新居に「20年前の冷蔵庫」を持っていきたいけど、最新版と電気代が「2倍」も違うって本当ですか? 故障のリスクも考えると、新しく買ったほうがいいでしょうか?
配信日: 2025.05.01

しかし、移動させたことで冷蔵庫が故障するリスクや、電気代のことを考慮すると、新しい冷蔵庫を購入したほうがよいのか迷うかもしれません。では、20年前の冷蔵庫と最新型の冷蔵庫では、電気代にどれほどの差があるのでしょうか?
本記事では、20年前の冷蔵庫と最新型冷蔵庫の電気代を比較して検証し、さらにコスパを重視した冷蔵庫選びのコツを解説します。

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20年前の冷蔵庫と最新型冷蔵庫ではどれくらい電気代が変わる?
環境省が提供している「買い替えナビゲーション」を使って、実際に試算してみました。今回は、4人家族の目安とされる450リットル前後の容量の冷蔵庫を例に、2005年に購入した冷蔵庫(定格内容積451から500リットル)と、最新型の冷蔵庫(日立R-HS47V)を比較します。
試算の前提として、以下の条件を設定しました。
・設置条件 冷蔵庫と壁のすきま5センチメートル程度
・庫内設定温度 中
・詰め込み度合い 普通
その結果、最新型の冷蔵庫に買い替えることで、電気代は8000円程度に抑えられ、年間約1万~1万3000円の節約が可能となりそうです。
20年前の冷蔵庫を新居へ持っていくリスクとは?
新居でも現在使用している冷蔵庫を使い続けるためには、まずその冷蔵庫を移動させなければなりません。
しかし、引っ越し時に冷蔵庫が落下したり振動を受けたりすると、内部の精密機器にダメージを与えるリスクがあることは知っておくべきでしょう。冷蔵庫は振動や衝撃に敏感で、移動中の不注意や設置場所の変更により、冷却機能が損なわれる可能性があります。
また、メーカーによっては、設置後の輸送や移動による故障や損傷について無料保証の対象外になっているケースもあります。さらに、20年前に購入した冷蔵庫はすでに保証期間が終了している可能性が高く、万一故障した場合、修理費用が高額になることが避けられません。
特に、冷蔵庫にとって重要な部品であるコンプレッサーが故障した場合、その修理にかかる費用は10万~12万円ほどになることがあります。
冷蔵庫を運ぶリスクと、新しい冷蔵庫を購入する費用負担を理解した上で、慎重に判断することが大切です。
コスパの良い冷蔵庫の選び方
冷蔵庫を選ぶ際、コスパを重視するなら、まずは年間消費電力量を比較することが大切です。
年間消費電力量とは、冷蔵庫が1年間で消費する電力量の総量を表すもので、通常はkWh(キロワットアワー)という単位で表示されます。この数値が大きいほど、冷蔵庫は多くの電力を消費し、結果的に電気代が高くなります。
最新型の冷蔵庫は、年間消費電力量が少なく、電気代が安い傾向にあります。一方、古い冷蔵庫は消費電力量が多く、長期的にみた場合、買い替えたほうが得になることもあります。
冷蔵庫を選ぶ際は、電気代の差を年数で割って、どれくらいの期間で元が取れるかを調べると良いでしょう。
例えば、年間の電気代が1万3000円安くなるとした場合、18万円の冷蔵庫を購入すれば、14年ほどで購入費用を回収できます。仮に20年間使用した場合、電気代の差額だけで26万円の節約が可能となり、冷蔵庫の購入価格の元をとったうえで、その価格の40%以上にあたる費用を削減できます。
このように、長期的なコストを見積もることで、初期費用や電気代、修理費用を含めたトータルコストを考慮し、コスパの良い冷蔵庫を選ぶことができます。
まとめ
20年前の冷蔵庫と最新型の冷蔵庫を比較した場合、電気代が2倍以上違うことは十分にあり得ます。最新型の冷蔵庫は省エネ技術の進化により、年間消費電力量が少なくなっており、最新型に買い替えるほうが長期的に見ると電気代を大幅に節約できる可能性があります。
また、一般的に冷蔵庫の寿命は8~12年といわれており、20年経過した冷蔵庫はいつ故障してもおかしくありません。引っ越し時に冷蔵庫を輸送・移動した後で、不具合が発生する可能性も十分に考えられます。
総合的に見ると、電気代や故障リスクを避けるためには、最新型の冷蔵庫への買い替えを検討するほうが、長期的にコストパフォーマンスがよいといえそうです。
出典
環境省 デコ活 くらしの中のエコろがけ 省エネ製品買い替えナビゲーションしんきゅうさん
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー