40歳で「手取り30万円」の会社員。積立定期預金でついに「1000万円」が貯まりました。同世代と比較してよいペースだと思いますが、実際どうでしょうか?
配信日: 2025.05.29

今回は40歳で1000万円を貯めることができた人は、同世代の人と比べてどれくらい貯金額が大きいのかを紹介します。
40代の平均貯蓄額
図表1は40歳代の単身世帯および二人以上世帯の貯蓄額の平均値と中央値を示したものです。平均値は、相続等で多額の資産を保有する人などの存在から影響を受けやすいため、中央値がより実態を反映しているはずです。
図表1
貯蓄額(平均値) | 貯蓄額(中央値) | |
---|---|---|
単身世帯 | 559万円 | 47万円 |
二人以上世帯 | 889万円 | 220万円 |
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査][二人以上世帯調査](令和5年)より筆者作成
図表1の中央値を見ると、単身世帯で47万円、二人以上世帯で220万円です。この結果から、貯蓄額1000万円の人は、単身世帯であれ二人以上世帯であれ、同世代において非常に大きな金額を貯蓄できているといえます。
また、図表1からは二人以上世帯のほうが単身世帯よりも多くの貯蓄をできていることが分かります。パートナーと共働きできている人の場合は、世帯としての貯蓄を増やしやすいことも一因でしょう。
また、今後のマイホーム購入や子育てなど具体的なライフイベントを想定し、貯蓄に取り組めているという側面もあるかもしれません。
貯蓄額1000万円を達成するために
改めて貯蓄額1000万円は非常に大きな金額ですが、到達不可能な金額ではありません。例えば毎月5万円貯金すると仮定すると200ヶ月(16年8ヶ月)で達成できる計算になります。社会人になってから積み立て始めたとして、今回のケースのようにおよそ40歳近くになった年齢で1000万円に到達するでしょう。
ただ、一般的に貯金の習慣化は誰にでもできるわけではありません。それは前述の調査(図表1)の中央値からも読み取ることができます。
本ケースでは積立定期預金を継続してきた会社員の人を取り上げています。この人のように毎月のお給料から自動的に貯金や投資などにお金を回し、そこから残ったお金の中で生活をするという仕組みを作っておくことができれば、資産形成は継続しやすくなります。
また、特別な目的なく「何となく」資産形成を続けられる人は多くないはずです。多くの人は資産形成のゴールを具体的に設定しないと挫折する可能性が高まるでしょう。
明確な目標が浮かばない場合には、「◯◯歳までに◯◯万円貯める」といったゴールを設定し、資産形成を始めましょう。ゴールが決まっていれば、今の進捗が順調なのか確認することができ、モチベーションも高まりやすいです。
そのためゴール設定の際には、無理なく実現できる数字を設定するようにしましょう。
まとめ
今回は40歳で1000万円を貯めることができた人を取り上げ、同世代の人と比べた場合に貯蓄額が大きいことを紹介しました。日々コツコツと資産形成に取り組むことができれば、1000万円を貯めることは夢ではありません。
人それぞれ置かれている状況は異なりますが、まずは固定費の見直しなどのできることから取り組み、場合によっては転職や副業で収入を増やすことにチャレンジすることもおすすめです。
出典
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート