ほとんど「金利」がつかない昨今、「タンス預金」と「銀行預金」のどちらを選ぶべきでしょうか?

配信日: 2025.05.20

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ほとんど「金利」がつかない昨今、「タンス預金」と「銀行預金」のどちらを選ぶべきでしょうか?
お金に関する事情は、世帯によって実にさまざまです。わずかな金利を得るよりも「タンス預金」として手元で、あるいはひそかに保管したいケースもあるかもしれませんが、「銀行預金」と比べてリスクはないのでしょうか。
 
本記事ではタンス預金と銀行預金を比較しつつ、タンス預金を選ぶ方がどの程度いるのかについても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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大手銀行の「普通預金」の金利は引き上げられている

2024年3月、日本の中央銀行である日本銀行のマイナス金利政策解除を受け、大手銀行5行は普通預金の年利を引き上げました。2025年5月16日現在、大手銀行5行における普通預金の金利は「年0.200%」となっており、3メガバンクの普通預金金利引き上げは2007年以来のできごとです。
 
しかし、それでも「100万円」を普通預金で1年預けた場合の金利が「2000円」という状況であり、金利にあまり期待できない状況は継続しているともいえます。
 

「タンス預金」にはデメリットも! わずかな利息でも「銀行預金」も検討を

こうした低金利の現状もあり、現金を手元に置いておける安心感から「タンス預金」を選択する方もいるかもしれません。しかしながら、下記のようなデメリットを考慮すると、普通預金・定期預金などの「銀行預金」として預け入れたほうがよいケースも考えられます。
 
1点目は、災害による焼失や紛失、あるいは故意の盗難などによる安全性のリスクがある点です。
 
金融機関で保管されている限りはそうしたリスクからは一定の安全性が担保されるほか、万が一金融機関が破綻した場合でも、外貨預金など一部例外はあるものの、一般預金などであれば元本1000万円までと破綻日までの利息が保護される「預金保険」という制度が存在しています。
 
資産を安全に保管したいという目的であれば、銀行預金のほうが適当という見方もできるでしょう。
 
2点目は、安全性とは別の問題として、遺産相続の際にトラブルを生む可能性がある点です。タンス預金は一般に通帳や取引明細といった記録を作成しないため、必然的に金銭の流れが第三者から把握しづらくなります。
 
遺産相続は基本的に故人が遺した経済的価値のある全ての財産が対象となるので、もし誰も知らないタンス預金の存在が相続手続き終結後に発覚した場合、相続人の間でトラブルになることも考えられるため注意が必要です。
 

100万円以上の「タンス預金」は少数派

株式会社スガワラくんが2024年に実施した「タンス預金と新紙幣についてのアンケート調査」によれば、「タンス預金はありますか?」との問いに対し58.3%の方が「いいえ」と回答しています。
 
また「はい」と回答した方のうち、タンス預金の総額は「10万円未満」が27.2%、次いで「10万円~30万円未満」が25.6%と続き、「100万円」を超えている方の割合は2割未満という結果でした。(脱・税理士スガワラくん 調べ)
 
このことから、多額の現金をタンス預金として保管するのは少数派であることが分かるだけでなく、先述のように防災・防犯上のリスクはそれなりに高いものと考えられます。たとえ金利がほとんどつかないとしても「銀行預金」を検討したほうがよいケースもあるでしょう。
 

まとめ

タンス預金は適切に管理が行き届かない場合、さまざまなリスクが付きまといます。実際、低金利の時代であっても、多額の現金をタンス預金で管理している方は少数派のようです。
 
資産を分けて保管したいという観点から見れば、預金口座を複数行に分散するなどして、金融機関へ預け入れるほうが有効なケースもあることを覚えておきましょう。
 

出典

株式会社スガワラくん 「タンス預金と新紙幣」についてのアンケート調査(脱・税理士スガワラくん 調べ)(PR TIMES)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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