更新日: 2024.10.09 働き方

週5日×4時間のパート勤務です。10月から「社会保険」の対象者が広がるようですが、私も加入対象なのでしょうか?

週5日×4時間のパート勤務です。10月から「社会保険」の対象者が広がるようですが、私も加入対象なのでしょうか?
加入だった方が社会保険に加入する場合もあるでしょう。社会保険にはさまざまなメリットがある一方で、給料から社会保険料が天引きされるといった面から、加入しない働き方を選択する方もいるようです。
 
社会保険の加入条件変更にあたって、自分が今までと同じ勤務のままにするのか、社会保険に加入しないよう調節するのか検討が必要です。今回は、社会保険の適用範囲や、メリット・デメリットなどについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

週20時間勤務だと社会保険は適用される?

令和6年年10月から社会保険の適用範囲が拡大され、社会保険の適用対象になるための要件が「従業員数51人以上の会社」に変わるため、現状の制度よりも多くの方が対象となります。厚生労働省の「社会保険適用拡大特設サイト」によると、社会保険の対象となるのは以下の条件をすべて満たしている場合です。
 

・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・2か月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない(休学中や夜間学生は加入対象です)

 
もし1週間で20時間勤務している場合、月額8万8000円以上円以上あれば社会保険の加入対象です。勤務時間が規定以上でも、収入が月額8万8000円未満なら対象にはなりません。
 
2024年10月に月曜日から金曜日の週5日4時間働いた場合で想定してみましょう。10月の勤務日数は合計23日間で、月の合計勤務時間は92時間です。月収が8万8000円以内になるのは、時給が956円以下のときになります。
 
ただし、賃金の規定には残業代や賞与を含まれていません。実際の社会保険が適用される年収は異なる可能性があるので、勤務先に確認が必要です。
 
 

社会保険に加入するメリットとデメリット

社会保険に加入すると、老後に受け取れる年金額が増加します。社会保険には厚生年金も含まれており、加入することで国民年金と厚生年金の2階建ての年金に変わるためです。厚生労働省のシミュレーションによると、年収150万円の方が5年間社会保険に加入すると、年金は月額3100円、年額3万7200円増額するようです。
 
さらに、社会保険の加入者は、病気やけがで働けなくなったときの傷病手当金や、産休期間中の出産手当金の対象です。よって、加入することで万が一の事態に備えやすくなるでしょう。
 
しかし、社会保険に加入すると保険料の支払いが必要です。保険料は給料から天引きする形で引かれるため、手取り額が少なくなったと感じる可能性もあります。
 

社会保険へ加入する際の注意点

扶養を受けていた方が社会保険へ加入すると、扶養者は届け出が必要です。手続きは被扶養者が社会保険に加入したタイミングで、扶養者の事業所を通して「被扶養者(異動)届」の提出が必要です。申請を忘れないようにしましょう。
 

月収が8万8000円以上であれば社会保険が適用される可能性がある

令和6年10月から対象となるのは、事業所の従業員数51人以上の勤務先で働いている方で、勤務時間が週20時間以上30時間未満かつ月収が8万8000円以上の方です。そのため、週20時間勤務でも月収が8万8000円を超えていなければ対象にはならないでしょう。
 
社会保険料の対象になると、将来受給する年金額が増加します。また、傷病手当金や出産手当金を受け取れる点もメリットです。
 
ただし、社会保険料は毎月の給料から天引きされます。人によっては、手取り額が社会保険料加入前よりも少なくなったと感じるケースもあるでしょう。もし社会保険に加入したくないときは、勤務時間を少なくする必要があります。メリットも考慮したうえで、加入するのか勤務時間を減らすのか決めましょう。
 

出典

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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