家族分のシーツやタオルケット、まとめて乾かすなら…「コインランドリー」と家庭の「洗濯乾燥機」、どちらが「安い」ですか?
配信日: 2025.06.12

今回は、「コインランドリー(乾燥のみ)」と「自宅の洗濯乾燥機(洗濯から乾燥まで)」で、それぞれどれくらいの乾燥にかかるコスト・時間・手間が発生するのかを比較し、「結局どっちがいいの?」という疑問にお答えします。

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目次
家族分のシーツやタオルケット、何枚干すかで費用も時間も変わる
まず、今回の比較の前提となる洗濯物の量を考えてみましょう。大人2人、子ども2人の4人家族を想定すると、シーツ4枚、タオルケット2〜4枚といった量が一度の洗濯で出てくることも珍しくありません。
これだけの量を自宅で乾かす場合、最初の関門となるのが洗濯乾燥機の「乾燥容量」です。例えば、一般的な家庭用ドラム式洗濯乾燥機で「洗濯容量12kg」と表記されていても、「乾燥容量は7kgまで」というケースが見られます。
大手電機メーカーなども、乾燥機能の性能を最大限に引き出すためには、容量を守るよう注意を促しています。シーツとタオルケットを7kgの容量に詰め込みすぎると、乾きムラができてしまい、結局もう一度乾燥機にかけるといった二度手間になりかねません。
そのため、自宅で乾かす場合は「2回に分けて乾燥させる」という家庭もあるようです。
【費用比較】コインランドリーは1回600円前後、自宅乾燥機は電気代+時間
次に、気になる費用を具体的に比較してみましょう。
・料金:1回あたり400円~600円程度
・所要時間:30分~40分
・自宅で洗濯を済ませた後、ぬれた洗濯物を持ち込んで「乾燥機」のみ使用
コインランドリーの最大の魅力は、家庭用とは比較にならないパワーを持つ大型の乾燥機です。シーツ4枚とタオルケット数枚程度であれば、25kgクラスの大型乾燥機にまとめて投入でき、30分~40分ほどでふかふかに乾かすことができるでしょう。
料金は地域や店舗によって異なりますが、大型乾燥機の場合、10分あたり100円~200円が目安です。30分利用すると300円~600円、しっかり乾かすために40分使えば400円~800円程度となります。特に都心部や新しい店舗では、600円~800円程度になることもあるため、その点を考慮しておくと安心でしょう。
・料金(電気代):1回あたり約51円(2回なら約102円)
・所要時間:1回あたり100分~180分
・「洗濯から乾燥まで」を全自動で運転する
自宅の洗濯乾燥機は、1回あたりの電気代が比較的抑えられるのが特徴です。ここでは、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている電気料金の単価「1kWh=31円(税込み)」を基に計算します。
一例として、大手メーカーのドラム式洗濯乾燥機(洗濯12kg/乾燥7kg)で7kgの洗濯物を「洗濯から乾燥まで」運転した場合、消費電力量は約1.63kWhです。電気代に換算すると、1回あたり約51円です。
なお、これは「洗濯から乾燥まで」の電気代であり、コインランドリーと同じく「乾燥だけ」で考えると、洗濯にかかる電気代(数円程度)を差し引いた約47円が目安となります。
コインランドリーと比較すると、電気代のみなら自宅の乾燥機が有利だといえますが、所要時間は機種やコースによって100~180分程度かかる場合もあるでしょう。
【時間と手間】“楽なのはコインランドリー”、でも毎回通うのが面倒?
コストの次は、時間と手間の比較です。コインランドリーの利点は、なんといえっても「速さ」です。ぬれて重くなったシーツ類を運ぶ手間や、店舗との往復時間はかかりますが、一度入れてしまえば30分後には乾いた洗濯物が手に入ります。待っている間に買い物を済ませるなど、時間を有効活用することも可能です。
自宅の洗濯乾燥機は、洗濯から乾燥までをボタン一つで、しかも全自動で行ってくれる手軽さが最大のメリットです。夜寝る前にセットしておけば朝には乾いている、という使い方ができるのは非常に魅力的でしょう。
ただし、乾燥に時間がかかる点に加え、夏場は乾燥運転時の排熱で脱衣所や部屋の温度が上がってしまうというケースも。冷房中に乾燥機を回すと、電気代が余計にかかってしまう可能性も考慮する必要があるでしょう。
コスパで選ぶなら?こんな家庭にはこの方法がおすすめ
最後に、ここまでの比較を踏まえて、どのような家庭にどちらの方法が向いているのかを考えてみましょう。
週末にまとめて洗濯を済ませたい、とにかく時間を節約したいという家庭には、スピードを重視できる「コインランドリー」が便利です。「時間もコスト」と捉え、数百円で数時間の手間を短縮できるのは大きなメリットといえます。急な洗濯物が出たときにも頼りになる存在でしょう。
日中在宅している時間が長い、または外出の手間をできるだけ省きたいという家庭には、自宅で完結する「洗濯乾燥機」が向いています。電気代を安く抑えながら、自分の好きなタイミングで乾燥まで済ませられる手軽さは何物にも代えがたいでしょう。
また、月に1~2回、大物の洗濯のときだけコインランドリーを利用するという使い方であれば、高価な最新の洗濯乾燥機を購入・維持するコストを考えると、トータルコストはコインランドリーのほうが安く済むという考え方もできます。
洗濯乾燥機のほうが節約できるが、使い分けるとコスパもよくなる
シーツやタオルケットなど大物洗濯の乾燥は、家庭によって「正解」が異なります。
コインランドリーの一気に乾くスピードは大きな魅力ですが、毎回使うと出費がかさむことも。一方、自宅の乾燥機は電気代こそ安く抑えられるものの、乾燥に時間がかかるというデメリットもあります。
それぞれのライフスタイルや使用頻度に応じて、うまく使い分けるのが節約のコツといえるでしょう。
出典
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー