節約のために「ご飯をまとめて冷凍」していますが「電気代が高くなる」と聞いて不安になりました。本当に冷凍保存で損しているのでしょうか?
配信日: 2025.05.01

本記事では、冷凍保存と電気代の関係をわかりやすく解説し、節約のために知っておきたいポイントをご紹介します。

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ご飯の冷凍保存は本当に電気代が高くなるの?
結論から言うと、ご飯を冷凍することで電気代が極端に高くなることはありません。たしかに冷凍庫は常に稼働しているため電力を消費します。容量や仕様などによって異なりますが、1ヶ月の電気代は一般的な家庭用冷凍庫で約400~1300円です。
ご飯だけを冷凍するために冷凍庫を新たに設置するのであれば別ですが、日常的に使用している冷凍庫であれば、ご飯の追加による電気代の増加はごくわずかです。
また、冷凍ご飯は、まとめて炊くことでガス代や炊飯の電気代を節約できるというメリットもあります。さらに、食べきれずに残ってしまったご飯を捨てずに保存できる点も、食費全体の節約につながるでしょう。
炊飯器の保温 vs 冷凍保存、どちらが節約になる?
よく比較されるのが「炊飯器の保温機能を使うか」「冷凍保存して電子レンジで温めるか」です。それぞれどれくらい電気代がかかるか比較してみましょう。なお、電気料金の目安単価は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が掲載している31円/kWhを使用します。
炊飯器で保温した場合
炊飯器の電気代は加熱方式や大きさによって異なりますが、経済産業省「省エネ性能電子カタログ版」によると、IH式炊飯器(3合以上5.5合未満)の場合、1時間保温すると平均14.1Whの電力を消費します。1日10時間、1ヶ月毎日続けると約4.23kWh、金額にすると約131円かかることになります。
冷凍保存して電子レンジで温めた場合
電子レンジの消費電力は機種により異なりますが、一般的に表示されているワット数の1.5~2倍で計算ができます。1回あたり500Wで2分加熱した場合、約0.8~1円となります。1日3食、1ヶ月毎日使用しても約72~90円になります。
この比較から、長時間保温する場合は、冷凍保存+電子レンジの組み合わせの方が、より電気代が安いといえるでしょう。また、冷凍保存することでご飯の品質も保たれやすいというメリットがあります。保温でパサパサになったご飯より、冷凍保存の方が「炊きたて感」をキープしやすい点も見逃せません。
ご飯を冷凍するときに意識したい節電のポイント
電気代を最小限に抑えるには、冷凍の仕方にもコツがあります。
まず大切なのが、「粗熱を取ってから冷凍する」こと。炊きたてのご飯をそのまま冷凍庫に入れてしまうと、庫内の温度が一時的に上がり、冷却のために余計な電力が必要になります。ご飯は15分ほど常温で冷ましてから冷凍するのがベストです。
次に、「できるだけ平らにして冷凍」すること。平らにすると冷気が均等に行き渡るため、素早く凍らせることができ、庫内の温度変化を最小限に抑えられます。また、冷凍庫の中は適度に整理し、詰め込みすぎないようにしましょう。冷気の流れが妨げられると、冷却効率が下がってしまいます。
冷凍保存は正しく使えば節約の味方になる
「ご飯を冷凍すると電気代が高くなる」という声がありますが、実際には正しい方法で保存すれば、冷凍保存は家計に優しい選択肢です。炊飯器で長時間保温するよりも、冷凍保存の方が効率的にご飯を保管でき、食費の節約にもつながります。
冷凍前に粗熱を取る、平らにして保存する、冷凍庫の中を整理する、これらのポイントを押さえれば、電気代のムダを減らしつつ、無理なく節約生活を続けることができます。不安に思っていた方も、ぜひ冷凍ご飯を味方につけてみてはいかがでしょうか。
出典
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ型製品情報サイト 省エネ性能カタログ電子版
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー