実家住まいで「手取り19万円」の新入社員。1人暮らしで「吉祥寺」「下北沢」に住みたいけど、人気エリアは厳しいですか? 平均支出と“家賃相場”を確認

配信日: 2025.05.28

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実家住まいで「手取り19万円」の新入社員。1人暮らしで「吉祥寺」「下北沢」に住みたいけど、人気エリアは厳しいですか? 平均支出と“家賃相場”を確認
初任給を受け取り、「実家を出て一人暮らしをしたい」と考えた新入社員は多いのではないでしょうか。例えば、吉祥寺や下北沢のような人気エリアは、住環境や交通アクセスの面でも魅力的です。
 
とはいえ、初任給の手取り19万円ほどで生活費の全てを賄えるのか、と不安を感じる人もいるでしょう。本記事では、実際の統計データを基に、新入社員がこの手取り額で都内の人気エリアに住めるのかどうかを考えます。
富澤佳代子

一人暮らし世帯の支出は約17万円だが……

総務省の「家計調査報告(家計支出編)2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、単身世帯における1ヶ月あたりの消費支出の平均は16万9547円となっています。平均通りの支出に収めれば手取り19万円でも一人暮らしができると考えられるかもしれません。
 
ただし、同調査が示す住居費の平均は2万3373円です。これは、自宅暮らし、社宅や寮などの補助を受けた住まい、あるいは家賃の安い地方で暮らす人を含めた平均額だと考えられます。「都内で賃貸住宅に住む一人暮らし」に限れば、もっと高い住居費を想定すべきでしょう。
 

吉祥寺・下北沢の家賃相場は月10万円前後

大手不動産情報サイトによると、吉祥寺駅周辺の1Kの平均家賃は9万2000円、下北沢に至っては10万3200円です。
 
前記の家計調査において、住居費を除いた消費支出の合計額は約14万6000円なので、家賃を10万円とすると、合計して月に約24万6000円の生活費が必要となります。
 
仮に、年間ボーナスが4ヶ月分で手取り76万円(1ヶ月あたり約6万3000円)だったとすれば、月ベースでの手取りは25万円を超えるため、生活自体は成り立ちます。しかし、ボーナスはどの年も必ず支給されるとは限らないものです。あてにしすぎるのはリスクと言えるでしょう。
 
加えて、賃貸住宅を借りる際には敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用がかかります。一般的には家賃の4.5~5ヶ月分が目安とされており、10万円の物件であれば45万円~50万円程度のまとまった資金が必要です。家具・家電の購入費も考えると、初期コストはさらに膨らみます。
 
もちろん、実際の支出には個人差があり、節約次第でコントロールできる部分もあるでしょう。それでも、吉祥寺や下北沢での一人暮らしは、やはり「難しい」というのが正直なところです。
 

まずは現実的な条件で生活の土台を

家計調査などの統計や家賃相場を考えると、手取り19万円で吉祥寺や下北沢のような人気エリアに住むのは厳しいでしょう。家賃や生活費、さらには初期費用を含めて考えると、かなりタイトなやりくりが求められます。
 
そのため、まずは家賃の負担が少ないエリアを選ぶ、シェアハウスなどを活用するなど、現実的な選択肢からスタートするのも1つの方法です。例えば、23区の中でも葛飾区や足立区は家賃が安いとされています。
 
その後、昇給や転職によって収入が安定したタイミングで、希望のエリアへの引っ越しを目指すというのが現実的です。賃貸であってもいったん住み始めると、引っ越しに大きな労力とお金がかかります。
 
まずは「一人暮らし」を優先するのか、それとも「住みたい街」を優先するのか、目的を明確にすることが大切です。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計支出編)2024年(令和6年)平均結果の概要
 
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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