ガス料金が先月と今月で同じ「30立方メートル」の使用量なのに、今月は請求額が「150円」も高くなっています。何が違うのでしょうか？

ガスの使用量は前月と同じくらいなのに、なぜか料金が高くなっていて、疑問を感じたことはありませんか？ ガス料金の仕組みを知ることで、なぜガス代が変動するのかの疑問を解消できます。
 
本記事では、ガス料金がどのように決まるのかについて解説しています。また、ガス料金を節約する方法も紹介していきます。

ガス料金は為替レートや原油価格で変動する仕組み

一般的にガス料金の計算方法は、「基本料金＋従量料金」となっています。このうち従量料金は「（基準単位料金 ± 原料費調整額）× 使用量」で計算されます。
 
ガス料金には「原料費調整制度」という仕組みがあり、原油価格や為替レートの変動が料金に反映されます。原料費調整制度では、貿易統計にもとづく原料価格の3ヶ月平均を参考に、毎月料金が見直されます。
 
ただし、原油価格が急に大きく上がったときに料金が急激に変わり過ぎないよう、調整できる幅には一定の上限が設けられています。
 
また、プロパンガスの料金体系には「二部料金制」「三部料金制」「最低責任使用料金」の主に3つがありますが、いずれの場合も原則「基本料金＋従量料金」です。
 
従量料金の計算方法は、単価を固定する方式（固定型）、使用量に応じて単価が変動する方式（スライド型）、さらに原料費調整制度を取り入れる方式（原料費調整型）の3つのタイプが採用されています。

 

ガス料金を節約する方法

ガス料金は、ガスの使用量をおさえたり、設定温度を見直したりすることで節約が可能です。日常のちょっとした工夫や意識の積み重ねが、ガス料金の削減につながり、長期的に取り組むことで大きな節約効果を生み出します。
 
本章では「キッチン」「お風呂」「その他」3つのガス料金の節約方法について見ていきましょう。

 

キッチンのガス料金節約

キッチンのガス料金節約には、次のようなものがあります。
 

・お湯の使用量を減らす
・お湯の設定温度を低くする
・火力を弱める
・食器洗い乾燥機を利用する
・調理回数を減らす
・下ごしらえは電子レンジを利用する

 
例えば、経済産業省資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」によると、20度の水1リットルを沸騰させる際に強火ではなく中火を使うだけで、1日3回の使用で年間約2.38立方メートルのガスを節約でき、ガス料金も約390円節約できるとしています。

 

お風呂のガス料金節約

お風呂のガス料金の節約方法には、次のようなものがあります。
 

・給湯温度を下げる
・追いだきの回数を減らす
・お湯の量を控えめにする
・シャワー時間を短くする
・入浴間隔はできるだけ空けない
・節水シャワーヘッドを活用する

 
例えば、「省エネポータルサイト」によると、45度のお湯を流すシャワーの時間を1分短縮するだけで、年間のガス使用量が約12.78立方メートル減り、ガス料金も年間で約2070円節約できるとされています。

 

その他のガス料金節約

キッチンやお風呂以外でガス料金を節約する方法としては、次のようなものがあります。
 

・ガスファンヒーターの設定温度を低めにする
・ガス暖房器具はタイマーを活用する
・暖房器具のフィルターはこまめに掃除する
・ガス会社の料金プランを見直す
・ガス会社を変更する

 
リビングや寝室でガスファンヒーターを使っている場合は、設定温度を少し下げたり、使用時間を短くしたりすることでガス料金の節約が可能です。
 
例えば、「省エネポータルサイト」によると、ガスファンヒーターの設定温度を21度から20度に下げた場合、年間のガス料金を約1320円節約できるとしています（外気温度6度、1日9時間使用の場合）。

 

同じ使用量でもガス料金が変わることも！ ムダを減らしてしっかり節約しよう！

ガス料金は、為替や原油価格の影響を受けるため、使用量が同じでも請求金額が変わることがあります。
 
物価の上昇により、家計の負担が増している家庭も多いなか、できるだけガス料金をおさえたいところです。ガス代を節約するためには、使用量を減らしたり、設定温度を少し低めにしたりするなど、日々の生活で工夫を重ねることが大切です。
 
ちょっとした工夫がガス料金の削減につながりますので、早速今日から取り組みましょう。

 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 家庭でできる省エネ
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー