共働きで洗濯は夜にまとめて干しています。梅雨では「室内干し+乾燥機」に頼らざるを得ませんが、電気代が「月3000円」も増えるって本当ですか?
配信日: 2025.06.17

そこで本記事では、電気代の増加の可能性とその対策について解説します。

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目次
共働き家庭にとって、梅雨の洗濯はこんなに大変!
共働き世帯では、朝の出勤前に洗濯する余裕はないため、夜にまとめて洗濯するケースが多いと考えられます。ところが梅雨になると、日中の外干しができず、部屋干しや乾燥機に頼るしかなくなります。特に梅雨の湿度の高い時期は、部屋干しだけではなかなか乾かず、嫌なニオイも気になるところです。
そこで活躍するのが、「衣類乾燥機」や「浴室乾燥機」です。電気で熱を発生させて短時間で衣類を乾かしてくれる便利な機器ですが、気になるのは電気代です。次章で、乾燥機にかかる電気代について見ていきましょう。
室内干し+乾燥機で本当に月3000円も電気代が上がる?
乾燥機を使うと電気代が高くなる、というのはよく聞く話かもしれません。しかし、どのくらい電気代が上がるのか、気になる方もいるはずです。実際の電気代は、機種や稼働時間によって変わってきます。ここでは、その目安を見てみましょう。
まず、乾燥機の電気代を実際に試算してみます。
現在主流となっているドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ式)の場合、1回の乾燥で使う電力量は約0.8~1.0キロワットアワーです。一方で、従来型のヒーター式乾燥機では1.5~2.0キロワットアワー程度とされており、使用する方式によって消費電力には差があります。
例えば、ヒーター式乾燥機を毎日1回使った場合の電気代は以下のとおりです。なお、電気代の目安単価は公益社団法人全国家庭電気製品 公正取引協議会が制定した、1キロワットアワーあたり31円(税込み)と仮定します。
1.5キロワットアワー × 31円 × 30日 = 1395円
2.0キロワットアワー × 31円 × 30日 = 1860円
この時点で、電気代が2000円近くになる可能性があることが分かります。
さらに、乾燥機に加えて除湿機や浴室乾燥機を併用している場合、電気代はさらに上昇します。
浴室乾燥機は、洗濯物が乾くまでに約2~4時間かかるのが一般的です。乾燥運転の消費電力が1時間あたり1.2キロワットアワーの浴室乾燥機を2時間使用する場合は、消費電力量は合計で2.4キロワットアワーです。これを毎日使用すると、電気代は以下のように計算できます。
2.4キロワットアワー × 31円 × 30日 = 2232円
つまり、乾燥機+浴室乾燥機の併用で月3000円を超えることは十分にあり得ます。
前述のとおり、家電の種類や使い方によっても結果は変わりますが、月3000円アップというのは大げさではなく、現実的な数値といえるでしょう。
電気代を抑える室内干しや乾燥時の工夫とは?
乾燥機+浴室乾燥機の併用は電気代がかかると感じるかもしれませんが、生活の質を落とさずに電気代を抑えることは可能です。以下のような工夫を取り入れることで、コストを抑えながら快適に洗濯を行うことができます。
まずおすすめなのが、サーキュレーターや扇風機の併用です。電力消費が少ないこれらの家電でも、風を効率よく当てることで衣類の乾燥時間を大きく短縮できます。
また、除湿機の活用も有効です。梅雨時は室内の湿度が高く、空気中の水分が洗濯物の乾きを妨げます。除湿機を使えば部屋の湿度を下げ、部屋干しの効率がグッと上がります。特に衣類乾燥モードがついているタイプであれば、より短時間で乾かすことが可能です。
さらに、洗濯物の干し方にも工夫をしましょう。アーチ型に干したり、洗濯物同士の間隔を空けたりすることで、風の通り道ができ、乾燥時間が短くなります。
最後に、乾燥機に頼るのは厚手の衣類だけにするという方法もあります。Tシャツや下着などは部屋干しで済ませ、タオルやパーカーなど乾きにくいものだけ乾燥機にかければ、使用時間と電気代を抑えることができます。
無理なく続けられる洗濯スタイルを見つけよう
梅雨の時期は洗濯が大きな負担になりますが、電気代の心配ばかりしていては生活が回りません。確かに、乾燥機などを多用すれば電気代は月3000円近くまで上がる可能性もあります。しかし、ちょっとした工夫や使い方の見直しで、そのコストを大きく抑えることが可能です。
大切なのは、家庭のライフスタイルに合った無理のない洗濯スタイルを見つけることです。快適さと節約のバランスをうまくとりながら、雨の日でもストレスのない毎日を送りましょう。
出典
公益社団法人全国家庭電気製品 公正取引協議会 よくある質問 Q&A その他の質問 Q カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー