もうすぐ30歳の独り身ですが貯金「500万円」です。「月10万円」で定期預金を組んでいるのですが、このペースなら「老後までに2000万円」は余裕ですよね?
配信日: 2025.05.09

そこで今回は、20代と30代の単身世帯における貯蓄額の平均を見ながら、30代以降の資産形成で気を付けるべきポイントについて解説します。

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
目次
20代・30代の単身世帯はどれくらいお金を貯めているのか?
金融広報中央委員会「知るぽると」の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、単身世帯における20代と30代の金融資産保有額は表1の通りです。
表1
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
20代 | 121万円 | 9万円 |
30代 | 30代 | 100万円 |
出典:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成
20代の平均値は121万円ですが、中央値の9万円と大きく差があります。これは、高額な貯金をしている一部の人が平均を引き上げている一方で、20代ではまだそれほど貯蓄額が多くないことがうかがえます。
30代になると平均値・中央値ともに大きく増加しますが、より実態に近いと考えられる中央値は100万円です。今回のケースのように、30歳目前にして貯金が500万円ある場合は、20代や30代のなかでも貯蓄額が多い方であると考えられます。
毎月10万円の定期預金で老後2000万円問題をクリアできるのか?
30歳以降も毎月10万円の定期預金を続けた場合、60歳までの30年間で3600万円貯まる計算です。一方で30代は、結婚・子どもの誕生・マイホーム購入などさまざまなライフイベントが控えている時期でもあります。
こうしたイベントにかかる費用が多くなったり、家族構成が変わったりすると、毎月10万円を継続して貯め続けることが難しくなる可能性もあるでしょう。
また、教育資金や生活費の増加により、これまで貯めてきた貯金を取り崩さざるを得ない場面も出てくるかもしれません。特に、子どもの大学進学にかかる費用は数百万円単位となる可能性もあります。
そのため、30代以降は毎月10万円の貯金をずっと続けられるという前提で老後資金の見通しを立てるのではなく、ライフプランを考慮した資金計画を立てることが大切です。老後に向けた資産形成を着実に進めるためには、変化していくライフプランに応じて柔軟に貯蓄方法や毎月の貯蓄額を見直すとよいでしょう。
30代で老後に向けて貯蓄する場合のポイント
30代以降も無理なく老後資金を貯めていくためには、次のようなポイントを意識してみましょう。
・毎月の収支を把握する
・先取り貯蓄を続ける
・NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する
最も大切なのは、今の生活とのバランスを意識しながら無理のない金額で貯蓄を続けることです。現在行っている定期預金のような先取り貯蓄の習慣もぜひ続けましょう。
また、貯めるだけでなく、お金を育てる視点も大切です。例えば、NISAやiDeCoなど、税制の優遇を受けながら投資ができる制度を上手に活用すれば、将来に向けて効率よく資産形成ができるでしょう。
ライフイベントを考慮しつつ貯めることが大切
30歳目前で500万円の貯金がある場合は、20代・30代どちらにおいても貯蓄額は多い方でしょう。さらに毎月10万円の積み立てを60歳まで続けていけば、老後資金として2000万円を超える貯蓄も現実的です。
ただし、30代以降は結婚・子どもの誕生・住宅購入などのライフイベントが増える時期でもあり、計画通りに貯金を継続できないケースも考えられます。そのため、老後資金の準備は無理のない金額で続けていくことが大切です。
家族構成やライフプランの変化に応じて、定期的に家計を見直しながら柔軟に資産形成を進めていきましょう。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降) 各種分類別データ(令和5年) 統計表の番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー