梅雨入り前に「除湿器」を買い替えたいです。電気代が安いのは「コンプレッサー式」「デシカント式」「ハイブリッド式」、結局どれでしょうか?

配信日: 2025.05.24

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梅雨入り前に「除湿器」を買い替えたいです。電気代が安いのは「コンプレッサー式」「デシカント式」「ハイブリッド式」、結局どれでしょうか?
梅雨の季節が近づき、湿気対策として除湿器の購入を検討している方も多いのではないでしょうか。除湿器には主に「コンプレッサー式」と「デシカント式」、そして両方の特性を備えた「ハイブリッド式」の3タイプがあり、それぞれ特徴や電気代が異なります。
 
今回は、梅雨を迎える前に知っておきたい、「除湿器のタイプ別電気代の違い」と「選び方のポイント」について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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コンプレッサー式とデシカント式、どちらが節電向き?

ここでは、まず「コンプレッサー式」と「デシカント式」の2タイプについて、それぞれの除湿方式や特徴、電気代の目安を見ていきましょう。
 
コンプレッサー式は、湿った空気を内部で冷却し、結露によって水分を取り除く方式です。冷媒を用いて除湿するため、梅雨時などの高温多湿の季節に高い除湿能力を発揮するでしょう。
 
一方のデシカント式は、乾燥剤に湿気を吸着させ、吸着した水分をヒーターで温めて放出することで除湿します。低温でも安定した効果が期待できますが、ヒーターを使うため消費電力が高くなりやすいのが特徴です。
 

電気代を「1時間・1日・1ヶ月」で比較

それぞれのタイプで実際にどのくらいの電気代がかかるのか、計算してみましょう。除湿器の電気代は、消費電力(W)と電力量料金単価(円/kWh)から算出できます。今回の試算では、電力量単価を31円/kWhとして計算しています。
 

【コンプレッサー式(消費電力175Wの場合)】

・1時間あたりの電気代
175W ÷ 1,000 × 31円 = 5.43円
 
・8時間使用時の電気代
5.43円 × 8時間 = 43.44円
 
・24時間使用時の電気代
5.43円 × 24時間 = 130.32円
 
・1ヶ月使用(24時間 × 30日)
130.32円 × 30日 = 約3910円

 

【デシカント式(消費電力285Wの場合)】

・1時間あたりの電気代
285W ÷ 1,000 × 31円 = 8.84円
 
・8時間使用時の電気代
8.84円 × 8時間 = 70.72円
 
・24時間使用時の電気代
8.84円 × 24時間 = 212.16円
 
・1ヶ月使用(24時間 × 30日)
212.16円 × 30日 = 約6364.8円

 
このように、1ヶ月あたりの電気代には約2455円もの差があり、デシカント式はコンプレッサー式よりも約1.6倍高くなる計算です。1日あたりで見れば数十円の差でも、毎日使用するとなると月数千円の違いになります。
 
なお、実際の電気代は製品の性能や運転モード、室温、湿度環境などによって変動するので、あくまで参考値としてご確認ください。
 

ハイブリッド式はオールシーズン活躍

コンプレッサー式とデシカント式の両方の機能を搭載した「ハイブリッド式」も選択肢の1つです。気温や季節に合わせて自動で運転モードを切り替えてくれるため、効率よく除湿できるのが魅力です。
 
例えば、暑い時期には電気代を抑えやすいコンプレッサー式で除湿し、寒い季節には低温でもしっかり除湿できるデシカント式に切り替わります。こうした切り替え運転により、1年を通して快適に使えるのがハイブリッド式の大きな特長といえるでしょう。
 
具体的な例として、あるハイブリッド式除湿器の消費電力が「165W」の場合、電力量料金単価を31円/kWhとして計算すると、1時間あたりの電気代は約5.12円です。8時間使用時で約40.96円、1ヶ月間(24時間×30日)連続で使用した場合は約3686.4円となり、電気代の目安としてはコンプレッサー式とほぼ同程度になります。
 
ただし、ハイブリッド式は機能が充実している分、本体価格がやや高めの傾向にあります。また、電気代についても製品ごとに差があるため、目安として参考にしてみてください。
 

除湿器の電気代を抑えるコツ|設定・使い方の見直しで無駄を減らす

除湿器の電気代を抑えるためには、使用時間と設定湿度の見直しが有効です。24時間つけっぱなしにするのではなく、必要な時間帯だけ運転するようにしましょう。
 
例えば、洗濯物の部屋干しをしている時間や、湿気がこもりやすい早朝・夜間など、効果的なタイミングに絞って使うことで、無駄な電力消費を抑えられます。
 
また、除湿器の設定湿度を50~60%程度に保つのも節約のコツです。湿度が高すぎるとカビやダニの原因になりますが、除湿しすぎても不快感や乾燥の原因になるだけでなく、電気代も余計にかかってしまうでしょう。
 
さらに、除湿効率を高めるために、扇風機やサーキュレーターと併用するのも効果的です。室内の空気を循環させることで湿気を効率よく除去でき、稼働時間を短縮できる可能性があります。
 

電気代の差は1ヶ月あたり約2400円!迷ったときはライフスタイルに合わせて選ぶのが正解

電気代だけで見ると、コンプレッサー式の方がデシカント式よりもお得になる傾向があります。ただし、除湿器の選び方は、季節やお部屋の環境、使用する目的によって変わってきます。
 
例えば、夏場や梅雨の時期だけ使うならコンプレッサー式、冬場の結露対策にはデシカント式、1年を通してしっかり除湿したい方にはハイブリッド式が向いているでしょう。家庭の使い方やライフスタイルに合ったタイプを選ぶことが大切です。
 
適切な除湿器を上手に使えば、電気代を抑えながら快適な室内環境を保つことができます。梅雨入り前の今だからこそ、暮らしに合った1台を見つけて、これからの季節を気持ちよく乗り切りましょう。
 

出典

公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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