実家住みの20代で「月3万円」お金を入れていますが「もっと入れてほしい」と言われます。「食費と水道光熱費」で、毎月どのくらいの額が最適ですか?
配信日: 2025.05.17

月3万円を入れているけれど、親から「もっと入れてほしい」と言われて戸惑っている——そのような声も耳にします。実際のところ、食費や水道光熱費などの実費はどれくらいかかっているのでしょうか?
本記事では、実家に入れるお金の相場や、家計における食費・光熱費の実態を解説し、どれくらいの金額が妥当なのかを考えていきます。

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目次
実家に入れるお金の平均は?
実家暮らしをしている社会人が、毎月どれくらいの金額を親に渡しているのかは気になるところです。自分の金額が妥当なのかを知るためには、世間の平均を知っておくと参考になります。まず、実家住まいの20代が親に毎月渡しているお金の平均額を見てみましょう。
保険マンモス株式会社(東京都港区)が行った「実家暮らしの方へのアンケート」(調査日:2022年3月14~15日、調査人数:500人)によると、実家で暮らしている社会人のうち家にお金を入れている人は全体の26%、そのうち20~30歳は36%でした。
平均金額は、全体で月4万257円、20~30歳は3万3623円となっていることから、実家に入れるお金は3万円台が一つの目安といえるでしょう。
また、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、20~24歳の平均年収は267万円、25~29歳は394万円となっています。これを月の手取り額に換算すると、手取り額は年収の約8割とされるため、約18〜26万円となります。
実家に入れる金額の目安は2割程度といわれていますが、国税庁の調査データを踏まえた収入額の場合は月4万円程度となります。
お金だけではない! 実家暮らしで考えるべき家族への負担
実家で生活するということは、日々の食事や入浴、電気・ガス・水道の使用など、生活のあらゆる部分を家族と共有しているということです。そして、それぞれには目には見えにくい負担がかかっています。
例えば、毎日ご飯が出てくることを当たり前に感じていても、そこには食材の購入費だけでなく、献立を考え、調理し、後片付けをする手間まで含まれています。水道光熱費にしても、自分が長時間部屋の電気やエアコンを使ったり、お風呂を長めに使ったりすれば、それだけ家庭の支出は増えていきます。
こうした日々の積み重ねは、現金として見えるものではない分、かえって親にとっては負担として意識されやすいのかもしれません。
だからこそ、お金をいくら入れるべきかを考えるときには、金額だけでなく、自分がどれだけ生活に関わっているか、どれだけ家庭の負担を増やしているかという視点も大切にしたいところです。
「もっとお金を入れてほしい……」親がそう言う理由とは?
では、毎月3万円を入れているのに、なぜ親は「もっと」と言うのでしょうか? ここでは、考えられるいくつかの理由をあげてみます。
1. 物価の上昇で家計が苦しい
最近は、食品や光熱費の値上げが続いています。家計全体の負担が増え、3万円では補えなくなっている可能性があります。
2. 貯金をしてあげたい意図がある
親によっては、もらったお金をそのまま貯金しておき、将来あなたが独立する際の資金にしようと考えている場合もあります。
3. 金額より責任感を求めている
自立した社会人として、ある程度の家計負担をするのが当然だという考え方を持っている親も多いです。金額というより、家族の一員としての姿勢を見ているケースもあるのです。
話し合いが必要なときに意識すべきポイント
親との間に金銭的なギャップがあるときは、冷静な話し合いが大切です。以下のような視点でコミュニケーションをとると、お互いの理解が深まります。
1. 自分の収支を正直に伝える
家計にゆとりがあるわけではない、貯金を頑張っている、など素直に状況を伝えることで理解を得やすくなります。
2. どの費用にいくらかかっているかを一緒に確認する
具体的な金額の根拠を持つことで、感情論ではなく現実的な話し合いができます。
3. 金額以外の貢献も検討する
家事の手伝い、買い出し代行、弟妹の送迎など、「お金以外で家庭に貢献する方法」もあります。
4. 収入が増えたら段階的に見直すと伝える
昇給後やボーナス時に見直すと約束することで、柔軟な対応ができます。
無理なく、でも誠実に。納得のいく金額を決めよう
実家に入れるお金に正解はありませんが、自分の生活にかかっているコストや家計の状況を踏まえたうえで、お互いが納得できる金額を決めることが大切です。
月3万円は相場として決して少ない額ではありませんが、親の家計状況や価値観によっては、それでも負担と感じている場合もあります。大切なのは、数字だけではなく、家族の一員として誠実に向き合う姿勢です。
まずは落ち着いて話し合い、自分の生活設計や家族との関係を考えながら、無理のない形で貢献できる方法を見つけていきましょう。
出典
保険マンモス株式会社 実家暮らしの方へのアンケート(PR-TIMES)
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー