株価暴落が怖すぎたので、安全な「定期預金」でお金を増やしたいです。「1000万円」預けると、老後にはどれくらい増えますか? 利率はどれくらいでしょうか?
配信日: 2024.08.21
このような状況のなか、「資産が減るのは怖い」「やっぱり銀行に預ける方が安全かも……」と考えるのは自然なことです。本記事では定期預金の利率や、1000万円を預けた場合の増加額などについて解説します。
そもそも定期預金とは?
定期預金とは、銀行にお金を預け入れる期間をあらかじめ指定する預金のことです。期間中は原則として引き出しができないものの、普通預金よりも金利が高く、その間は元本が保証されます。
定期預金には、預入時に金利が確定し満期まで変わらない「固定金利型」と、市場の金利動向に応じて利率が変動する「変動金利型」があります。固定金利型は利率が変わらないため安定した利息を期待できます。変動金利型は金利上昇の恩恵を受ける可能性がありますが、市場の金利が下がると利息も低下する可能性があります。
定期預金は安全性が高いため、特にリスクを避けたい人や資産を確実に増やしたい人に向いている預金方法です。また、株式投資のように銘柄を選ぶなどの手間もないため、知識がなくても簡単に活用できます。
定期預金の利率はどれくらい?
定期預金の利率は、銀行や預け入れる期間によって異なります。1年間1000万円を預け入れると想定した場合、代表的な銀行の定期預金の利率は次のとおりです(2024年8月現在)。
三菱UFJ銀行:0.025%
三井住友銀行:0.110%
みずほ銀行:0.125%
このように、現在の日本の金利はとても低い傾向にあります。利率が0.025%で1000万円を1年間預けたとき、税引き前で2500円の利息しか得られません。
一方、一部のネット銀行では、比較的高い金利を提供しているところもあります。
ソニー銀行:0.35%
住信SBIネット銀行:0.35%
オリックス銀行:0.40%
例えば、利率が0.40%で1000万円を1年間預けた場合は、税引き前で4万円の利息になります。大手銀行と比べるとかなり高い金利といえるでしょう。
1000万円を預けると老後にはどれくらい増える?
1000万円を定期預金に預けた場合、老後にどれくらい増えているのか具体的にみてみましょう。年利0.35%で10年満期の定期預金に預けることを繰り返し、合計30年間定期預金に預けた場合を考えてみます。
・10年満期、年利0.35%に預けた場合
元本:1000万円
税引き後の利息:28万3331円
満期時受取金額:1028万3331円
・受け取った金額を10年満期、年利0.35%に預けた場合
元本:1028万3331円
税引き後の利息:29万1358円
満期時受取金額:1057万4689円
・さらに受け取った金額を10年満期、年利0.35%に預けた場合
元本:1057万4689円
税引き後の利息:29万9614円
満期時受取金額:1087万4303円
このように1000万円を年利0.35%の定期預金に30年間預け続けると、約1087万円になる可能性があります。日本では預金保護制度により1つの金融機関につき元本1000万円とその利息が保護されます。株価のように突然価値が下がることもなく、安全にお金を増やせるでしょう。
ただし、インフレの影響を考慮すると、お金の価値が目減りするリスクも否定できません。例えば、インフレ率が2%で推移した場合、30年後の1000万円の実質価値は現在の545万円程度に相当します。定期預金は安全である一方、長期で考えたときにお金の価値を下げる可能性のある選択肢だともいえるでしょう。
一方、投資信託の平均利回りは3%~10%といわれています。年利3%で1000万円を運用すると、30年後には2400万円以上に増える計算です。毎年一定の割合で増えていくわけではなく、増減を繰り返しながら右肩上がりになっていくということに注意しましょう。長期的に保有することが大切ということです。
リスクとリターンを理解して選択しよう
定期預金は元本が保証される上に複雑な知識がいらないため、安全かつ確実に資産を増やしたい人にとって手軽な選択肢となるでしょう。金利の良い銀行を選択すれば、1000万円を30年間預けることで約87万円の利息を得られる可能性があります。
ただし、長期的にはインフレによってお金の実質的な価値が目減りするリスクがあることに注意しましょう。資産を守りながら増やすために、自分のリスク許容度に合った資産運用を見つけることが重要です。
出典
一般社団法人全国銀行協会 定期預金
三菱UFJ銀行 円預金金利
三井住友銀行 円預金金利
みずほ銀行 円預金金利
ソニー銀行 金利一覧
住信SBIネット銀行 金利
オリックス銀行 eダイレクト預金
執筆者:山田麻耶
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