「賃金」は増えているはずなのに「実質賃金」は減っている!? 物価高騰が続く中で、私たちができる対策はどんなことがありますか?

配信日: 2025.05.02

この記事は約 3 分で読めます。
「賃金」は増えているはずなのに「実質賃金」は減っている!? 物価高騰が続く中で、私たちができる対策はどんなことがありますか?
「給料は上がっているはずなのに、生活が苦しい」そんな感覚を抱いていませんか? 実はその違和感、データでも裏付けられています。物価高騰が続く今、私たちの暮らしに何が起きているのか。そして、どう乗り越えればよいのかを考えてみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

名目賃金は上昇しているのに、実質賃金は減少している現実

厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果確報」によると、令和7年2月の現金給与総額(名目賃金)は平均28万8697円で、前年比2.7%の増加となりました。一般労働者の現金給与総額は37万2706円(前年比3.6%増)、パートタイム労働者は10万7306円(前年比2.1%増)と、いずれも前年を上回っています。
 
しかし、物価の変動を考慮した実質賃金指数は80.5で、前年比1.5%の減少となっています。これは、名目上の賃金が増加していても、物価の上昇がそれを上回っているため、実質的な賃金が減少しているということです。
 
特に、エネルギー価格や食品価格の上昇が家計に大きな影響を与えており、実質的な生活水準が上がらないことが懸念されています。このような状況では、賃金の増加は生活の向上につながらないでしょう。
 

物価高騰の背景とその影響

物価高騰の背景には、エネルギー価格の上昇や円安、そして世界的な供給網の混乱など、複数の要因が絡み合っています。これらの要因が重なり、輸入品の価格が上昇し、それが国内の物価全体に波及している状態です。
 
あるレポートでは、実質消費支出が軟調に推移する中、物価と賃金の好循環が継続的に実現するかが不透明であると指摘されています。このような状況では、消費者の購買意欲が低下し、経済全体の停滞につながるかもしれません。
 
また、企業にとっても、原材料費やエネルギーコストの上昇が利益を圧迫し、価格転嫁を余儀なくされるケースが増えています。これがさらなる物価上昇を招き、消費者の負担を増加させるという悪循環に陥るリスクもあります。
 

家計を守るために私たちができること

物価高騰の中で家計を守るためには、日常生活の中での工夫が重要です。例えば福井県の公式サイトでは、下記のような取り組みが紹介されています。

●エコドライブの実践
●マイボトルの持参
●家庭での省エネ対策
●食品ロスの削減

燃費のよい運転を心がけることでガソリン代を節約できるほか、外出時にマイボトルで水やお茶などの飲み物を持参すれば、コンビニや自動販売機で割高な飲み物を買う必要がありません。また、電気やガスの使い方を見直し、省エネ家電を取り入れることで、光熱費を削減する方法も効果的です。
 
価格が高騰し続けている食品については、必要な分だけを購入・調理し、余った食材は冷凍保存や別の料理に活用することで、食品ロスの削減にもなります。
 
このほか、地元の食材を購入する「地産地消」を広げることで輸送コストを抑え、価格と供給量の安定につながることも指摘されています。
 

まとめ

名目賃金が上昇している一方で、物価の上昇も続いているため、私たちの暮らしは依然として厳しい状況です。こうした状況下では、節約や省エネ、食品ロスの削減など、日常生活の中でできる小さな工夫が家計を守る大きな力になります。
 
この機会に家計の無駄を見直し、自分たちにできる対策を実践して習慣化すれば、今後の生活改善にもつながります。マイナスをプラスに変える前向きな姿勢で、この困難を乗り越えていきましょう。
 

出典

厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果確報 第1表 月間現金給与額、第6表 実質賃金指数
福井県
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集