ビール好きの友人は「500円超え」のクラフトビールを買い込んでいます。「クラフトビール」はなぜ高いのでしょうか?通常のビールと違いはありますか?
配信日: 2025.05.25

そこで本記事では、クラフトビールがなぜ高価になるのかについて、普通のビールとの違いについてまとめました。

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クラフトビールとは?
クラフトビールとは、小規模な醸造所で職人が伝統的な製法や独自のレシピで生産する、多様で個性的なビールを指します。大量生産のビールとは異なり、醸造家の情熱や創造性が反映され、一つひとつのビールに独自の個性とストーリーがあるといえるでしょう。
ビールのおもな原材料は麦芽(モルト)、ホップ、酵母、水の4つですが、クラフトビールではフルーツやスパイス、ハーブなどの副原料も使われることがあり、より個性的で多彩な風味を生み出しています。
クラフトビールは醸造家の技術と創造性によって、無限のバリエーションが生まれる奥深い飲み物といえます。
クラフトビールと一般的なビールの価格差とその原因
国内大手メーカーの缶ビール(350ミリリットル)の価格は店舗や時期などによって異なりますが、一般的には1缶あたり約200円~250円(税込み)で販売されていることが多いようです。
対して、クラフトビールの価格は安いものでも1缶あたり約340円、高いものになると約700円~860円(いずれも税込み)となる場合もあり、一般のビールとは価格差があるといえるでしょう。
この価格差はクラフトビールが持つブランド力のほか、原料費や生産規模、流通経費などの違いから来ていると考えられます。
原材料コストの違い
クラフトビールは高品質な麦芽を使用し、独自の味わいを追求するという特徴があります。一般的なビールでは、麦芽やホップなどの原材料を大量に仕入れるため、コストを下げられますが、小規模なクラフト醸造所では仕入れ量が少なく、コストがかさむことから、価格に大きく影響すると考えられます。
そのほか、クラフトビールでは酵母の種類や、独自の味わいを生み出す要因となるスパイスやハチミツなどの副原料も多様であることから、コストが上乗せされることになるでしょう。
製造・流通コストの違い
大手メーカーでは、製造の自動化などにより人件費をおさえることが可能です。しかし、クラフトビールの醸造は手作業が多く、熟練した職人の技術が必要です。このような職人たちの人件費は、小規模な生産が中心のクラフトビールでは価格に転嫁する必要があるといえます。
また、クラフトビールは賞味期限が短い製品が多く、品質の管理にもコストがかかること、ガラス瓶や個性的なラベルを使用することが多く、包装コストが高くなることも価格を上げる要因になるといえます。
加えて、ビールを醸造するには大きな設備投資が必要となりますが、小規模なクラフトビールの醸造所では、そのコストを回収するために価格に上乗せされる傾向があるでしょう。流通網も大手メーカーに比較すると限られていることが多く、輸送コストが割高になることも、価格に影響するといえます。
クラフトビールは製造や流通コストがかかる分、価格に上乗せされる傾向にある
クラフトビールの価格は大手メーカーのビールに比べて、高くなる傾向にあります。その理由は、製造規模が小さくコストが高くなることや、原材料の質、製造工程の手間、流通網の差など、多くの要素が反映された結果といえるでしょう。
クラフトビールの価格は高めである点は否めませんが、味わいや香りなど、それぞれの個性を楽しめる点が魅力といえます。クラフトビールをお得に楽しめる飲み比べセットや、賞味期限が近い商品のセット、サブスクリプションサービスなどを利用してみるのもときにはよいかもしれません。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー