更新日: 2024.09.01 その他家計
エアコンは「上向き」がコスパ良し? 冷たい風は「下にたまる」のになぜ?“電気代の節約方法”とあわせて理由を解説
本記事では、エアコンの節電方法として風向きを考えてみます。上向きと下向きどちらがよいのかを紹介するとともに、そもそもエアコンは1日でどれくらいの電気代が必要なのか、節電につながるエアコンの上手な使い方などを解説します。
執筆者:嘉陽宗一郎()
エアコンを1日使用すると電気代はどのくらいかかる?
そもそもエアコンは1日にどのくらい電気代がかかるのでしょうか。1日に12時間使用すると仮定して考えてみましょう。
経済産業省資源エネルギー庁の資料によると、2.2kW(6畳用)エアコンの消費電力平均は504Wです。12時間使用すると504×12=6048W、1kWあたりの電気料金を31円で計算すると電気代は6048÷1000×31=187円(小数点以下四捨五入/以下同)になります。1ヶ月(30日)だと5610円です。
3.6kW(12畳用)、5.6kW(18畳用)で同様の計算をすると、1日の電気代はそれぞれ388円、695円、1ヶ月ではそれぞれ約1万1640円、約2万850円でした。一戸建てなど広い家では、かなり負担に感じてしまうかもしれない金額です。
しかし、エアコンを使わなければ熱中症になる可能性もあることから、エアコンは使わざるを得ません。少しでも節約するにはどのような工夫ができるのでしょうか。
エアコンの風向きは上向きが良い?
冷たい空気は重いので下にたまり、暖かい空気は軽いので上にたまる性質は多くの人が知っていると思います。そのためエアコンを使うのなら、人が過ごしている下のほうがよく冷えるように、エアコンの風向きは下向きにしたほうが良いのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、エアコンの風向きは上向きがおすすめです。その理由は、空気を対流させて温度を偏らなくしたほうが結果的に省エネにつながるからです。
エアコンの風向きを下向きにすると下に冷たい空気がたまっていきます。しかし、エアコンはたいてい高い場所に設置されており、エアコンのある位置では温度が高いままです。
するとエアコンは、設定温度まで下がっていないと判断して、必要以上に冷やそうとします。そのため、余計な電気代がかかってしまうわけです。また、必要以上に冷やすことは私たちの体にとっても良いことではありません。
エアコンの電気代を節約する方法
エアコンの風向きは下向きではなく上向きにしたほうが結果的には省エネにつながります。このほかにエアコンで節電するコツをいくつか紹介します。
サーキュレーターや扇風機を併用する
エアコンの風向きを上向きにしていると、ある程度は空気がかき混ぜられます。しかし、サーキュレーターや扇風機を使うと、より強力に空気をかき混ぜて温度ムラができにくくなります。エアコンが正しい室温を把握できるため、電気代を節約できるだけでなく、部屋全体が偏りなく涼しくなるでしょう。
風量は自動にする
風量を弱くしたほうが電気代の節約になると思いがちですが、実はそうではありません。例えば、エアコンを入れた直後は早く部屋を冷やしたほうがお得です。風量が弱いままだと部屋が冷えるまでに時間がかかるため、かえって電気代がかかります。
風量を自動にしておけば、エアコンを入れた直後は強風で、部屋が冷えたら風を弱め、効率よく冷えるように調整してくれるため、風量は自動がおすすめです。
定期的にフィルターを清掃する
エアコンのフィルターが汚れて目詰まりすると、吸い込める空気の量が少なくなるため、部屋を冷やすのに電気代が余分にかかります。2週間に1回程度を目安にフィルターを掃除するとよいでしょう。フィルターは水洗いや掃除機をかけることで清掃できます。
まとめ
エアコンの風向きは上向きにしたほうが節電につながります。下向きにすると温度ムラが生じてエアコンが正しい室温を把握できなくなり、必要以上に部屋を冷やそうとする可能性があるからです。
そのほかにサーキュレーターなどの併用や、風量の自動設定、フィルターの定期清掃などでも節電が可能です。これらのテクニックを活用して少しでも電気代を節約していきましょう。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ電子版リスト
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問Q&A
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士