【比較】コメ価格の高騰で、ご飯が食パンの「1.7倍」の値段に!?「コメ・食パン・うどん・パスタ・そば」の中で、今一番安い主食はどれ? 1食あたりの価格を比較
配信日: 2025.05.24

このような状況を受けて、節約のために主食を米から、うどんやパスタに切り替えるという食費節約術も耳にするようになりました。米からほかの主食に切り替えるだけで、はたして本当に節約になるのでしょうか。
本記事では、米、食パン、うどん、パスタ、そばの1食あたりの価格を比較し、最も安い主食が何なのかについて解説します。

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米が値上がりしている背景
総務省の小売物価統計調査によると、2025年4月の東京都区部の米の価格は5キログラムあたり4770円です。同じ調査において、1年前の価格は5キログラムあたり2384円だったので、約2倍になっています。米の価格がここまで高騰している原因は主に次の2つです。
生産コストの上昇
米を作るためのコストが上昇しており、米の価格に転嫁されています。光熱費と肥料の価格を見てみると、2020年を100とした場合に、2024年は光熱費で130、肥料で137となっており、約3~4割上昇しています。これらのコスト上昇をふまえ、集荷業者が農家から米を買い取るときの価格が上がり、小売価格にも反映されています。
米不足を背景とした集荷競争
農林水産省の調査によると、比較的規模の大きい集荷業者や卸売業者の2025年3月末の民間在庫量は179万トンです。これは比較できる2009年以降で最も少なく、前年に比べ35万トンの減少です。背景としては、出荷段階の在庫が36万トン減っていることがあります。
2024年産の米の生産量が前年よりも増加している中で、出荷段階の在庫が減っているのは、農林水産省の調査対象となっている大手集荷業者と、それ以外の集荷業者との集荷競争が生じているからだと考えられます。その結果、需給が引き締まり、小売価格にも影響しています。
最も安い主食は食パンで1食あたり36円
直近の米の価格上昇をふまえて、1食あたりの価格が最も安い主食はなんでしょうか。1食あたりの価格を比較した結果は図表1の通りです。なお、そばはネットスーパーでの販売価格、それ以外の主食は総務省の小売物価統計調査を基にしています。
図表1
筆者作成
比較した結果、1食あたりの価格では食パンが最も安い主食という結果になりました。米については、前記の通り2024年4月時点では5キログラムあたり2384円(1キログラムあたり約477円)だったので、1食あたり31円と安価な主食でした。
しかし、今では1食あたり約62円と、食パンの約1.7倍にまで高騰しており、いかに米のコストが上昇しているかがよく分かります。
食費の節約と食べることの楽しみのバランスをとろう
米の販売価格は、生産コストの上昇や集荷競争の激化による需給の引き締まりによって上昇しています。現在、1食あたりの価格が最も安い主食は食パンで約36円となりました。
つい安いものを選んでしまいがちになるかもしれませんが、安いからという理由だけで食材を選んでしまうと、食事のバリエーションが減ってしまいます。
例えば、朝食は食パンで食費を抑えて、昼食や夕食ではほかのものを食べるなど、食の楽しみも忘れずにいろいろなものをバランスよく食べられると良いですね。
出典
総務省 小売物価統計調査(動向編)2025年4月
農林水産省 令和6年産米の概算金の設定と相対取引価格の状況
農林水産省 令和7年3月末民間在庫量のポイント
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー