面倒でも「待機電力」は抑えたほうがいい? 待機電力を減らすとどれくらいの節約になるのでしょうか?
配信日: 2025.05.29

そこで本記事では、待機電力について解説します。

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待機電力とは
電化製品は、実際に使用していなくても、電源が入っている状態であれば電力を消費します。また、電化製品のなかには、電源を切っているのに、コンセントが挿しっぱなしになっているだけで電力を消費する製品もあります。このように、使用していない状態で消費される電力のことを「待機電力」というのです。
1世帯あたりで消費される待機電力
資源エネルギー庁は、1世帯あたりで消費されている待機電力は年間で228キロワットアワーと推計しました。
1世帯あたりの年間消費電力量は4432キロワットアワーなので、その5.1%が待機電力として消費されていることになります。さらに、これを1キロワットアワーあたり31円として計算すると、年間7068円を待機電力の電気代として支払っていることが分かります。
待機電力を節約すべき電化製品
ここからは、特に待機電力を節約すべき電化製品について解説します。12時間あたりに発生する待機電力量と、それにかかる電気代も解説するので、節約の参考にしてください。
ただし、実際の待機電力は電化製品の機種などによって異なります。また、1キロワットアワーの電力料金は31円で計算しています。
ガス瞬間湯沸かし器
資源エネルギー庁によると、ガス瞬間湯沸かし器の待機電力は7.05ワットです。ほかの電化製品と比較すると、待機電力量は高めとされていることから、優先して待機電力を節約したい電化製品といえます。
ガス瞬間湯沸かし器における、12時間あたりの待機電力量は84.6ワットアワーとなり、それにかかる電気代は約2.6円です。
テレビ
資源エネルギー庁の調査では、家庭における年間待機電力量の10%をテレビが占めるとされています。そのため、テレビも待機電力を節約すべき電化製品といえるでしょう。
外出時などでテレビを見ない場合は電源を切り、コンセントを抜いておくとよいでしょう。ただし、待機電力が発生しない状態では、録画予約などの設定が失われることがあります。再設定が必要になることもあるため、注意してください。
テレビの待機電力は1.66ワットとされており、12時間あたりの待機電力量は19.92ワットアワーとなります。それにかかる電気代は、約0.6円です。
エアコン
エアコンを使わない時期や長時間家を空ける場合には、電源を切ってコンセントを抜いておきましょう。これにより、待機電力が発生することを防げます。ただし、設置状況やメーカーの指示によっては、無理にコンセントを抜かないよう注意してください。
また、エアコンはコンセントを挿してから急に稼働させると、故障してしまうことがあります。コンセントを挿した後は、数時間ほど放置して通電させてから稼働させるとよいでしょう。
資源エネルギー庁によると、エアコンの待機電力は1.74ワット、12時間あたりの待機電力は20.88ワットアワーです。それにかかる電気代は、約0.6円となります。
待機電力の節約に向かない電化製品
電化製品のなかには、待機電力の節約に向かない製品があります。ここからは、その電化製品について解説します。
冷蔵庫と冷凍庫
冷蔵庫や冷凍庫が庫内を一定の温度で保つことができるのは、常に通電状態を維持しているためです。待機電力を節約するために電源を切ったり、コンセントを抜いたりすると、庫内の温度を一定に保つことができなくなります。
庫内の温度が上昇すると食材が傷んでしまうので、冷蔵庫や冷凍庫は待機電力の節約には適していないといえるでしょう。省エネを目指す場合は、省エネ性能の高い製品への買い替えや、詰め込みすぎを避ける、設置場所を工夫するなどの方法が効果的です。
Wi-Fi
現代の日常生活において、インターネット回線は必要不可欠といえます。待機電力を節約するために頻繁に電源を切る、もしくはコンセントを抜く行為は利便性に欠けるため、現実的ではないでしょう。また、頻繁なオンオフや抜き差しは、機器の故障リスクにもつながります。
ただし、旅行などで長期的に家を空ける場合は、そのかぎりではありません。
待機電力は電気代の節約になる
多くの電化製品は使用していなくても、電源が入っている状態もしくはコンセントが挿してある状態で待機電力が発生し、その分だけ電気代もかかります。
単体かつ数時間であれば大きな金額ではありませんが、複数の電化製品で長期的に考えると無視できません。そういう意味では、待機電力は可能なかぎり抑えたほうがよいでしょう。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 家庭でできる省エネ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー