社会人1年目です。「健康診断の費用は自己負担」と会社からいわれたのですが、“会社負担”とどちらが「一般的」なのでしょうか?

配信日: 2025.05.15

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社会人1年目です。「健康診断の費用は自己負担」と会社からいわれたのですが、“会社負担”とどちらが「一般的」なのでしょうか?
健康診断は、病気の早期発見や自身の健康状態を把握し生活習慣を見直すよい機会です。特に企業で働く方は、毎年勤務先や指定医療機関で受けているという人も多いでしょう。しかし、中には「健康診断の費用は自己負担です」と会社から案内され、戸惑う方もいるかもしれません。
 
そこで今回は、健康診断の費用負担について、会社と個人のどちらが負担することが一般的なのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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健康診断の費用はどちらが負担するもの?

病気の早期発見や従業員の健康を守ることを目的とした健康診断は、労働安全衛生法第66条により事業者に実施することを義務づけています。また、厚生労働省によると、費用についても事業者が負担するものとされています。
 
企業が行うべき健康診断には、健康促進を目的とした一般健康診断のほかに、有害業務に従事する人向けの特殊健康診断があります。
 
なお、定期健康診断は通常年1回ですが、特殊健康診断は年2回の実施が原則となっているようです。
 
また、パートタイム労働者についても契約形態や週所定労働時間などの条件を満たす場合には、健康診断実施の義務に変わりはありません。
 
健康診断を受けている間の賃金ついては、一般健康診断では労使間の協議によって定めることが望ましいとされているのに対して、特殊健康診断は業務遂行するにあたり必須であるとの考えから、事業者に賃金の支払いを義務付けているようです。
 

会社負担とならないケース

健康診断の費用は原則会社負担とされているようですが、一部自己負担となるケースがあるため詳しく見ていきましょう。
 
厚生労働省によると、そもそも定期健康診断では、次の項目の実施が必要とされています。

・既往歴および業務歴の調査
 
・自覚症状および他覚症状の有無の検査
 
・身長、体重、腹囲、視力、聴力の調査
 
・胸部エックス線検査
 
・血圧測定
 
・血液検査
 
・尿検査
 
・心電図検査

上記ケースに該当しない場合や、健康診断結果に基づいて行われる再検査、胃カメラや婦人科検診などのオプション検査、人間ドック費用については自己負担となることがあるようです。ただし、人間ドックについては健康保険組合や自治体から補助金が出る場合もあるため、自己負担額を減らせる可能性があります。
 

自己負担となった場合の費用相場

自己負担となった場合の健康診断の費用相場をご紹介します。
 
健康診断費用は、受ける内容や地域、医療機関によって異なる可能性があります。以下は一般的な費用の相場ですので、参考にしてください。
 
【基本的な定期健康診断】
 
一般的な健康診断の費用は、5000円〜1万円程度が相場のようです。基本的な項目(身長、体重、血圧、尿検査、血液検査など)から、オプションで検査項目が増えるごとに金額は大きくなる傾向があります。
 
【オプション検査】
 
がん検診やエコー検査などを追加する場合、費用は追加で1000円〜1万5000円程度と考えられます。がん検診は各種類(胃がん、大腸がん、乳がんなど)によって異なり、それぞれの検査に応じた費用が必要となる可能性があります。
 
【人間ドック】
 
より詳細な検査を希望する場合、人間ドックを選択することがあります。人間ドックの費用は3万円〜10万円程度が相場とされているようです。検査内容に応じて、日帰りや1泊2日などを選択できる病院もあります。
 

健康診断の費用は原則会社負担

厚生労働省によると、勤務先で受診する健康診断の費用は、原則事業者が負担するものとされています。しかし、健康診断の結果に基づいて行われた再検査や、オプション検査、人間ドックにかかる費用などは自己負担となるケースもあるようです。
 
そのため、一般健康診断の費用を自己負担するように会社からいわれた場合は、費用は原則会社負担であることを伝えましょう。それでも費用を負担してもらえない場合は、労働組合や労働監督署、あるいは弁護士などしかるべき機関に相談することをおすすめします。
 

出典

厚生労働省 健康診断の費用は労働者と使用者のどちらが負担するものなのでしょうか?
厚生労働省 労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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