結婚すると「生活費」はどのくらいに膨らみますか? 今、お互いに一人暮らしで生活費は月15万円程度です。
配信日: 2025.05.15

本記事では、結婚後の生活費がどれくらいになるのか、一人暮らしと比較した内訳の違い、そして生活費を抑えるための工夫までを解説します。

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結婚後の生活費はどれくらい増える?
結婚後に二人で暮らし始めると、生活費は一人暮らしのときと比べて増える傾向があります。
総務省の「家計調査年報(家計収支編) 2023年」によると、一人暮らしの月平均支出は16万7620円、二人以上の世帯では29万3997円とされています。
二人暮らしの生活費は家賃や生活スタイルにもよりますが、同調査によると40歳未満の二人以上の消費支出は27万2468円となっています。ただし、この調査の二人以上の世帯には子どもがいる家庭も含まれるため、夫婦二人だけの場合はもう少し抑えられるケースもあります。
参考までに、株式会社LIFULL(東京都千代田区)が運営する不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」によると、20~30代の二人暮らしで手取り収入が各20万円で計40万円と想定した場合、生活費は28万5000円と試算しています。
したがって、現在一人あたり月15万円で生活している場合、単純に合算して30万円になるとはかぎらず、月ごとに支出が変動する可能性があるため、生活費にはある程度のゆとりを持たせておくことが望ましいでしょう。支出は、工夫次第で抑えることが十分可能です。
一人暮らしと二人暮らしの生活費の内訳比較
一人暮らしと二人暮らしでは、生活費の総額だけでなく、支出の内訳にも違いがあります。ここでは、どの項目で支出が増えるか、または共有によって節約できるかについて解説します。
●食費
二人分の食材を購入することで量の効率化が図れるため、自炊を中心にすれば一人暮らしのときよりも一人あたりの食費が抑えられることがあります。ただし、外食の頻度によっては費用が増えるケースもあります。
●住居費
広さや間取りを見直して、二人で住むことで家賃そのものは上がる可能性がありますが、負担を分け合うことで一人あたりの家賃負担は軽くなる傾向にあります。
●光熱費・通信費
光熱費やネット料金などは、一人分ずつ契約していたものを統合できるため、固定費の効率化が可能です。使用量が増えても、二人での共有によりコストを抑えることができます。
●通信費・日用品
インターネット代やWi-Fi契約も一つにまとめられるため、こちらも分担することで節約が可能です。また、洗剤やトイレットペーパーなどの消耗品も二人で使うので、単価あたりの負担は軽減します。
このように、全体の生活費は増加するものの、一部の固定費は共有できるため、賢く暮らせば節約の余地も大きくなります。
生活費を抑えるための工夫とポイント
結婚後は生活費が増えがちですが、工夫次第で出費を抑えることも可能です。ここでは、無理なく節約できる具体的な方法や、家計を上手に管理するためのポイントをご紹介します。
結婚後の家計を上手に管理するためには、次のような工夫が役立ちます。
1.家賃を見直す
生活費のなかで大きなウェイトを占めるのが、住居費です。駅近や築年数などにこだわると家賃が高くなりがちですが、多少の妥協で大幅な節約につながることもあります。例えば、駅からの距離が5分以内と10分程度では、同じ条件の物件でも家賃に10~15%程度安くなることが多いです。
2.自炊の習慣を持つ
外食を頻繁にすると、食費がすぐに膨らみます。自炊を中心にすることで、健康面にも経済的にもよい効果が期待できます。夫婦で料理を分担したり、週末に作り置きをしたりするのもおすすめです。
3.固定費を一括管理する
通信費や保険料などの固定費を夫婦で見直し、不要なサービスを解約したり、安いプランに変更したりすることで数千〜1万円の削減も可能です。
4.共通の口座や家計アプリを使う
収支の「見える化」は、家計管理の第一歩です。共通の銀行口座を作ったり、家計簿アプリを使用したりすることで、お金の流れを把握しやすくなります。お互いの収入や支出をオープンにして、無駄遣いを防ぎましょう。
結婚後の生活費を見据えた家計管理を
現在一人暮らしで月15万円の生活費で暮らしている二人が結婚して同居を始めた場合、生活費は家賃や光熱費などの固定費を共有できるため、一人あたりに換算すると一人暮らしのときよりも負担が軽くなるケースが多いです。
ただし、生活スタイルや価値観の違いによって支出は大きく変わるため、事前に「どう暮らすか」「どのように費用を分担するか」などをよく話し合っておくことが大切です。
結婚生活は経済的なチーム戦。無理なく快適に暮らしていくためにも、二人で協力して家計を見直し、理想の暮らしに向けて準備を整えていきましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
株式会社LIFULL LIFULL HOME’S 住まいのお役立ち情報 二人暮らしの平均生活費はいくら? 家計のやりくりが上手になる節約術を紹介
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー