更新日: 2024.10.04 その他家計
節約のため大手キャリアから「格安SIM」へ変更しようと思います。電波基地局は大手キャリアと同じなのにどうして格安SIMのほうが安いのですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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格安SIMとは
格安SIMとは、大手キャリア(NTTドコモ・au・ソフトバンク)の月額料金より安い料金で利用できるSIMカードのことです。
SIMは携帯、スマホなどに挿入されているICカードの一種で、「加入者識別部品」を意味するSubscriber Identity Moduleの頭文字です。SIMには電話番号、識別番号などの契約者情報が記録されているので、SIMを挿入することで携帯などの本体を買い替えても使用可能になります。
格安SIMの仕組み
大手キャリアは、自社で基地局を設置しています。一方、新規に事業を始める業者が新たに基地局を設置すると、初期投資が高額すぎるため大きな参入障壁となります。そこで、既存の大手キャリアの基地局を借りて利用する仕組みにしたことで、初期投資をおさえることができ、新規の参入が容易になったのです。
新規参入業者は、「仮想移動体通信事業者」のMobile Virtual Network Operatorの頭文字から「MVNO」と呼ばれ、この仕組みを利用することで格安のプランを提供しています。
格安SIMが大手キャリアより安い理由
上述のとおり、格安SIMが大手キャリアよりも安いサービスを提供できるのは、基地局を借りることで設備投資を大きくおさえられるからです。また、SIMの入れ替えや本体の準備を利用者がすることで手数料などが発生せず、店舗も設置しないことで料金を安くしている格安SIMもあります。
なお、格安スマホという言葉もありますが、これは格安SIMにスマホ(端末)をセットにしているサービスです。
格安SIMのメリット・デメリット
格安SIMは料金が安いため、携帯料金の節約に大きなメリットがあります。しかし、その一方で通信の質などに不安を抱く人もいるかもしれません。そこで本項では、格安SIMのメリットとデメリットをまとめました。
格安SIMのメリット
格安SIMには、以下のメリットがあります。
●月額利用料金が大手通信事業者より大幅に安くなることが多い
●シンプルで分かりやすい料金プランを提供している
●乗り換えで大きな特典が提供されることが多い
●データ通信をあまり使わない人ほどお得になる
●「しばり」の期間が短く自動更新ではないことが多い
●利用中の端末がそのまま使える可能性がある
●利用中の電話番号がそのまま使える可能性がある
大手キャリアを利用する場合は、データ通信をあまり使わない人ほど利用頻度に比べて高い料金となることが多くなります。そのような人ほど、格安SIMはお得になる可能性が高くなります。
格安SIMのデメリット
格安SIMには、以下のデメリットがあります。
●通信速度の安定性が大手通信事業者より劣る場合がある(動画再生や大容量ファイルの送信など)
●キャリアメールが使えない
●問題があったとき店舗で相談できない(無店舗業者の場合)
●自分で初期設定をしなければならないケースが多い
●LINEのID検索ができないなど一部の機能に制限がある
格安SIMにもデメリットはありますが、理解をして使用すればそれほど大きなデメリットにはなりません。特に利用頻度が低い人ほど、デメリットよりもメリットが大きいといえるでしょう。
格安SIMはお得だがデメリットを知ったうえで検討しよう
格安SIMは、携帯料金を大きく節約できるサービスのひとつです。大手キャリアから基地局などを借りているため、安いサービスを提供できます。
ただし、大手キャリアで利用できたサービスが使えないといったデメリットもあるため、注意が必要です。料金が安いというだけで乗り換えるのではなく、事前にデメリットも調べたうえで乗り換えすることが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー