「冷蔵庫は開けたらすぐ閉める」と注意されます。5秒か、10秒くらい開けているかもしれませんが、そんなに電気代に差が出るものなのでしょうか？

「冷蔵庫を開けたらすぐに閉めて！」といわれたことがある方は多いでしょう。しかし、たった5秒や10秒の差で本当に電気代が変わるのか、疑問に思ったことはありませんか？
 
結論からいえば、冷蔵庫の扉を開けている時間が長いほど、電気代が高くなる可能性があります。本記事では、冷蔵庫を開けているときの電気代や開けっ放しが招くトラブルについて解説と電気代を節約する方法の紹介をしていきます。

冷蔵庫を開けているときの電気代

冷蔵庫の扉を開けると冷却が一時的に止まり、庫内の温度が上がってしまいます。そして、扉を閉めた後に温度を下げるため、余分な電力を消費することになります。
 
経済産業省資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によると、冷蔵庫を開けている時間を20秒から10秒に短縮するだけで、年間約6.1キロワットアワーの電力を削減でき、電気代に換算すると約190円の節約につながるとしています。
 
年間で見ると190円という金額は小さいかもしれませんが、このような日々のちょっとした意識や行動の積み重ねが、大きな節約につながっていきます。

 

冷蔵庫の開けっ放しが招くトラブル

冷蔵庫の開けっ放しが招くトラブルには、次のようなものがあります。
 

・食材や食品の状態が悪くなる
・庫内に水滴や霜がつく
・故障の原因になる場合もある

 
冷蔵庫の扉を開けっ放しにすると庫内の温度が上昇し、食材の鮮度や味に悪影響を与える可能性があります。場合によっては食品が傷んだり腐敗の原因になったりすることもあるため、注意が必要です。
 
さらに、温度上昇により庫内に水滴や霜が発生し、カビの原因になったり、冷却性能の低下を招いたりすることもあります。
 
また、庫内にたまった水分や霜が冷却システムや電子部品に悪影響を及ぼし、故障の原因となったり、冷蔵庫の寿命を縮めたりする恐れもあるため、扉の開けっ放しには十分注意しましょう。
 
冷蔵庫が故障すると庫内温度が上昇し、食材が傷んでしまいます。その場合は、冷蔵庫の食修理費だけではなく食材を買い直す費用もかかり、思わぬコスト増につながります。また、鮮度の落ちた食材を口にすることで、体調を崩すリスクもあるため冷蔵庫の開けっ放しは避けるようにしましょう。

 

冷蔵庫の電気代を節約する方法

冷蔵庫の電気代を節約するには、扉を開ける時間を短くするだけでなく、ほかにもさまざまな工夫があります。主な節約方法は、次のとおりです。
 

・温度設定を見直す
・食材を詰め込みすぎないようにする
・熱いものは冷ましてから入れる
・壁との間に適切なスペースを確保して設置する

 
例えば、「省エネポータルサイト」によると、周囲温度22度で冷蔵庫の温度設定を「強」から「中」に変更すると、年間約61.72キロワットアワーの電力を削減でき、電気代にすると約1910円の節約になります。
 
また、冷蔵庫に食材を詰め込みすぎないことも節約のポイントです。「省エネポータルサイト」によると、庫内がいっぱいの状態と半分程度に抑えた場合とでは、年間で約43.84キロワットアワーの差があり、約1360円の電気代が節約できるとしています。
 
さらに、カレーやスープなど、熱いまま食品を冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がって余分な電力を消費してしまいます。そのため、しっかり冷ましてから入れることが大切です。

 

冷蔵庫の開けっ放し防止で電気代を節約しながら食材の鮮度を保とう！

冷蔵庫の扉を長時間開けていると、庫内の温度が上がり、電力消費が増えて電気代が高くなる原因になります。さらに、食材の劣化や冷蔵庫の故障を招くリスクもあるため注意が必要です。
 
物価上昇で家計が大変なときだからこそ、少しでも無駄な出費は避けたいところです。「電気代節約のために扉はすぐ閉める」と意識するだけで、無駄な電気代や食材の無駄を減らせます。また、詰め込みすぎを避ける、温度設定を適切にする、熱いものは冷ましてから入れるなどの使い方を心掛けることも大切です。
 
早速今日から、開け閉めを意識して冷蔵庫を使用しましょう。

 

出典

経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 無理のない省エネ節約 冷蔵庫
内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン 節電をして電気代を節約しよう！ 手軽にできる節電方法とは？ 3 上手な冷蔵庫の使いかたは？
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー