友人の職場では福利厚生として「食事補助」があるそうです。会社から食事の補助がでるとはどういうことでしょうか?
配信日: 2025.05.16

本記事では、食事補助の具体的な内容や仕組み、税制面での扱い、利用方法、そして家計への影響までを解説します。

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目次
食事補助とは? 企業が従業員の「食事代」を一部負担する制度
食事補助とは、企業が社員に対して昼食や夕食などの食費の一部、または全額を負担してくれる制度のことです。福利厚生の一環として提供されており、社員の経済的な負担軽減や職場での健康的な食生活を支える目的があります。
食事補助の形は企業によってさまざまですが、主に以下のような形式があります。
・社員食堂の提供(割引価格や無料)
・提携の飲食店で使えるチケットやクーポンの支給
・食事代の一部を現金または電子マネーで補助
・宅配弁当サービスの補助や社割価格での提供
特に近年ではテレワークの普及に伴い、オフィスにいない社員にも利用しやすいよう、デジタルクーポンや宅配弁当の補助を導入する企業が増えています。
なぜ企業は食事を補助するの? その背景と狙い
企業が食事補助を導入する理由には、いくつかの狙いがあります。
まずは、従業員満足度の向上です。食費という毎日の出費が抑えられることで、「会社が社員の生活を大切にしている」と感じる人は少なくありません。満足度が高まれば、定着率も上がり、離職防止にもつながります。
次に、健康支援の一環としての目的もあります。例えば、バランスのよい社食を提供することで、栄養の偏りを防ぎ、生活習慣病などのリスクを減らす効果が期待されています。
また、業務効率の向上という効果も見逃せません。職場内で食事を済ませられれば、昼休みに遠くまで出掛ける必要がなくなり、時間の有効活用ができます。
実際の補助金額や制度内容は? 平均的な事例を紹介
実際にどのくらいの金額が補助されるのかは企業によって異なりますが、以下はよくある事例です。
・社員食堂で1食500円の定食を、実質200円で利用できる(差額300円は会社負担)
・月額5000円まで、提携飲食店のランチで利用可能な電子クーポンを配布
・宅配弁当1食あたり300円分を会社が補助
月額換算すれば、会社が1人あたり5000〜1万円の支出をしているケースもあります。これが12ヶ月、さらに社員が100人規模の企業であれば年間数百万円の投資になることもあるため、導入企業側としても投資対効果を重視している傾向にあります。
食事補助は課税対象? 税制上の扱いにも注意
食事補助は原則として、「給与」とみなされる可能性があります。つまり、会社が社員に現金で補助を出した場合、それは所得とみなされ、課税対象になるのです。
ただし、以下の条件を満たせば非課税扱いとなります。
(1)社員が実際に負担している金額が、食事代の半額以上であること
(2)会社の補助が月額3500円以内(消費税抜き)であること
このように、補助として支給する場合は非課税になる可能性が高いです。ただし、会社の全額負担や現金支給の場合は課税対象になることもあります。自分が利用している食事補助が非課税となるかどうか、制度の内容を確認しておくと安心でしょう。
家計に与える効果は大きく、見えない節約にもなる
食事補助は、従業員本人だけでなく、その家族にとってもメリットがあります。
例えば、夫が平日の昼食代を毎日600円自己負担していたとします。月20営業日であれば、月1万2000円で年間14万円の出費です。これが会社の補助で月5000円軽減されると、年間で6万円以上の節約になります。
食費は、日々のなかでも無意識に増えてしまいやすい支出です。それが自動的に削減されるとなれば、家計全体にとっても非常にありがたい福利厚生といえるでしょう。
食事補助は社員にとって多くのメリットがある制度
食事補助は、単に食事代が浮くだけでなく、働きやすさ、健康、時間効率などさまざまな面でメリットがある制度です。最近では、社員食堂がない企業でも導入しやすいように、外食クーポンや宅配弁当補助など柔軟な制度が増えています。
会社によっては福利厚生として当たり前になっている一方、導入されていない職場もまだ多くあります。食事補助があると日常的な支出が軽減され、健康的な生活も支えられるようになります。転職を検討している人は、福利厚生の質を企業選びの重要なポイントの一つとして考えてもよいでしょう。
出典
国税庁 No.2594 食事を支給したとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー