値上がり続きで困っています…。食費や光熱費などの毎月の「出費の目安」はありませんか?

配信日: 2025.05.07

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値上がり続きで困っています…。食費や光熱費などの毎月の「出費の目安」はありませんか?
物価の上昇が続くなか、「毎月の生活費がなんとなく増えてきた」「何にいくら使えば適正なのか分からない」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

特に食費や光熱費などの生活に欠かせない出費は、無理に削るのも難しく、どこから手をつけるべきか悩みがちです。そこで参考にしたいのが、「一般的な家庭の支出額」や「自分に合った出費の目安」です。
 
本記事では、全国平均データや家族構成別の支出の目安、節約の考え方までをご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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生活にかかるお金の平均月額は?

まずは、総務省「家計調査(家計収支編) 二人以上の世帯 2024年」によると、1ヶ月の平均支出は30万243円です。
 
一方、一人暮らしの場合はこれらの金額よりも少なめになり、「家計調査(家計収支編) 単身世帯2024年」によると、16万9547円となっています。特に物価が上がるなかでも、「このくらいまでなら健康や快適さを損なわずに暮らせる」という“無理のない目安”として、これらの数字は参考になるでしょう。
 

家族構成・ライフスタイル別の「出費の目安」をチェック

支出額は、世帯人数によって変わります。図表1は、「家計調査(家計収支編) 2024年」による、世帯人員別で1世帯当たりにかかる1ヶ月間の消費支出額と食費、光熱・水道費、通信費の支出額です。
 
図表1

食費 光熱・水道費 通信費 消費支出
1人 4万3941円 1万2816円 6379円 16万9547円
2人 7万6010円 2万305円 1万1219円 29万9117円
3人 8万5616円 2万3119円 1万3733円 31万8904円
4人 9万6023円 2万3520円 1万3606円 34万5089円
5人 10万4580円 2万5874円 1万4551円 36万1240円
6人以上 11万3808円 2万9667円 1万7332円 35万7912円
平均 8万7954円 2万2756円 1万3077円 32万5137円

出典:総務省統計局 家計調査(家計収支編) 2024年 単身世帯、二人以上の世帯より筆者作成
 
図表1から、光熱・水道費と通信費は二人以上の世帯ではさほど差はありませんが、食費が世帯人数によって大きく変わることが分かります。支出を抑えたいと考えるのであれば、食材のまとめ買いや作り置きなど工夫をすることが必要です。
 
なお、光熱費や食費では値上がりが続いて負担が増える一方で、在宅勤務が増えたことにより、通勤費や外食費は抑えられる傾向にあります。ライフスタイルの違いによっても家計の構造は大きく変わるため、「自分の生活に照らしてどこが高すぎるのか」を知ることが、無理なく出費を抑える第一歩です。
 

固定費と変動費を分けて考えるのが節約の第一歩

上記で食費の節約について少し触れましたが、食費や買い物の見直しよりもまず「固定費」を見直すことをおすすめします。出費は、以下のように大きく2つに分けられます。

●固定費:家賃、保険料、通信費、サブスクなど毎月決まった額の支出
●変動費:食費、日用品、交際費など月ごとに変わる支出

特に通信費やサブスクの見直しは効果的で、例えば、格安スマホに変更すれば毎月3000円以上節約できることもあります。不要なサブスクを解約すれば、月に数百〜数千円の節約につながります。また、電気・ガスの契約プランを見直すことで、年間で1~2万円ほど節約できる場合もあります。
 
固定費は一度見直すと継続的な効果が得られるため、節約初心者にとっても取り組みやすいポイントです。
 
変動費については、「食費は月3万円以内」「日用品は月5000円以内」など予算を決めておくと、無駄遣いを防ぎやすくなります。買い物に行く回数を減らすだけでも、余計な出費を抑えることができます。
 

無理なく支出を抑えるためにできること

こうした支出の区分を意識することで、節約すべきポイントも明確になります。では、具体的にどんな方法で日々の出費を抑えていけるのでしょうか?
 
支出を見直すときは、まず「見える化」が大切です。すべてを細かく記録しなくても、家計簿アプリなどを使って、食費や固定費といった主要な項目だけをざっくり記録するだけでもどこにお金がかかっているかが分かりやすくなります。
 
次に、1ヶ月の予算を決めておくと、使いすぎを防ぎやすくなります。例えば、一人暮らしの人は食費を平均より少し低めの3万円を目標にするなど、無理のない範囲で設定しましょう。
 
買い物は週に1回のまとめ買いを心掛け、冷凍保存などを活用すると余計な買い物や食品のムダを減らせます。ただし、まとめ買いしすぎて食品を捨ててしまわないように注意しましょう。
 
さらに、光熱費の節約も見逃せません。使っていない電気のスイッチをこまめに切る、LED照明に替える、エアコンの温度を一度調整するといったことだけでも、年間で数千円の節約につながります。
 
このような小さな工夫の積み重ねをすることで、無理なく支出を抑えられます。
 

支出を見直すだけで、家計と心にゆとりが生まれる

物価が上がり続けるなかで、出費の目安を知り、自分の家計を見直すことはとても大切です。まずは平均的な支出額と、自分の生活スタイルとの違いを把握することから始めましょう。
 
特に固定費と変動費を意識して管理することで、無理なく支出を抑えることができます。大切なのは、「すべてを完璧に節約しよう」とするのではなく、自分に合ったペースで少しずつ改善していくことです。
 
今日からできる小さな工夫が、家計と心のゆとりを生み出す第一歩になります。焦らず、無理せず、自分の暮らしにフィットする支出バランスを見つけていきましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査(家計収支編) 二人以上の世帯 2024年 表番号1, 3-1
総務省統計局 家計調査(家計収支編) 単身世帯 2024年 表番号2
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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