これから暑くなっていきますが、「エアコン」と「サーキュレーター」では、どちらのほうが電気代の節約になるのでしょうか?
配信日: 2025.05.29

しかし、サーキュレーターだけで本当に快適に過ごせるのか、あるいは両方使うと逆に電気代がかかってしまうのではないかと、疑問に思う方もいるでしょう。
本記事では、エアコンとサーキュレーターの電気代を比較し、それぞれのメリットや効果的な使い方、節約のポイントについて解説します。

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目次
エアコンとサーキュレーター、それぞれの電気代はどれくらい?
まずは、エアコンとサーキュレーターの電気代について、具体的な数字で比較してみましょう。
エアコンの消費電力は機種や運転状況によって幅がありますが、一般的な6畳用エアコン(冷房能力2.2キロワットクラス)の冷房時の消費電力は200~800ワット程度です。
ここでは仮に消費電力が800ワット、電気料金単価を31円/キロワットアワー((公社)全国家庭電気製品 公正取引協議会より)として計算すると、1時間の使用で約24.8円。これを1日12時間使用した場合は約297.6円、1ヶ月(30日間)で約8928円となります。
一方、サーキュレーターの消費電力は20W程度が一般的です。仮に消費電力20ワットで計算すると、1時間あたりの電気代は約0.62円、12時間使用で1日あたり約7.4円、1ヶ月では約223円となります。
このように比較すると、サーキュレーターの電気代はエアコンの約2.5%で済むことが分かります。単体での消費電力を比べると、サーキュレーターのほうが圧倒的に節約になります。
エアコンとサーキュレーターを併用すると電気代は安くなる?
エアコンに比べて電気代が非常に安いサーキュレーターですが、冷却機能はありません。そのため、真夏の暑さをサーキュレーターだけでしのぐのは現実的ではないでしょう。
ここで有効なのが、「併用」という方法です。サーキュレーターは空気を循環させることで部屋全体の温度ムラを減らし、体感温度を下げる効果があります。例えば、エアコンの設定温度を1度上げた場合でも、サーキュレーターの風をうまく活用することで快適さを損なわずに過ごせるのです。
エアコンの設定温度を1度上げると、消費電力が暖房時で約10、冷房時で約13%削減できるといわれています。
仮にエアコン(6畳用・消費電力800W)を1度高めの設定にして13%節約できた場合、1時間あたり約3.2円の節約になります。これを12時間使用すると約38円、1ヶ月では約1150円の電気代を削減可能です。
このとき、サーキュレーター(消費電力20ワット)を併用しても、1ヶ月で約223円の電気代しかかからず、差し引きで約930円の節約できる計算です。つまり、サーキュレーターを併用することで、より効率的な冷房が実現し、結果的にエアコン単体で使うよりも電気代が安くなるのです。
サーキュレーターを効果的に使って電気代を節約する方法
せっかくサーキュレーターを使うなら、効果的な使い方を押さえておきましょう。まず、冷房時には冷たい空気が床付近にたまりやすくなります。
これを部屋全体に循環させるために、サーキュレーターはエアコンとは対角線上に置き、天井に向けて斜め上に風を送るようにしましょう。これにより、冷たい空気が部屋中に行き渡り、効率が高まります。
また、サーキュレーターにはACモーターとDCモーターの2種類がありますが、節電を意識するならDCモーター搭載モデルがおすすめです。消費電力が少なく、風量調節も細かくできるため、快適さと省エネの両立が可能です。
さらに、タイマー機能を活用することで、就寝中や外出時に無駄な運転を防げます。夜間は気温も下がるため、エアコンを切った後にサーキュレーターだけを動かすといった使い方も効果的です。
エアコンとサーキュレーター、上手に使い分けて節約を
エアコンとサーキュレーターは、それぞれに役割が異なります。エアコンは室温を下げる冷却機能を持ち、真夏の強い暑さをしのぐためには欠かせません。一方、サーキュレーターは空気を循環させて部屋の温度ムラを減らし、体感温度の調整やエアコンの効率を高めるサポート役として優れています。
電気代の観点で見ると、サーキュレーター単体の使用は非常に安価ですが、真夏はエアコンと併用することが現実的です。そのうえで、エアコンの設定温度を適度に高め、サーキュレーターを活用することで、快適さを保ちながら電気代を抑えることができます。
これから迎える本格的な暑さに備えて、エアコンとサーキュレーターを上手に使い分け、無理なく電気代を節約しましょう。ちょっとした工夫で、毎月の出費を抑えつつ、快適な夏を過ごすことができるでしょう。
出典
公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会 よくある質問 Q&A その他の質問 Q カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー