更新日: 2024.08.25 その他家計

30代後半ですが、職場に「実家」から通っています。同僚に「一人暮らししたら?」と言われますが、“家賃”や“生活費”を入れていますし、なにか不都合はあるのでしょうか…?

30代後半ですが、職場に「実家」から通っています。同僚に「一人暮らししたら?」と言われますが、“家賃”や“生活費”を入れていますし、なにか不都合はあるのでしょうか…?
社会人の住まいの形態はさまざまです。職場近くの賃貸で一人暮らしをしたり、結婚して家を新築したりと、仕事の事情やライフステージの変化に伴い、変わってくるものです。
 
なかには地元で就職して、実家に住み続け、実家から職場へ通勤している人もいるでしょう。しかし、年齢を重ねると住まいの話題も増え「家、建てないの?」「一人暮らししないの?」などと言われるケースも増えるものです。そうした発言を「独り立ちしていないと思われているのかも?」とネガティブに捉える人も少なくないでしょう。
 
実家暮らしでは、何か不都合なことがあるのでしょうか。本記事では、実家暮らしのお金にまつわるメリットや注意点について解説します。

実家暮らしのお金にまつわるメリット

実家暮らしをするメリットのうち、お金に関わるものとして、以下の2つが挙げられます。
 

・家賃や水道光熱費の負担分を自由に決められる
・住宅手当を受けられる可能性がある

 
実家暮らしでは、家賃や水道光熱費などのお金を、家族と相談して自由に決められます。新社会人の頃は負担する金額を少なくしてもらい、収入が上がってくれば負担額を増やすなど、柔軟な対応が可能でしょう。
 
また、親が年金生活に入ると収入減少に伴う生活が心配になりますが、自分の収入がアップして負担できる分が増えれば、親の金銭面での負担を抑えることもできます。
 
また、勤める会社によっては住宅手当を受けられる可能性もあります。住宅手当は賃貸や戸建住まいの人に支給されるケースが一般的ですが、実家暮らしでも世帯が別であったり、自身が高齢の親を扶養に入れていたりする場合は、手当の支給対象となる場合があります。住宅手当が受けられれば自身の家賃負担を減らせるため、手取り額のアップが期待できます。
 

実家暮らしのお金にまつわる注意点

実家暮らしをする際のお金にまつわる注意点として、以下の2つを頭に置いておきましょう。
 

・家賃や生活費を入れないことで家族間のトラブルにつながる
・将来的な実家の取り扱い方によっては、何らかの支出が発生する

 
実家暮らしのお金で一番気をつけたいのは、家賃や生活費を入れないことによるトラブルです。保険マンモス株式会社の調査によれば、実家に入れているお金の平均額は4万257円でした。
 
一方「お金を入れていない」という人は約26%です。同調査では実家暮らしの理由で最も多いのが「お金に余裕がない」という回答であったことも踏まえると、金銭的余裕がないと感じている人ほど実家暮らしをしており、そのうえで実家にお金を入れていないことが多いようです。
 
家族間で相談して「お金を入れない」と決めているのであれば問題ないですが、相談なくお金を入れていない場合だと、親としても負担が増えてしまいます。「お金をいくら入れるか」は社会人であれば、必ず事前に親や同居家族と相談すべき事項といえます。
 
また、実家暮らしを長く続けていると、将来実家を受け継ぐ、取り壊す、建て替えるといったことに関わる可能性があり、支出が発生する可能性があります。親から実家を譲り受ける場合、固定資産税や贈与税などがかかるでしょう。取り壊す場合も解体工事費がかかるため、こうした費用の負担や家の取り扱いについては、よく考えておかなければなりません。
 

「実家暮らし」=悪?

社会人で実家暮らしとなると、どうしても「独り立ちできていない」「親に依存している」といったイメージを抱かれがちです。果たして、社会人になってからの実家暮らしは悪いことなのでしょうか。
 
社会人の実家暮らしは、決して悪いことではありません。住まいは家庭の形式や事情により異なります。法律で禁止されていることでもないため、一人暮らしと同様に住まいの選択肢の一つです。
 
特に「高齢の親の生活を手助けするため」「親の収入が低く、自分で養おうと決めたため」といった理由があれば、なおさら周囲に何か言われてもネガティブに捉える必要はありません。
 
ただし実家暮らしをしながら、「生活費を入れない」「お金の使い方が荒い」といったように、自分のお金のことしか考えられていない場合は、将来のことも見越して自身の立ち居振る舞いをよく考えなければなりません。
 
親と自分の世帯を分ける、親と家計を一緒にせず自分の生活費は自分で支払うといった対策で、金銭面で独り立ちできるようになるとよいでしょう。
 

自分のライフプランに合わせた住まいづくりを

いずれ一人暮らしをしたい、結婚して戸建てを購入したいなどといった明確なライフプランがある場合は、一時的に実家暮らしをして収入面での不安を解消することで実現しやすくなるでしょう。
 
一方、将来を考えずに何となく実家暮らしが続いている人は、今後の生活を見直すチャンスです。自分のライフプランに適した住まいを探すことで、金銭面の不安解消や快適な生活が実現できるでしょう。
 

出典

保険マンモス株式会社 実家暮らしの方へのアンケート(PR TIMES)
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
 
執筆者:石上ユウキ
FP2級、AFP

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