10年ためた「タンス預金280万円」は「福沢諭吉」だらけです。「使えなくなるから新札にかえた方がよい」というのは本当ですか?

配信日: 2025.06.12

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10年ためた「タンス預金280万円」は「福沢諭吉」だらけです。「使えなくなるから新札にかえた方がよい」というのは本当ですか?
新札が発行されて約1年がたちます。それよりも前からタンス預金をしている場合、その現金は「福沢諭吉」の肖像が描かれた旧紙幣で占められている可能性があり、旧札が使えなくなるといううわさを聞いて、不安を感じる人もいるかもしれません。
 
今回は、福沢諭吉の旧1万円札は今後使えなくなることはあるのか、また、手元の紙幣の取り扱いはどうすればよいのかについてまとめました。
FINANCIAL FIELD編集部

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新札発行後も「福沢諭吉」の旧1万円札は使える?

福沢諭吉が描かれた旧1万円札は、新札が発行され流通している今でも問題なく使えます。特別な法的措置がない限り、旧札の価値が下がったり、旧札での支払いができなくなったりといったことはないのです。
 
そのため現時点では、ほとんどの店舗やATMで福沢諭吉の旧札も新札と同じように利用できるでしょう。ただし、一部で対応していないセルフレジなどもあるようなので注意が必要です。
 

旧札を持ち続けることのリスク

旧札から新札への両替は必須ではなく、必要に応じて金融機関で両替すればよいでしょう。その際、両替手数料がかかるケースがあるため、あらかじめホームページなどで確認してください。
 
旧札は時間がたつと流通量が減り、見慣れない人が増えるため、まれに偽札と誤解される場合があるようです。旧札は、店舗などで受け取りを拒否されるケースもゼロではないでしょう。
 
また、大量の旧札を銀行へ入金しようとしたり、新札へ交換しようとしたりする際に資金の出どころを厳しく確認され、税務署に報告されるケースもあるようです。申告漏れや脱税を疑われると、税務調査の対象になる可能性があるといわれています。
 

タンス預金のリスク

タンス預金には盗難や紛失、災害で一瞬にして失われたり、インフレによって価値が下がったりする可能性、利息や配当を得られないといったリスクが考えられます。これらを十分に理解することが大切です。
 
金融機関に預けていれば、預金保険制度により一定額まで保護されますが、現金をタンス預金で保管する場合は、全額自己責任となる点に注意が必要です。
 
タンス預金の場合は、インフレが進行し物価が上昇すると、実質的な価値が下がる点も意識しておかなければなりません。例えば、年2%の物価上昇が続いた場合、10年後には1000万円の価値が約800万円の価値に減少する可能性があるといえます。
 
そのほか、保管方法が現金であることで、相続時に資産の出どころや分配方法について家族間での争いや、トラブルが発生する可能性も考慮する必要があるでしょう。
 

福沢諭吉の旧1万円札は当面は使用可能だが、将来的には対応不可の機械が増える可能性はある

福沢諭吉の旧1万円札は、今すぐに使えなくなるということはなく、現時点では新札と同じように使えるでしょう。ただし、今後時間がたてば、旧札使用不可のセルフレジや自動販売機などが出てくる可能性はあります。
 
タンス預金には使いたいときにすぐに使える、誰にも知られずに済むといったメリットがある一方、盗難や紛失、火災や災害による消失、インフレによる価値の減少など、さまざまなリスクがある貯蓄方法といえます。
 
多くの現金を、金融機関などに比べてセキュリティー面で不安がある自宅で保管するという、タンス預金が持つリスクを十分理解し、必要に応じて金融機関の活用や新札への交換を検討しましょう。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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