新卒の4人に1人が「退職代行会社」の利用を検討!? 3ヶ月以内の離職で企業の“損失コスト”は180万円超!「退職代行を使う人・使われる会社」の特徴は?会社ができる対策も解説
配信日: 2025.06.18

この記事では、従業員が入社後短期間で退職することによって、会社側にどの程度の損失が発生するのか、また退職代行を使う新入社員や使われる会社の特徴について解説します。会社ができる対策もまとめて取り上げます。

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目次
退職代行会社の利用を検討している新入社員の割合
組織開発・人材育成コンサルティングサービスを提供する株式会社NEWONEが実施したアンケートの結果によると、2025年の新卒入社者における退職代行サービスの認知度は94.2%でした。そして25.3%、つまり4人に1人の割合で自身が退職代行サービスを利用する可能性があると捉えているようです。
また、退職代行サービスの利用に対して、81%の人が否定的ではないという結果が出ています。
退職代行サービスを利用した理由
なお、退職代行サービスの利用者がサービスを使った主な理由は、以下のとおりです。
・退職を言い出しにくかったから
・すぐに退職したかったから
・人間関係が悪かったから
・パワハラやセクハラの被害に遭っていたから
・退職を認めてもらえなかったから
また、退職代行サービスを利用する人は、責任感が強く自分だけ辞めると言えない、ブラック企業に勤めており引き留めにあっているなどの傾向があるようです。
新入社員の退職による会社の損失コスト
ある求人サイトの情報によると、新入社員が仮に3ヶ月で退職した場合の会社の損失コストは、約187万5000円だといいます。なお、費用の内訳は以下のとおりです。
・採用コスト:62万5000円
・教育研修費:12万5000円
・在籍費用:112万5000円
従業員1人が退職するだけでも、相当な損失が発生することが分かります。ただし、だからといって雇用契約時に「1年以内に退職した場合はペナルティを支払う」などの条項を盛り込むのは、労働基準法第16条に違反する行為のため、絶対にやめましょう。
退職代行サービスを使われる会社の特徴と対策
退職代行サービスを使われる会社にはどのような特徴があるのか、またどのように対策すればよいかについて解説します。
退職を言い出しにくい環境
退職代行サービスを使われてしまう会社の特徴として、退職を言い出しにくい環境であることが挙げられます。これは、日頃から従業員とのコミュニケーションがとれていない、上司が高圧的な態度をとっているなど、信頼関係の構築がうまくできていないことが原因として考えられます。
普段から挨拶をする、積極的に雑談をするなど、日頃から会社内で信頼関係を構築する取り組みをすれば、退職代行サービスを使って辞められるリスクを減らせるでしょう。
労働環境に問題がある
パワハラやセクハラが蔓延しているなど、労働環境に問題がある企業も、退職代行サービスを利用して辞められやすいです。アンケートや聞き取り調査などを実施して、労働環境の具体的な問題点の把握と解決を目指しましょう。
退職の原因を分析し、それらに合わせた対策を講じることが重要
労働者は「退職の自由」が認められているため、退職代行サービスを利用されても会社側は基本的に拒否できません。退職代行を使った従業員に対して「無責任」や「あり得ない」などと一蹴せず、なぜ退職代行サービスを使われたのかの原因を探ることも大切です。
そして、原因に合わせて労働環境や体制を見直せば、従業員の早期退職による損失コストの発生を抑制できるでしょう。
出典
株式会社NEWONE 退職代行についてアンケート調査
e-Gov 労働基準法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー