更新日: 2024.08.10 家計の見直し
夫を3万円のお小遣い制にしたいです。物価高の今、月3万円では足りない?もうすぐ子どもが生まれる予定で、専業主婦になるため出費を減らしたい。
本記事では、現在の物価高のなかで、月3万円のお小遣いが十分かどうかについて解説します。お小遣いの金額の設定方法についても解説するため、家族で家計について考える際の参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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お小遣いの平均金額は?
まずは、お小遣いの平均金額についてみていきましょう。
ソニー損害保険株式会社(東京都大田区)による「ボーナス時期お小遣いに関する調査」では、2024年5月に20~50代の有職者の男女約800名を対象にお小遣いの調査が行われています。
男性会社員の平均金額は2万9284円、女性会社員の平均金額は2万6186円となっており、2010年以降多少の増減はあるものの、大きな変動がないのが特徴です。
また、新型コロナウイルスの影響を受けて、残業の減少やテレワークへの移行など男女ともに働き方に変化があったことにより、お小遣いの増額がみられないとされています。
自宅にいる時間が長くなったことによって、水道光熱費の支出が増額しており、テレワークの浸透や外出の自粛などが家計やお小遣いに影響を与えているようです。
お小遣いが増えていない人がほとんど?
ソニー損保の同調査では、物価高となる以前の2020年と比較した場合、86.6%の方のお小遣いが増えてないといった調査結果があります。増えてないと回答した方のなかでも、減額した方が16.6%もいるとのことです。
物価高の影響を受ける一方で、一般財団法人労務行政研究所の「東証プライム上場企業の2024年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」によると、過去最高水準のボーナスとなっています。
しかし、ソニー損保の調査では85%以上の方がお金に対して不安があると回答しており、その理由として、円安や物価高を挙げる人の割合が最も多いとのことです。ボーナスの使い道についても、預金や生活費の補てんがほとんどとなっており、お小遣いの増額が難しい状況が続いています。
お小遣いを増やせない原因
お小遣いを増やせない原因としては、次のようなものが考えられます。
・新型コロナウイルスや物価高による支出の増加
・本業の収入が減った
・住宅購入や住み替え、子どもの教育費など、ライフステージの変化があった
・リモートワークやライフスタイルの変化があった
・失職や廃業、副業の休止による収入減少
新型コロナウイルスや物価高によって、直接的な家計への影響だけでなく、ライフスタイルや働き方の変化によって収入に変化があったことも原因となっています。
また、収入の減少だけでなく、ライフステージの変化も原因となっており、さまざまな支出が増えていることから経済的に余裕がない状況を生み出しているようです。
お小遣い3万円は少ない?
ここからは、物価高の現在、月々のお小遣い3万円は少ないのかどうかをみていきましょう。
株式会社SBI新生銀行(東京都中央区)の 「2023年 会社員のお小遣い調査」(調査時期:2023年4月、サンプル数:2718名)によると、お小遣いの使い道は次のとおりです。
図表1
男性会社員 | 女性会社員 | |
---|---|---|
1 | 昼食代 | 昼食代 |
2 | 携帯電話代 | 身だしなみのための費用 |
3 | 嗜好品代 | 携帯電話代 |
4 | 趣味の費用 | ファッション費用 |
5 | 飲み代 | 喫茶代 |
株式会社SBI新生銀行 「2023年 会社員のお小遣い調査」を基に筆者が作成
昼食代は、男性で1日平均624円、女性で1日平均696円となっており、お小遣いの使い道の多くを占めています。土日休みで月22日出勤した場合には、月々約1万4000円となるため、お小遣い3万円では半分ほどが昼食代に充当されると推察されます。
昼食代以外にも、携帯電話代や飲み代などが発生することを考えると、人によっては月3万円のお小遣いでは足りないかもしれません。
お小遣いは夫婦でよく話し合って上手に設定しよう
お小遣いを設定するうえで、物価高やライフスタイルの変化などによってお小遣いが足りなくなり、夫婦間でトラブルが発生しないようにすることが重要です。
家庭でお小遣い制を採用する際には夫婦でよく話し合い、収入に対する割合やボーナスの取り扱い、昼食代や飲み代などのお小遣いを使う範囲など、お小遣いに関するルールを定めておきましょう。
出典
ソニー損害保険株式会社 ボーナス時期お小遣いに関する調査(PR TIMES)
一般財団法人労務行政研究所 東証プライム上場企業の2024年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
株式会社SBI新生銀行 2023年 会社員のお小遣い調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー