更新日: 2024.10.09 働き方

パート勤務ですが、祖母の葬儀のため「慶弔休暇」を取りたいです。欠勤だと給与が減ってしまうのですが、正社員でなくても取得できるのでしょうか?

パート勤務ですが、祖母の葬儀のため「慶弔休暇」を取りたいです。欠勤だと給与が減ってしまうのですが、正社員でなくても取得できるのでしょうか?
悲しい出来事は突然訪れるケースが多く、パート勤務の場合は想定外に休みをとる状況になりかねません。福利厚生の一環である「慶弔休暇」ですが、パートでも取得することは可能なのでしょうか? 給料が減る心配をせず、お休みできるのであれば活用しない手はないですよね。
 
そこで本記事では、慶弔休暇について解説します。働き方改革の一環として、2021年4月より厚生労働省より「同一労働同一賃金」が導入されましたが、パート勤務にどのような影響があるのでしょうか。そちらもあわせてみていきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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慶弔休暇とは

慶弔休暇とは、「結婚や出産などの慶事」や「お通夜や葬儀など弔事」があった際に取得できる休暇のことです。有給休暇と混同して考える人もいますが、有給休暇は法定休暇で、慶弔休暇は法定外休暇になります。つまり、法律で定められていない休暇です。
 
しかし、2017年に独立行政法人労働政策研究所・研修機構が実施した「企業における福利厚生実施の実態に関する調査」によると、慶弔休暇を採用している企業は90.7%と多くの企業が取り入れています。
 
厚生労働省が推奨する「モデル就業規則」にも慶弔休暇は記載されており、働き方改革が進み、従業員の心身の健康やモチベーション維持のためにも、慶弔休暇は欠かせない休暇といっていいでしょう。
 
 

一般的な慶弔休暇の付与日数

ここでは、弔事の場合の慶弔休暇の付与日数について紹介します。決まりはありませんが、一般的には以下のように定められていることが多くなっています。


・配偶者の死亡 7~10日
・子、父母の死亡 5~7日
・兄弟姉妹、祖父母の死亡 2~3日
・その他  1~2日

就業者本人と親類関係者の関係性の遠近によって、慶弔休暇が取得できる日数が異なります。0親等にあたる配偶者が最も多い7~10日、次に1親等の子どもや父母が5~7日、2親等にあたる兄弟姉妹・祖父母が2~3日、と親等で区切られているのが一般的です。ほかの親類関係者の場合も親等を目安にしてみてください。
 

慶弔休暇が有給とは限らない

慶弔休暇を有給扱いにしている企業が多いですが、有給か無給かはあくまで企業の判断になります。無給の場合もありますので、就業規則を確認することが大切です。


・慶弔休暇があるか、ないか
・慶弔休暇が有給か、無給か
・入社していつから取得できるのか
・起算期からいつまでに取得しなければいけないのか

また、慶弔見舞金があるかも要チェックです。前記の2017年に実施した、独立行政法人労働政策研究所・研修機構の「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」によると、非正規労働者に対して慶弔見舞金制度を設けている企業は53.9%との結果が出ています。
 

2021年4月より「同一労働同一賃金」が導入

「同一労働同一賃金」という言葉をご存じですか? 正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇の差の解消を目指すため、大企業では2020年4月より、中小企業では2021年4月より施行・導入されています。
 
厚生労働省より引用すると、「同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇の差を目指すものです」とあります。
 
つまり、業務内容や業務に伴う責任の程度が同じであれば、パート、アルバイト、正社員に関係なく同等の賃金、福利厚生にしなければいけません。この制度の導入により、パートも正社員同様の待遇が期待されます。
 

慶弔休暇がとれない? 意外な落とし穴

「同一労働同一賃金」は、実は違反しても会社側に罰則や罰金がない制度になっています。
 
また、短時間パートで働いている場合、正社員同等の業務内容といえず「不合理な差」に当たらないと主張されることも考えられます。同一労働同一賃金をどこまで守るかは企業次第、ということに留意が必要です。
 
各企業は導入を進めている段階ですが、中小企業の場合、上長や人事部の担当者が理解していない可能性もあります。曖昧であれば「慶弔休暇は、同一労働同一賃金の対象でしょうか?」と自ら上長へ確認するのも手です。上長もその問題に関心を持ち、人事部と相談し見直すきっかけになるかもしれません。
 
また、所定労働日より比例で付与される場合もあります。正社員は3日取得できるところ、パートは1日だけ付与される可能性もあるかもしれません。パートでの慶弔休暇の扱いに不明点があれば、まずは上長へ相談することが一番です。
 

出典

厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ
厚生労働省 モデル就業規則令和5年7月版
独立行政法人労働政策研究所・研究機構 企業における福利厚生実施の実態に関する調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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