更新日: 2024.07.31 その他家計
定年退職を機に両親と「同居」を始めました。世帯人数が2人から4人になると光熱費はどれくらい上がりますか?
今回は、2人世帯と4人世帯で光熱費や消費支出がどれくらい変わるのか、光熱費を節約するコツや高齢の親と同居する際の注意点などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2人と4人で光熱費はどれくらい変わる?
総務省統計局の「家計調査 家計収支編」によると、2023年時点で2人世帯の平均消費支出は月26万4238円、うち光熱・水道費は2万1619円でした。一方、世帯人数が4人だと、平均消費支出は月に32万3324円、水道光熱費は2万5655円です。消費支出全体で月に5万9086円、光熱・水道費だと4036円の差があります。
2人世帯と4人世帯で比べると、水道光熱費だけで年間4万8432円の値上がりです。
仮に自分と配偶者が60歳、両親が85歳だとし、両親が95歳になるまで一緒に暮らすとしましょう。平均消費支出を基にすると、自分と配偶者のみだったときは、10年間の消費支出が3170万8560円、光熱・水道費は259万4280円でした。対して、両親と暮らし始めた4人の平均消費支出は3879万8880円、光熱・水道費は307万8600円です。
つまり、両親と一緒に10年暮らす計算なら、光熱・水道費だけでも48万4320円、生活に必要な消費支出全体は709万320円多くかかる可能性があります。同居する両親にも年金収入があるため収入は増えますが、年金額によっては必要な支出額に足りなくなるケースもあるため、事前にいくら受け取れそうかを両親に確認しておきましょう。
光熱費を節約するコツ
光熱費を節約するためには、まず不要な家電や照明の電源を落とすことです。ストーブや扇風機など、季節によっては使わない期間がある家電は電源プラグを抜いてしまいましょう。基本的に、必要なときに必要なだけ使うことがポイントです。
ただし、エアコンはこまめに入れたり消したりするとなかなか設定温度にまで上がらず、逆に電力を多く消費して電気代が高くなってしまう可能性があります。短時間の外出程度なら、エアコンはつけっぱなしにしておいた方がいいかもしれません。
ガス代は、お風呂の追いだき回数を減らしたりシャワーの流しっぱなしをやめたりすると節約できるでしょう。
高齢の親と同居するときの注意点
まず、同居する際に両親と配偶者の意思を必ず確認しておきましょう。自分はよくても、配偶者は同居したくないケースもあります。無理強いをすると両親と配偶者の関係性が悪化する可能性もあるので、話し合いは大切です。
また、両親に介護が必要な場合はいつでもケアマネジャーなど介護の担当者と相談できる環境を整えましょう。全部一人で抱えて介護もしようとすると、心身共に疲弊して生活に支障が出る可能性があります。
また、同居をするうえで高齢の親と自分の感覚が違うことも考慮しておきましょう。例えば、夏だと高齢者は熱中症になりやすいといわれています。
高齢になるほど温度に対して鈍感になり、のどの渇きにも気づきにくいためです。熱中症になると、通院費や入院費がかかる可能性もあります。節約だけでなく、健康にも気を使うようにしましょう。
2人から4人になると光熱費は平均で月額2236円増加する
2人から4人になると、水道光熱費は月に4000円以上増加します。もちろん消費支出全体も増加するため、2人のときよりも生活費のやりくりを意識する必要があるでしょう。
光熱費を節約するためには電気はこまめに切ります。ただし、短時間の外出程度であれば、エアコンは入れたままにしておきましょう。追いだきやシャワーの使用量を減らすと、ガス代の節約も可能です。
両親と同居する際は、配偶者や両親たちと話し合ったうえで、介護が必要になったら相談できる環境を整えて同居しましょう。
出典
総務省統計局 政府統計の総合窓口 e-stat 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2023年 表番号3-1 世帯人員別
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー