物価高が続く昨今、4人家族でひと月にかかる「食費」ってどのくらい? 月10万円以内なら優秀?
配信日: 2025.05.31


日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
目次
2025年、4人家族のひと月の食費平均はいくら? 最新データで解説
2025年現在、物価高騰の影響で、4人家族の1ヶ月あたりの食費は上昇傾向にあります。
総務省統計局の「家計調査 家計収支編」によると、2025年3月における4人家族の平均的な月間食費は10万6857円に達しました。2024年同月は10万162円、2023年同月は8万8233円で、2023年と比べると1万8624円の増加となっています。
株式会社帝国データバンクによれば、2025年5月の飲食料品の値上げは478品目にのぼり、2025年累計では10月までの公表分で1万4409品目に達しました。こうした状況から、家計における食費の負担感はいっそう強まっています。
月10万円以内の食費は優秀? 平均やエンゲル係数から考える
家計の健全性を測る指標として「エンゲル係数」があります。エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める食費の割合のことで、理想は20%前後とされています。
・エンゲル係数(%)=(食費÷消費支出)×100
しかし、現在は物価高の影響でエンゲル係数が上昇傾向にあり、2024年における2人以上世帯のエンゲル係数は28%を超え、家計全体に占める食費の比重が大きくなっている状況です。
したがって、全国平均やエンゲル係数の上昇傾向を踏まえると、月10万円以内でやりくりできていれば、平均以上に食費を抑えられていると評価できるでしょう。
ただし、子どもの年齢や食べ盛りの時期、外食や中食の頻度、住んでいる地域によって必要な食費は異なるため、単純に比較するのは難しい面もあります。
食費を10万円以内に抑えるための具体的な節約テクニック
食費を10万円以内に抑えるためには、日々のちょっとした工夫や意識が大切です。各種メディアで紹介されている主な節約術は以下の通りです。
・コンビニなどの商品が割高になる買い物の回数を減らし、割安なスーパーや業務スーパーを活用する
・特売品を中心に献立を組み立てる
・まとめ買いや作り置きで食品ロスを防ぐ
・外食や中食の回数を減らし、自炊を増やす
・お菓子や飲料などの嗜好(しこう)品を見直す
・家計簿をつけて予算管理を徹底する
例えば、コンビニでの何気ない買い物も積み重なると、月に数千円の差が出ます。アイスやカップ麺などは、スーパーの1.5倍以上の価格になることも珍しくありません。
また、冷凍食品や作り置きを活用すれば、忙しい日でも外食に頼らずに済みます。こうした工夫を日常に取り入れることで、無理なく食費を抑えることができるでしょう。
まとめ
物価高が続く中で、家計のやりくりに頭を悩ませている家庭は少なくありません。しかし、平均や他の家庭と比較しすぎてストレスを感じるのではなく、自分たちの生活スタイルや価値観に合ったやりくりを目指すことが大切です。
食費の見直しは、家計全体のバランスを考える良い機会でもあります。家族で話し合いながら目標を設定し、無理のない範囲で節約を続けることで、将来の教育費やレジャー費などにも余裕を持って備えられるでしょう。
今後も物価の動向には注意が必要ですが、日々の小さな工夫や家族の協力で、安心して暮らせる家計を築いていきたいものです。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 月次 2025年3月 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号3-1 世帯人員別
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 月次 2024年3月 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号3-1 世帯人員別
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 月次 2023年3月 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号3-1 世帯人員別
株式会社帝国データバンク 「食品主要195社」価格改定動向調査―2025年5月
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー