「スキマバイト」をしている大学生の娘。「日雇い派遣」とは何が違うのでしょうか？怪しく聞こえますが、リスクなどはないですか？

学生やフリーターの中には「スキマバイト」と呼ばれる働き方を利用している人も少なくないでしょう。
 
「スキマバイト」は、名前の通り空いた隙間時間を利用して労働する働き方です。スキマバイトのサービスを提供している会社は数多くあり、興味を持っている人も多いかもしれません。
 
スキマバイトに似たものに「日雇い派遣」がありますが、両者は異なるものです。
 
本記事では両者の違いについて触れ、スキマバイトのメリットやリスクについて解説します。

スキマバイトの概要

スキマバイトは手軽に始められるアルバイトであるため、現在多くのユーザーを獲得しています。まずスキマバイトの基本的な知識と「日雇い派遣」との違いについて見ていきましょう。
 

スキマバイトの特徴

スキマバイトは一般的なアルバイトとは異なり、中長期間での労働を意図していません。一般的なアルバイトでは、数ヶ月ないしは数年にわたって同じ職場で働くことは珍しくありませんが、スキマバイトは半日ないしは数日ほどしか働かない場合も多々あります。
 
スキマバイトは、単発バイトとほぼ似たようなものといえるかもしれません。ただし、スキマバイトは単発バイトの中でも特に就業時間・期間が短いものを指しているといえるでしょう。
 

「日雇い派遣」との違い

日雇い派遣とは「日々または30日以内の期間を定めて労働者を雇用し、該当先企業へ派遣する雇用方法」です。
 
スキマバイトとの相違点は「雇用関係」です。日雇い派遣は名称通り「派遣型の雇用」です。派遣元会社が労働者との間に雇用契約を結び、派遣先会社と労働者の間には雇用関係はありません。
 
一方スキマバイトは派遣元企業を介さず、多くの場合、労働者と労働者が実際に働く企業との間に雇用関係が発生します。
 
2025年時点では、日雇い派遣は一部の例外を除いて禁止されています。その理由として、日雇い派遣は労働者の待遇が不安定になりやすく、昇給やボーナスの期待もできないため、雇用も安定しないことが挙げられるようです。
 
厚生労働省によると、例外として認められるのは、一部の業務や労働者の属性に該当するケースです。
 

例外となる業務

●ソフトウェア開発
●財務処理
●秘書　など

 

例外となる労働者の属性

●60歳以上の労働者
●雇用保険の適用外となる学生
●本業で500万円以上の収入があり副業として従事する人
●世帯収入が500万円以上あり「主たる生計者以外の労働者」

これらの例外に当てはまらない場合、日雇い派遣として働けません。
 

スキマバイトのメリットとリスク

スキマバイトには、メリットもあればリスクもあります。両方をてんびんにかけて、利用価値があるかどうか思慮するとよいでしょう。
 
メリットには以下のような点が挙げられます。
 

メリット

●空き時間を利用してフレキシブルに始められる
●面接や登録などをすることなく働ける場合が多い
●単発であるため人間関係に悩みにくい

「収入が欲しいけどまとまった時間を取り分けにくい」という方や「気軽にマイペースに仕事をしたい」という方にとって働きやすい方法といえます。
 
一方、リスクとしては以下のような点が挙げられるかもしれません。
 

リスク

●収入の安定性はない
●いつも希望通りの働き方ができるとは限らない

仮にスキマバイトを中心に生計を立てたいと思っている人の場合、スキマバイトだけではまとまった時間で働けず、月によって収入にばらつきが生まれる可能性があります。
 
また自分の隙間時間に希望する仕事があるとも限りません。
 

スキマバイトと日雇い派遣は雇用関係が異なる

スキマバイトは一般的に労働者が企業と直接労働契約を結ぶのに対し、日雇い派遣は労働者と派遣元会社が雇用関係を結ぶのであって、実際に働く企業との雇用関係はありません。
 
スキマバイトは空いている時間を活用して単発的に働けることが魅力です。リスクはゼロではありませんが、副業や学生のアルバイトなどに活用すると、フレキシブルな働き方ができるかもしれません。
 

出典

厚生労働省 日雇派遣の原則禁止について（1ページ）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー