入社から1ヶ月、新卒の娘から「ノルマが厳しくて、今の会社でやっていける気がしない」と連絡が! 入社1ヶ月で辞めると“失業手当”も出ませんし、デメリットも多いですよね…?
配信日: 2025.05.11

しかし、親の立場からすると、早々と会社を辞めても大丈夫か心配になるのではないでしょうか。本記事では、新卒の離職状況をはじめ、早期退職によってどのような影響が出るかについて解説します。興味を持った人は参考にしてください。

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新卒の離職状況について
そもそも、早々と会社を辞めてしまう新卒は、全体のうちどの程度の割合なのでしょうか。2024年に厚生労働省が公開したデータによると、就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者で38.4%、新規大卒就職者34.9%でした。
つまり、学歴に関係なく、約3割は3年以内に会社を辞めてしまうのです。この割合が高いと感じるかは人によって異なるでしょうが、少なくとも低いとはいえないのではないでしょうか。
なお、3年以内の離職率が高かった産業は、「宿泊、飲食サービス」、「生活サービス、娯楽」、「教育」、「医療、福祉」、「小売」などでした。
早期退職をしたほうがよい場合
親が子どもの早期退職に対して、不安を感じるのはごく自然なことです。しかし、場合によっては早く会社を辞めたほうがよいこともあります。以下では、早期退職をしたほうがよい場合と、その理由について解説します。
職場環境に問題がある
以下のように、職場環境に明らかな問題がある場合は、早い段階で退職したほうがよいです。
・人間関係が悪い
・残業が多い
・待遇に問題がある
・社風が合わない
もちろん、社会人である以上、職場環境に不満があっても多少は耐える必要があるでしょう。しかし、許容範囲を超えるほど大きな問題を抱えている職場環境の場合、無理して勤務を続けると心身の不調につながる可能性があります。
得られるスキルや知識が少ない
得られるスキルや知識が少ない場合も、早期退職を検討したほうがよいかもしれません。新しいこと、ものを学ぶ機会がない職場では、自身の成長が阻害されるだけでなく、仕事に対するモチベーションも失われます。
早めに退職、そして転職することで、子ども自身の将来の可能性を広げられます。
早期退職をする問題点
早期退職をしたほうがよいケースがある一方で、早期退職にはさまざまな問題点も存在します。以下では、主な問題点とその解決策について解説します。
次の職場探しが難航する可能性がある
早期退職する場合、次の職場探しが難航する可能性を考慮しておきましょう。
多くの企業は採用活動をする際、自社で長く働いてくれる人材を探しています。そのため、早期退職すると「この人は自分の会社に入ってもすぐに辞めてしまうかもしれない」と思われてしまい、採用を見送られる可能性が高くなります。
早期退職後の仕事探しに不安がある場合は、転職エージェントを利用するのがおすすめです。早期退職について質問されたときの適切な回答を一緒に考えてくれるのはもちろん、転職活動に対してさまざまなアドバイスを提供してくれます。
なお、転職エージェントごとに相性が存在するため、事前に無料カウンセリングを受けて自分に合っているかのチェックをおすすめします。
基本手当がもらえない
早期退職してしまうと、基本手当(失業手当)がもらえなくなります。基本手当とは、求職者の失業中の生活の安定を図りつつ、求職活動を容易にすることを目的に支給される手当のことです。
基本手当は、過去6ヶ月の給料を180日で割った賃金日額、そして離職したときの年齢や雇用保険の被保険者期間、退職状況などに応じて、支給総額が決まります。例えば、自己都合で退職し、かつ会社在籍時代の手取りが20万円の場合、1ヶ月あたりの支給金額は15~16万円です。
しかし、基本手当は雇用保険の加入期間が1年以上なければ受け取れません。そのため、基本手当を受給したい場合は、退職のタイミングに注意が必要です。
なお、退職を機にリスキリングもしたいなら、職業訓練校に通うのもおすすめです。職業訓練校に通えば、月額10万円を上限に職業訓練受講給付金が支給されます。もちろん、基本手当と同じく支給条件が設けられているため、申請する前に条件を満たしているかしっかりチェックしておきましょう。
子どもが早期退職してもあまり悲観する必要はない
早期退職をする子どもに対して、不安な気持ちを抱く親は決して珍しくありません。しかし、労働環境に明らかな問題がある場合は、早めに見切りをつけたほうがよいのも事実です。
子どもが早期退職をした場合は、利用できる制度の存在を伝えつつ、本人が次の仕事を見つけられるように、さりげなくサポートできるようにしましょう。
出典
厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します
厚生労働省 基本手当について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー