東京都が「夏の水道料金」を無償化!? わが家の水道代「5000円」がタダになると喜んでいたら、思わぬ落とし穴が? しっかり理解しておきたい“無償化”の本当の意味を解説
配信日: 2025.06.11

そのような中、東京都は今夏の水道料金の無償化に関する内容を発表、補正予算の財源として358億円を計上し、6月12日の都議会で決議される見込みです。ただし、「無償化」と言っても、水道料金が「0円」になるわけではないことに注意が必要です。
本記事では、東京都が実施する水道料金の無償化の詳細について解説します。

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東京都の水道料金無償化の内容
今回の無償化の目的は、物価高騰による暮らしへの不安によって、夏場に都民がエアコンなどの利用を控えてしまわないよう、水道光熱費をトータルで下支えすることです。
水道料金を下げることで、「水道代が減った分、エアコンを使ってもよいかな」と都民の適切なエアコンの使用などを促し、熱中症などの健康被害の予防につなげる狙いがあります。無償化の具体的な内容は次の通りです。
対象期間
対象期間は、6~9月または7~10月です。検針の時期によって多少のずれがありますが、今回の無償化の目的に沿って、暑さの厳しい夏場の4ヶ月間が対象です。
対象物件
対象物件は、東京都内における都水道局が管轄しているエリアで、小口径の給水管を使用している一般家庭や事業所など約800万件です。
また、都水道局の管轄外の東京都内13市町村(武蔵野市、昭島市、羽村市など)にある約20万件に対しても、同様の措置を行うための補助金を交付予定です。一戸建て、マンション、アパートなどの建物の形態は問わず、水道契約をしていれば対象になります。
対象費目
水道料金は、固定でかかる基本料金と、使用量に応じてかかる従量料金(下水道料金含む)の2つに分かれます。このうち、今回の無償化の対象は基本料金のみです。従量料金部分は通常通り発生することに注意が必要です。
水道料金はどのくらい安くなる?
無償化の対象となる基本料金部分は、建物に引き込まれている給水管の口径によって異なるため、世帯によって無償化の影響も異なります。主に家庭用で使用される給水管は、口径が13ミリメートル、20ミリメートル、25ミリメートルの3種類です。口径ごとの1ヶ月あたりの基本料金は次の通りです。
・13ミリメートル:860円
・20ミリメートル:1170円
・25ミリメートル:1460円
多くの世帯が利用する20ミリメートル口径では、水道料金は対象となる4ヶ月で4680円安くなります。自宅の給水管の口径は、水道メーターのふたや検針表で調べることができるので、具体的な金額が知りたい人は確認しておきましょう。
無償化の対象は基本料金のみであることに注意しよう
物価高騰による暮らしへの不安がある中でも、夏場にエアコンを適切に利用して健康に過ごせるよう、東京都では水道料金の基本料金部分の無償化が検討されています。対象となるのは、東京都内で家庭用の水道契約を行っている世帯です。
基本料金は、世帯に引き込まれる給水管の口径によって決まり、多くの世帯が利用する20ミリメートル口径の場合、4ヶ月で4680円安くなります。ただし、あくまでも基本料金部分のみが無償化の対象であり、使用量に応じてかかる従量料金は発生します。無償化対象期間であっても、今まで通り、水の使い過ぎには注意しましょう。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2024年7~9月期
東京都財務局 令和7年度6月補正予算(案)について
東京都水道局 水道料金・下水道料金の計算方法(23区)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー