025.06.17

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お隣さんが「初期費用0円」で“太陽光発電システム”をレンタルしていると聞きビックリ! 電気代はいくら安くなるのでしょうか?「0円ソーラー」の注意点もあわせて解説
環境保全への意識の高まりや電気代の上昇を背景に、太陽光発電の導入を検討する人もいるでしょう。
 
中でも注目されているのが、初期費用をかけずに太陽光発電システムを導入できる「0円ソーラー」です。初期費用0円とはいえど、実際にどれほど電気代が安くなっているのか気になる人も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、太陽光発電を取り入れた際の電気代を試算し、家計への影響を解説します。また、設置にあたって注意すべき点も併せて紹介します。

【0円ソーラー】どうして初期費用がかからないの?

「0円ソーラー」とは、家庭に太陽光発電システムを設置する際、機器代や工事費などの初期費用がかからない仕組みのことです。
 
では、なぜ費用がゼロで済むのでしょうか。それは、太陽光パネルの持ち主は事業者であり、住人は「機器を借りているだけ」だからです。
 
利用者が支払うのは「使った分の電気代」や「設備のリース代」といった利用料のみであり、設置環境などの条件を満たしていれば、初期費用をかけることなく、太陽光発電システムを設置できます。
 

0円ソーラーには「電力販売型」と「リース型」の2種類ある

0円ソーラーには「電力販売型」と「リース型」の2種類のプランがあります。
 
「電力販売型」は、発電された電気を事業者が売り、利用者がそれを購入する形になります。使った分の電気代だけを支払うシンプルな導入方法です。
 
「リース型」は、太陽光発電システムを事業者から借り、利用者自身が発電した電気の持ち主となる形式です。そのため、自宅で消費して余った電気を電力会社に売ることができます。
 
電力販売型とリース型の簡単な特徴をまとめたものが図表1です。
 
図表1

図表1

環境省 「再エネ スタート」はじめてみませんか 再エネ活用 0円ソーラー より筆者作成
 

実際に電気代はどれほど安くなるの?

環境省が発表した資料によると、2023年度の全国の家庭における電気使用量は、年間で約4000キロワットアワーです。公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価1キロワットアワーあたり31円をもとに年間の電気代を計算すると、以下のようになります。
 
【31円×4000キロワットアワー=12万4000円】
 
太陽光発電システムを導入した場合、電力販売型ではどれほど電気代を安くできるのかを解説します。
 
0円ソーラーを設置販売している業者では、太陽光発電の電気を1キロワットアワーあたり22~28円で利用可能です。電力会社から購入する場合、契約の小売電気事業者により実際は異なりますが、目安単価の1キロワットアワーあたり31円で考えると、通常の電気代支払いよりもお得になると分かります。
 
実際に電気代を試算します。
 
太陽光パネル1枚あたりの発電量はメーカーや商品によって異なりますが、1キロワットあたりの年間発電量はおよそ1000キロワットアワーです。
 
家庭用では、合計4キロワット分を設置するのが一般的であるため、1年間で約4000キロワットアワー発電できます。
 
これを基に電気代を試算すると、以下のようになります。
 

【太陽光発電を利用した分の電気代】

・22円×4000キロワットアワー=8万8000円
 
・28円×4000キロワットアワー=11万2000円

 
この計算であれば、1万2000円~3万6000円の節約になります。
 

0円ソーラーの注意点

0円ソーラーには多くのメリットがある一方で、2つの注意点があります。それが「設置条件」と「リース型の場合の支払い」です。
 

設置条件

設置には、50歳未満~70歳未満といった年齢制限や、10年未満~40年未満といった築年数制限の条件があります。いずれも契約内容によって異なるため、各事業者に確認する必要があるでしょう。
 

リース型の場合の支払い

リース型は、電力販売型同様に初期費用なしで始められるものの、例えば「15年契約・月額1万2800円〜」といった費用がかかるケースがあります。
 
自家消費はもちろん、売電も可能ですが、売電価格は9円前後が多いため、場合によってはリース代をまかなえないことも十分考えられます。
 
導入前に収支のバランスをよく検討することが必要であり、事業者に確認しておくことをおすすめします。
 

太陽光レンタルは「条件が合えば」家計にプラス

0円ソーラーには、以下のメリットがあります。

・初期費用ゼロ
 
・電気代削減効果あり
 
・設置やメンテナンスは事業者対応

条件が合えば、電気代を安くでき、家計にとって非常に心強い味方になります。一方、設置条件やリース型の場合の支払いには注意が必要です。
 
0円ソーラーは、再生可能エネルギーを導入しつつ、電気代の負担を抑えられます。導入がかなえば、家計にも地球にもやさしい選択肢となるでしょう。
 

出典

環境省 「再エネ スタート」はじめてみませんか 再エネ活用 0円ソーラー
環境省 令和5年度家庭部門のCO2排出実態統計調査結果について(速報値)
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
 
執筆者 : 舟山こうた
FP2級、小学校一種免許

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