「契約社員」として働いていますが、ボーナスも昇給もなし…。「正社員」との待遇格差はどれくらいあるのでしょうか?
配信日: 2025.05.04

そこで本記事では、契約社員と正社員の待遇の違いや、契約社員のメリット・デメリットについて解説します。

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契約社員とは
契約社員は、雇用期間に定めがある有期労働契約を結んだ労働者です。フルタイムの場合も非フルタイムの場合もあり、労働時間は契約内容で決まります。雇用期間は、数ヶ月単位から数年ごとで契約するケースが多いです。また、労働基準法第14条で雇用期間の上限は原則3年までと定められています。
ただし、「高度な専門的知識等を要する業務」と「満60歳以上の労働者」は最長5年となっています。
契約社員と正社員の違い
同じフルタイム社員の契約社員と正社員には、主に「雇用期間」「給料・賞与」「勤務地」で違いが生じます。以下で、一つひとつ解説します。
雇用期間
契約社員には、雇用期間が決まっている有期契約です。一方の正社員は無期雇用のため、特別な理由がないかぎり定年まで働くことが可能です。
また、契約社員は、契約期間が満了になると企業の判断で更新か契約終了が決まりますが、同じ企業で5年以上働いた場合は、労働者本人の申し出により無期労働契約への転換ができます。
契約更新を繰り返すことで結果的に長期間働くケースもありますが、無期雇用になっても正社員とはかぎりません。職務内容や待遇は、従来の契約内容が継続されるのが一般的です。
給料・賞与
基本的には、同一労働同一賃金の原則により、同じ業務や職務であれば契約社員も正社員と同じ給料です。
ただし、契約社員には時給制や年俸制の人もいます。また、正社員には賞与の支給がありますが、契約社員にはなかったり、あっても少額だったりすることが多いです。
勤務地
正社員は会社によって転勤があることがありますが、契約社員は基本的に勤務地の変更はありません。
ただし、就業規則に「転勤あり」と記載されていれば、契約社員であっても勤務地変更の可能性があります。勤務地の変更が気になる方は、求人条件や就業規則を確認しましょう。
福利厚生
福利厚生は、会社のルールによって異なります。
雇用形態に関係なく福利厚生を受けられる企業もありますが、正社員以外の労働者は、福利厚生の内容が限られることがあるため、就業規則を確認することが大切です。
契約社員と正社員のメリット・デメリット
契約社員と正社員は給与や雇用期間などに違いがあることが分かりました。ここからは、契約社員や正社員で働くメリット・デメリットについて解説します。
契約社員のメリット
契約社員のメリットは、主に以下のようなものがあります。
・特定の仕事に専念できる
・転勤などで生活環境が変わる可能性が低い
・勤務時間の調整がつきやすい
契約社員には異動や業務内容の変更がないため、特定の仕事のスキルや専門性を高められます。また、転勤がなく勤務時間の調整もつきやすいため、仕事とプライベートのバランスをとりやすいことも契約社員のメリットです。
契約社員のデメリット
契約社員の主なデメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
・雇用期間が決まっている
・昇進・昇格の可能性が少ない
・賞与がもらえないことが多い
契約社員は雇用期間が終了したあと、契約更新されるかどうかは分からないため、雇用や収入に不安がつきものとなります。また、昇進・昇格の機会が少ないため、仕事のモチベーションを保ちにくく、賞与をもらえない可能性もあります。
正社員のメリット
一方、正社員の主なメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
・仕事がなくなる不安がない
・社会的信用が高い
・昇給やキャリアアップの可能性がある
正社員は無期雇用のため、契約更新などの不安を感じることはないかもしれません。また、社会的信用度が高まるため、ローンやクレジットカード発行の手続きがスムーズです。さらに、正社員は長期的な育成対象とされるため、昇給やキャリアアップの機会を得やすいメリットがあります。
正社員のデメリット
正社員のデメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
・転勤の可能性がある
・プライベートの時間が限られることがある
・仕事のプレッシャーを受けやすい
正社員には会社や仕事内容によって転勤の可能性があるほか、残業や休日出勤が発生する可能性も高いため、ワークライフバランスをとりにくくなる傾向にあります。また、昇進・昇格した場合には、仕事のプレッシャーが大きくなり、気持ちの負荷が増えることがあるかもしれません。
契約社員で働くかは長い目で見て考えよう
正社員と契約社員では、雇用期間や給与・賞与などに待遇差が生まれやすいことが分かりました。一方で、契約社員は基本的に異動がなく、勤務時間も調整しやすいため、ワークライフバランスを保ちやすいというメリットがあります。
また、同じ企業で5年以上働き続けると無期雇用への転換も可能です。契約社員で働いていて金銭面で不安のある方は、長期的なキャリアや収入を考えてみましょう。
出典
デジタル庁 e-GOV 法令検索 労働基準法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー