更新日: 2024.07.30 働き方

就職率ほぼ100%、求人倍率は約20倍!令和でも就職に強いとされる「高専」卒業生の進路や初任給の実態とは?

就職率ほぼ100%、求人倍率は約20倍!令和でも就職に強いとされる「高専」卒業生の進路や初任給の実態とは?
現代でも就職が圧倒的に強いとされている「国立高等専門学校(以下、高専)」の卒業生。独立行政法人国立高等専門学校機構の調査によると、令和5年度の卒業生たちの就職率はほぼ100%であり、求人倍率は20倍を超えるといった実績を残しています。
 
そこで今回は、高専卒業生の卒業後の進路について、就職実績や初任給などについて解説します。高専の受験を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高専とは?

中学校卒業後の若者を受け入れ、本科5年一貫の教育によって高度な専門性とチャレンジ精神に溢れた「社会の財産」である人材を育てる高等教育機関が高専です。高専は、北海道から九州・沖縄まで、全国で51校設置されています。
 
高専には、大きく分けて「本科」と「専攻科」があります。本科は中学校卒業後5年間にわたり勉強するコースで、専攻科は5年間の本科を卒業したあとに、さらに2年間より高度な技術教育を行うことを目的としたコースです。
 

高専卒業生の進路

令和5年度の高専卒業生の進路を、本科と専攻科に分けて表1にまとめました。
 
表1

進路 本科 専攻科
就職 57% 68%
進学(大学編入) 25%
進学(専攻科) 15%
進学(大学院) 30%
その他 3% 2%

※独立行政法人国立高等専門学校機構「KOSEN National Institute of Technology 2024年度」を基に筆者作成
 
本科の卒業生の進路は、約6割が就職、残りの約4割が進学となっています。また、専攻科の卒業生は就職が7割近くと、本科に比べて就職する人が多いことが分かります。
 

就職希望者の就職率の推移

では、就職希望者の就職率の推移を見ていきましょう。直近の令和5年度の就職率は、本科99.1%・専攻科99.2%でした。令和に入ってからの就職率の推移は、平均して本科・専攻科ともにほぼ100%となっており、高い就職率を誇っています。
 

高専卒業生の初任給と卒業後のキャリア

次に、本科卒業生の産業別就職者数を表2で紹介します。
 
表2

産業 人数
製造業 2365
情報通信業 756
建設業 530
電気・ガス・熱供給・水道業 356
学術研究、専門・技術サービス業 310
運輸業、郵便業 276
公務(他に分類されるものを除く) 163
サービス業(他に分類されないもの) 150
卸売業、小売業 78
不動産業、物品賃貸業 45
その他 64

※独立行政法人国立高等専門学校機構「KOSEN National Institute of Technology 2024年度」を基に筆者作成
 
就職先の業界としては、製造業・情報通信業・建設業などが多いようです。
 
高専卒業生の待遇は、給与面を中心に高い評価が反映されています。 ある企業では、高専(本科)卒業生の新卒採用を2025年4月入社より開始し、給与や配属先などの待遇は大学卒業と同条件とのことです。さらに、ほかの企業でも、高専(本科)卒業生は大学などの卒業生と同額の初任給としているとの情報もあります。
 

高専卒業生の進路は多くが製造業への就職

高専卒業生の多くが卒業後は就職をし、中でも製造業が多いということが分かりました。なお、就職率が高く企業からの評価も高いため、好待遇が期待できるかもしれません。これから高専に進もうと考える方は、今回の記事を参考に高専に進むべきか否かを検討してみましょう。
 

出典

独立行政法人 国立高等専門学校機構 KOSEN National Institute of Technology 2024年度版
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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