「昨年より電気代が高い」と感じています。政府の補助は今年の3月で終わったと聞きましたが、猛暑が予想される7月以降に再開はあるのでしょうか?

配信日: 2025.06.15

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「昨年より電気代が高い」と感じています。政府の補助は今年の3月で終わったと聞きましたが、猛暑が予想される7月以降に再開はあるのでしょうか?
さまざまなモノの物価が高騰し、家計を直撃しています。これから暑い時期となり、気がかりなのが「電気代」でしょう。政府は電気代・ガス代の補助を発表しましたが、いつからいつまでなのか見ていきましょう。
柴沼直美

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

政府の電気・ガス料金補助制度の概要

政府は「電気・ガス料金負担軽減支援事業」として、2025年1~3月使用分の電気・ガス料金に対する補助を実施しました。この制度は、使用量に応じて料金が自動的に値引きされる仕組みで、申請手続きは不要でした。
 

電気・ガス料金負担軽減支援事業は3月まで

「電気・ガス料金負担軽減支援事業」とは、「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」という名の下、実施されていた補助金事業です。
 
物価高の影響で日常生活が厳しい状況にあることを考慮して、暖房費など一般家庭での電力使用量が多くなる1~3月に電気・ガス代を支援していました。補助の詳細については、電気とガス、それぞれ以下のとおりでした。

<電気料金の補助>

・2025年1月・2月使用分:
低圧契約(一般家庭等):2.5円/kWh
高圧契約(企業等):1.3円/kWh
 
・2025年3月使用分:
低圧契約:1.3円/kWh
高圧契約:0.7円/kWh

<都市ガス料金の補助>

・2025年1月・2月使用分: 10.0円/立方メートル
・2025年3月使用分: 5.0円/立方メートル

なお、対象は一般家庭および年間契約量1000万立方メートル未満の企業等です。
 

補助制度の終了と今後の見通し

この補助制度は2025年3月使用分をもっていったん終了となりました。これにより、4月使用分(5月請求分)以降は、補助が適用されない料金が請求されます。
 
ただし、政府は今後のエネルギー価格の動向によっては、追加の支援策を検討する可能性があるようです。需要の増加が見込まれる夏への対応として、7月から3ヶ月間支援を実施する方針であるとの報道などを見守りつつ、具体的な内容を期待したいところです。
 

ガソリン価格の支援策

一方、資源エネルギー庁のサイトによれば、2025年5月22日より、新たな「燃料油価格支援策」の実施が決まりました。これは「燃料油価格定額引下げ措置」といって、ガソリン1リットルあたり10円を補助する定額支援策です。
 
ただし、いきなり10円安くなるというものではなく、段階的に補助を増やしていくという仕組みです。需要の急増による在庫切れで、ガソリンを買い求める車で行列が発生するといった市場の混乱を防ぐための措置だということです。
 
いつまで実施されるのかについて具体的な日程は示されていません。ガソリンの暫定税率をどうするかについて結論が得られて実施されるまでの間、と記されています。
 

家計への影響と対策

補助制度の終了に伴い、電気・ガス料金の負担が増加することが見込まれます。家計への影響を最小限に抑えるため、有効な対策を挙げてみました。


■節電・省エネの実践:エアコンの設定温度の見直し、LED照明を導入する
■料金プランを見直し:使用状況にあわせて最適な電力・ガス会社を検討する
■補助金・助成金の活用:省エネ設備の導入に対する補助制度を利用する

一方で、ガソリン価格の支援策については、自家用車を保有している家庭だけでなく、広く私たちの生活にとってプラスになることが予想されます。
 
例えば、原材料を運ぶトラックや飛行機、果物のビニールハウス栽培などを通じて間接的ではあっても、食料品や日用品などの価格の高騰を抑えることにもつながるでしょう。
 

まとめ

電気・ガス料金の補助制度は、2025年3月使用分で終了しました。今後の家計運営は、エネルギーの効率的な使用や、料金プランの見直しが重要となります。
 
物価高の昨今、政府の支援策を見守りつつ、私たちそれぞれの家計で最新の情報を常に確認し、適切な対策を選択して工夫していくことが求められます。
 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援
経済産業省 資源エネルギー庁 エネこれ ガソリン価格の引き下げはいつから?今後どうなる?よくいただく質問に、資源エネルギー庁がお答えします!
 
執筆者 : 柴沼直美
CFP(R)認定者

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