「年収120万円」でパート中!「128万円の壁」が話題だけど、もっと稼いでも「社会保険」に加入しなくてよくなるの? 加入に関するポイントとは?

配信日: 2025.05.13

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「年収120万円」でパート中!「128万円の壁」が話題だけど、もっと稼いでも「社会保険」に加入しなくてよくなるの? 加入に関するポイントとは?
パートやアルバイトなどで「年収の壁」を意識しながら働いている人は多いのではないでしょうか。最近は「128万円の壁」という言葉も耳にします。
 
「これって、今まで聞いていた103万円や130万円の壁とどう違うの?」「もし128万円まで働いても扶養のままでいられる?」「社会保険の加入条件は引き上げられる?」など、疑問は尽きないですよね。
 
そこで「年収の壁」といわれる主な金額を整理しながら、社会保険の加入に関するポイントをお伝えします。

「年収の壁」とは

年収の壁とは、主に税金や社会保険の仕組み上、負担が増えるラインのことです。
 

・103万円の壁: 年収103万円以下なら所得税がかからず、配偶者控除を満額受けられますが、超えると自分の所得税が発生し、控除額も減少します
 
・130万円の壁: 年収130万円以上になると、配偶者の健康保険・厚生年金の扶養を外れ、自分で保険料を負担する必要があります

 

「128万円の壁」が話題になっている背景

最近政府による税制改正の議論で「103万円の壁」が引き上げられる可能性が話題になっており、「130万円の壁」手前の「128万円」にも注目が集まっています。もし配偶者控除の上限が変われば、扶養内で働く範囲が広がるのでは、という期待があるのです。
 

「103万円の壁」が上がるなら、ほかの壁も引き上げられるのか

「103万円」や「130万円」など、年収の壁となる金額はいろいろありますが、それぞれ根拠となる制度が異なるため、必ずしも同時に見直しが進むわけではありません。例えば、税制が改正されて「103万円から105万円」に変わっても、健康保険や厚生年金の被扶養認定基準である「130万円」が自動的に上がるわけではないのです。
 
さらに、「被保険者総数が常時51人以上」の企業で週20時間以上働く人は、年収106万円以上で社会保険に加入する場合があります。「106万円の基準」なども存在しているため、「103万円」と「130万円」だけを見ていればよいというわけでもありません。
 

「128万円の壁」の影響

「128万円の壁」という言葉だけを聞くと、「扶養範囲が広がるのかな?」と期待するかもしれません。例えば、「130万円未満であれば配偶者の社会保険に入れるなら、128万円まで働いても大丈夫なのでは」と思う人もいるでしょう。
 
しかし、税制面で新たな基準として「128万円」が設定されたとしても、130万円、106万円などの社会保険の加入要件が同時に変わるわけではないのが実情です。あくまで「配偶者控除・配偶者特別控除」の範囲が拡大されるかもしれないという話で、被扶養者認定とは切り離して考える必要があります。
 
年収が増えれば、社会保険の加入義務はむしろ生じやすくなります。130万円を超えて働けば保険料が発生しなくなるという仕組みはありません。ただし、保険料を払う分、厚生年金の将来受給額や保障が手厚くなるメリットもあります。壁を気にして収入を抑えすぎるより、長期的に見た収入やキャリアプランを考えることが大切です。
 

まとめ

「128万円の壁」が報じられ、扶養ラインが変わるかもしれないという期待はありますが、2025年4月時点では税制上の壁がすぐに社会保険にも反映する見込みはありません。
 
もし扶養から外れても、社会保険に加入すれば老後の年金が増えたり、健康保険の保障が充実したり、メリットも多いです。配偶者の扶養に入り続けるかどうかは、家計や働き方などを踏まえ、総合的に判断しましょう。
 

出典

国税庁 No.1191 配偶者控除
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさま
 
執筆者:西村りえ
2級ファイナンシャルプランナー、AFP

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